子育てしやすい間取りを選ぶためにおさえておきたい6つのポイント
更新日:
子育てしやすい間取りの選び方について気になっていませんか?
「家族で団欒できる、コミュニケーションが取りやすい空間に憧れている」「家事と育児がしやすい住まいを希望している」「家族が安全に暮らせる家にしたい」と、理想の間取りをイメージしている方も多いはずです。
そこで今回は、子育てがしやすい間取りの選び方のポイントと、子育てをする際に注意したい安全対策について解説します。
これからマイホーム探しをされる方やリノベーションや引っ越しを考えている方は、ぜひ参考にしてくださいね。
この記事の監修者
鈴木晴江
ネクストイノベーション株式会社 広報課ブランディング室 / インテリアコーディネーター
新築戸建て・リノベーション・モデルルームなど、デザイン・コーディネート・スタイリングまでトータルに手掛ける住空間のプロフェッショナル。デザイン性だけでなく、自身の子育て経験(2児の母/男の子・女の子)からの住まい手に寄り添った提案が好評。子育てしやすい注文住宅を企画・デザイン・開発しています。
ネクストハウスグループ:https://nexthouse.jp/
Table of Contents
子育てしやすい間取りのポイント6つ
最初に、子育てがしやすい間取りのポイントについて解説します。
1. 最初が肝心!ゾーニングを考える
ゾーニングとは、部屋を用途に合わせてスペース分けすることです。家の中で「どのように家族が過ごし関わり合いを持つのか」、それに伴い「どのようにスペースを分けるのか」を考えます。
具体的には、「家族で過ごす共有スペース」や「子ども専用の個別スペース」などをどのくらい確保するかをきちんと考えることで、子育てがしやすい間取りの全体像が見えてくるという感じです。
最近では共有スペースを広く取り、個別スペースは最低限の省スペースにする傾向にあります。
ライフシーンに合わせて、どのように過ごしていくかをしっかりとイメージするようにしましょう。
監修者コメント
ゾーニングには大きく4つ。パブリックゾーン(リビング/ダイニングなど)・プライベートゾーン(各室/書斎など)・サービスゾーン(キッチン/トイレ/洗面所/浴室など)・移動ゾーン(玄関/廊下/階段など)。
大切にしたい空間から考えて、関わりからつなげていくと無駄なくスムーズにまとまります。
2. ながらで時短の家事楽動線
間取りを選ぶ際は、家事動線を意識することで子育てがしやすくなります。なぜなら、子どもが小さいうちは家事をしながら、育児をこなさなければいけないシーンが多くあるからです。
毎日の家事や育児の中で「どんなことが負担になり、どうしたらスムーズになるのか」を具体的にイメージして家事動線を考えることが重要です。
家事が時短できる動線なら、パパやママの負担が軽減し余裕が生まれるので、落ち着いて子どもに対応できますよ。
監修者コメント
子育て時間での居住時間の長い部屋と、サービスゾーンの距離が短いのがおすすめ。
特に赤ちゃん期はお洗濯物も多いので、洗濯物置き場→洗濯→洗濯干し→たたむ/分類→収納→着用/活用の一連ができるだけ短いと負担が少なくなりますね。
3. コミュニケーションが取りやすい対面式キッチン
家族の様子を見守ることができ、コミュニケーションが取りやすい対面式のキッチンは、子育て世代におすすめです。キッチンからリビングにいる赤ちゃんの様子が見え、泣き出したらすぐに駆け付けられます。
子どもが成長したら、家事をしながらおやつの時間に園や小学校でのできごとを聞いたり、宿題をする様子を見守ったりできます。
対面式キッチンのようにコミュニケーションが取りやすい空間なら、安心して子育てができますよ。
監修者コメント
対面キッチンは大人から子供に目線が届くというだけでなく、子供(赤ちゃん)からも、ママやパパを見つけやすい!自分を見ていてくれる、という見守り目線の安心感にもつながります。
キッチンでの作業も多い子育て世代には、大切な時間ですね。
4. フレキシブルに大活躍な和室スペース
リビングの横にある和室はさまざまな用途に活用できるので、子育て世帯はぜひ取り入れたい空間の1つです。
フローリングよりも柔らかい畳は、そのまま布団を敷いて赤ちゃんをお昼寝させたりオムツ替えのスペースにしたりできます。
