徹底解説!歩育とは?子どもの可能性を引きだす効果や一緒に楽しむ方法

更新日:

歩くこと自体が子どもの豊かな心を育んだり、基礎能力を伸ばすことができると近年話題の「歩育」。

「子どものためにできることは、なんでもしてあげたい!」と思いながら、具体的に何をすればいいのかわからない方も多いのではないでしょうか。

本記事では歩育とは何かということから、歩育の効果や注意点、歩育を日常的に親子で一緒に楽しむコツなどをご紹介します。

歩育とは?子どもの将来の能力にどう影響する?

歩育とは、自然を感じたり地域と触れ合ったりしながら歩くことで、子どもの体力や知力、感性などの能力の発達を助け、伸ばしていく効果があるものです。

幼児期に歩育を通して、好奇心を刺激し五感を磨くことが身体能力や脳の発達を向上させる効果が期待でき、自らを表現し未来を開拓していく能力の基盤を効率よく養えます。

そもそも「歩育」とは

歩育は、歩くことで足を刺激し、地域や社会と触れ合うことで脳が活性化され、子どもの発達を促す効果があるものです。歩育をスタートするタイミングとしては、2歳~3歳頃の歩き始めが効果的です。

幼児期から歩育をスタートすれば、早い段階で勉強や運動に自ら取り組むきっかけになり、将来の選択肢の幅を拡げられる可能性が高まると言われています。

子どもの可能性を奪ってしまう?!子どもの基礎能力低下問題

近年子どもの学力や運動能力などの基礎能力の低下が問題視されています。文部科学省によると、昭和60年頃から子どもの運動能力や体力が低下していると言われています。

また、数値的な変化だけでなく、常に疲れている子や机に突っ伏し授業に集中できない子も明らかに増えているとの指摘も。脳の発達に関連する神経細胞の発達は3段階と言われます。

3歳前後で神経回路が急激に発達し、この時点で既に成人の60%〜70%に達します。幼児期に好奇心を育て、外部からの刺激を身体や脳にともに受けることが子どもの将来の可能性を広げていくキーポイントです。

歩育は子どもの”生きる力の基礎”を育む「基礎教育」のひとつ

文部科学省では、体力、気力、思考力、判断力、想像力、創造力など社会で生きていくための人間力など「知・徳・体のバランスのとれた力」のことを”生きる力の基礎”と定めています。
また、”生きる力の基礎”を育む基本的な教育を「基礎教育」と言います。

生きる力の基礎を幼少期にどれだけ作ることができるかが、子どもの将来の可能性をどれだけ広げられるかに大きく影響します。
歩育以外にも基礎教育と呼ばれるものは山ほどありますし、取り組むとなれば費用も際限なくかけられます。

そんな基礎教育を日常的に取り入れられる手段のひとつが歩育で、自らを表現し未来を開拓していく能力の基盤を効率よく養うことができます。

「生きる基礎」を育む歩育の3つの効果

「生きる基礎」を育む歩育の3つの効果

社会で生きていくための「知・徳・体のバランスのとれた力」=生きる基礎。
先行きの見えない不安定な時代だからこそ重要となる、生きる基礎を育む歩育の3つの効果をご紹介します。

ポイントその1「体力づくり」

何をするにも、何歳になっても、体力は必要不可欠です。歩くことは、全ての運動の基礎。
歩育は、身体の使い方や呼吸の仕方を身に付けることができ、幼児期であっても日常的に手軽に取り入れられる全身運動のひとつです。

ポイントその2「脳の活性化」

自然や地域を見たり触れたり聞いたりしながら歩くことで五感が刺激され、脳が活性化されます。家にはない、たくさんの刺激を受けることができます。
大人にとっては何気ない日常の風景に感じても、感性豊かな子どもにとっては一瞬一瞬が刺激的で特別な体験です。

ポイントその3「精神安定」

歩くことで体内から幸せや癒しを感じるホルモンが分泌されます。
例えば、やる気や達成感を得られる「ドーパミン」、爽快感を感じられる「βエンドルフィン」、心の安定を感じられる「セロトニン」などが歩くことにより分泌され、精神を安定させます。

ウォーキングセラピーといってウォーキングによってストレス軽減やうつ症状、依存症などが軽減される効果もあると言われています。

ただ歩くだけではない!歩育の3つのポイント

ただ歩くだけではない!歩育の3つのポイント
幼児期に行うことで子どもの発達を促し、能力を高める効果があると言われる歩育を、より効果的に取り入れるための3つのポイントをご紹介します。

ポイントその1「子どもの気付きを分かち合う会話」

歩育を行う際、最も重要と言っても過言ではないのが会話です。
「この花かわいいね」や「空が青くてきれいだね」など、すぐそこにある何気ない日常を共有しながら歩いてみてください。

どんなに小さなことも一緒に注目し分かち合うことで、子どもの自己肯定感は高まり、ママやパパとの絆も深まるはずです。
例え子どもからのレスポンスがなかったとしても、ママやパパの表情や声色をメッセージとして受け取り、心に積み重ねていきます。

ポイントその2「子どもの足にぴったり合う靴選び」

特に幼児期の子どもの足は、とてもやわらかいため、合わない靴を履いていると変形してしまいます。足が変形すると「外反母趾」や「浮指」になり、その後の運動能力やバランス感覚に良くない影響を与えます。

すぐにサイズアウトするからと言って、大きめの靴を買うのはNGです。ぴったりと合ったサイズの靴を選ぶ必要があります。

ポイントその3「子どものペースや気分に合う距離感」

子どもの歩く距離の目安で「年齢×1㎞」と言われたりもしますが、それはあくまでもひとつの目安。

文部科学省の報告でも、「積極的な幼児期の運動はその後の子どもの運動能力や知力に大きく影響するが幼児期は特に個人差があるため一人一人のペースを大切にすることを推奨している。」とされています。

子どもをよく観察し、まだ歩きたそうかな?もうやめておこうかな?と問いかけながら歩育を行いましょう。

歩育の注意点とは?

歩育の注意点とは?
歩育を幼児期に行うからこそ気になるのが安全面。ママやパパも安心して歩育を取り入れ、安全に楽しく歩育を行うための注意点の具体案をご紹介します。

歩育の注意点その1「距離にこだわらない!ベストを一緒に探す」

もっと歩かせないと・・・!と義務的になり、子どもに無理強いしてしまうのはナンセンスです。ママやパパが苦しくなってしまうのは本末転倒ですし、続かなければ意味がありません。
子どもと共通の楽しみや目標を見つけて、距離にこだわらず、あくまでもコミュニケーションをとりながら歩くことを楽しんでみてください。

歩育の注意点その2「子どもは体温調節が苦手!暑さ・寒さ対策」

大人よりも体温調節が苦手な子ども。体温や顔色などをよく観察して、調整してあげる必要があります。
暑さ対策にハンディー扇風機や保冷剤、寒さ対策に上着やブランケットなど携帯しやすいグッズの持参がおすすめです。

歩育の注意点その3「キーワードは‘‘楽‘‘「抱っこして!」への対応」

大前提として抱っこをするのが、悪いわけではありません。
歩育を行う際、まずは、子どもの気に入りそうな場所やものがあれば「そこまで歩いてみよう!」や、ママやパパの好きなお店や風景の場所まで「一緒に行ってみよう!」と提案してみてください。

それでも子どもが乗り気でなければ、抱っこももちろんOK。結局ほんの少ししか歩いてない日があってもいいんです。いつ抱っこになってもいいように、抱っこ紐を持参して気楽に歩育を続けてみましょう。

親子で一緒に歩育を楽しめる!おすすめのグッズ

親子で一緒に歩育を楽しめる!おすすめのグッズ
歩育を行う際に「持っててよかった~!」となること間違いなしの、便利で楽しいおすすめのグッズをご紹介します。

歩育おすすめグッズその1:幼少期の柔らかい足をしっかりケア「インソール」

子どもの靴選びは重要とはいえ、足のサイズは左右差や個人差がある子も多いため、ぴったりと合う靴を探すのは至難の技です。今ある靴を足に合わせることができるインソールやお店で足の計測をした上で靴を選べる靴屋さんがおすすめ。

また、すでに子どもの歩き方が気になるという方は、専門家と一緒に作れるオーダーメイドのインソールもあります。
歩育おすすめグッズその1:幼少期の柔らかい足をしっかりケア「インソール」
Amazonで詳細をみる
歩育おすすめグッズその1:幼少期の柔らかい足をしっかりケア「インソール」
楽天で詳細をみる

歩育おすすめグッズその2:切替可能!抱っこが楽になる「ヒップシート付き抱っこ紐」

ママやパパが近くにいれば、子どもは抱っこしてほしいですよね。ただ、抱っこして、歩かせて、また抱っこしての繰り返しは、大人の体力も必要。

お互いできるだけ負担をかけずに歩育ができる、ヒップシート付き抱っこ紐がおすすめです。3歳くらいまで使えて、対面抱きやおんぶに切り替えられるタイプもあるため、歩育中に寝てしまった時も安心。
歩育おすすめグッズその2:切替可能!抱っこが楽になる「ヒップシート付き抱っこ紐」
Amazonで詳細をみる
歩育おすすめグッズその2:切替可能!抱っこが楽になる「ヒップシート付き抱っこ紐」
楽天で詳細をみる

歩育おすすめグッズその3:おしゃれで軽くて丈夫な「トイカメラ」

子どもと歩育をできるのは、限られた期間です。振り返れば一瞬の幼児期の我が子と一緒にいた時間をカタチにして残しておける、トイカメラがおすすめ。

子どもが持ちやすく、落としてもいいようにシリコンカバーが付いているタイプが多く、デザインもさまざまな種類があります。子どもの目線で一緒になって写真を撮るのも新鮮で、「我が子がこんな素敵な写真を撮れるのか」と新しい発見ができる楽しみもあります。
歩育おすすめグッズその3:おしゃれで軽くて丈夫な「トイカメラ」
Amazonで詳細をみる
歩育おすすめグッズその3:おしゃれで軽くて丈夫な「トイカメラ」
楽天で詳細をみる

まとめ

まとめ
子どもの五感や好奇心を刺激し、発達を促すことで運動能力や知力、創造力などを高める基礎教育を日常的に手軽に取り入れられるのが「歩育」。歩育は子どもとママやパパのペースに合わせて、無理のない範囲で行ってみてください。

行ったことのない場所に行くもよし、近所で小さな幸せを発見をするもよし、ママパパのお気に入りの場所にいくもよし。どこに行くかやどれだけ歩くかよりも、子どもと過ごせる限られた時間を大切に。

この記事のライター

かつのたき

かつのたき

4歳の子どもを持つママライターです。(ハムスターを飼っています)前職はFPの資格を活かしながら金融系で働いていましたが、出産を機に「子ども達の未来を明るくしていきたい!」とSDGsに興味を持ち、NPOや環境系ベンチャー企業でボランティアをした後、現在はNPO支援中間組織で働いています。同じ子育て中の方が少しでも楽しくなったり、ほっとしたりするような情報をお届けできたらと思います。