和室におもちゃをまとめてプレイスペースにすることも可能です。
おじいちゃんやおばあちゃんが遊びに来た際は、ゲストルームにもできますよ。自由に活用できる和室があると、シーンに合わせて多様に対応できるのでかなり便利です。
監修者コメント
和室だけでなく、洋室でも置き畳などで「タタミコーナー」をつくることもできます。また、段差はできますが、その高さ分を収納として活用する方法もあります。
寝転んだりゲストルームにもしたい場合は少なくとも4.5帖以上はあるといいですね。
5. スッキリ収納たっぷりストック
収納スペースは「少し多いかな?」と思うくらい余裕があるのがベスト。
子育て中はおもちゃや洋服だけでなく、ベビーアイテム、幼稚園・小学校で制作した作品など、ものがどんどん増えていきます。
たっぷりと収納するスペースがあると、部屋が散らかりにくくスッキリとした空間での子育てが可能に。
また、備蓄をするスペースもあると、オムツや日用品、食糧品などをストックできます。買い物に行けない状況でもストックがあると安心ですよ。
監修者コメント
防災への対応としても、日用品や食材も備蓄と合わせて「ローリングストック」を意識してみましょう。各収納場所を決め、期限に注意し活用しながらのストック。
乳幼児はオムツ・ミルク・離乳食等は月齢で変化するので定期的な見直しと使い切りを忘れずに。
6. アップデートでライフスタイルに対応
子どもの成長に合わせて用途を変えられる間取りを選ぶと便利です。その理由は、成長とともにライフスタイルが変容するからです。
新生児のうちは寝るスペースがあれば十分ですが、大きくなるにつれおもちゃを広げたり勉強をしたりするスペースが必要になります。
年を重ねるとプライベートな空間を欲しがるようになり、子どもの人数によっても理想の間取りは異なります。そのため、ライフスタイルの変化に対応できる間取りを選ぶのがおすすめですよ。
監修者コメント
お子様の年齢時期のライフスタイルから、メインの活動に着目し、その活動がのびのびできる空間を意識してみましょう。
例えば、赤ちゃん期は「安眠スペース」→幼児期は「室内遊びスペース」→学童期は「勉強スペース」など成長の中でスライドしていくイメージです。
子育てをする際に注意したい家の中での安全対策
ここでは、子育てをする際に注意したい安全対策を赤ちゃんの成長段階順に解説します。
ねんね期
ねんね期(生後0〜3ヶ月頃)の赤ちゃんは、1日のほとんどを横になって過ごすので、赤ちゃんが寝ている場所の安全性を確認しましょう。
たとえば、赤ちゃんが寝ている場所がベッドなら、少し目を離した隙に転落しないように、落下防止の対策をする必要があります。
また、天井面からの落下物や大型家具の転倒で、赤ちゃんに危険が及ばないよう安全対策にも気を配りましょう。赤ちゃんが安心して過ごせるように、寝ている周辺に危険がないかを見直してくださいね。
監修者コメント
赤ちゃん自身の行動の見守りと共に、赤ちゃんに関わる周辺からのアプローチにも配慮をしましょう。
例えば、小さなお兄ちゃん・お姉ちゃん、ペットのワンちゃん・ねこちゃんなども、何をするではなくても、大人の目の届かない時には外界からの手が届かないように。
ハイハイ期
ハイハイ期(生後6〜10ヶ月頃)になると、赤ちゃんの行動範囲は一気に広がります。赤ちゃんがケガや誤飲する可能性のあるものは、手が届かない場所に片付けてください。
また、少しの段差ならハイハイでも乗り越えられるようになります。外への転落防止のため、窓やベランダなどに踏み台となるものを置かないようにしましょう。
監修者コメント
室内ドアなど動く物の動作環境・扉の丁番側の隙間・階段(特に下り口)がある場合は、しっかりと関わらない対策を。
また、ハイハイ期の目線の高さで気になる「コンセント類」やコードの引っ掛かりなどもご注意ください。
つかまり立ち期
つかまり立ち期(生後6ヶ月〜1歳頃)になったら、転倒によるケガにも注意しなければなりません。赤ちゃんがこけてケガするのを防ぐために、クッションマットを敷くのがおすすめです。
他にも、赤ちゃんが移動の際に手をかけるものが倒れないかどうかにも気を配りましょう。
本棚のように倒れたら危険な家具には、突っ張り棒やストッパーで固定するなどの対策をしておくと安心ですよ。
監修者コメント
手の届く家具類の安定感を再確認しましょう。ローテーブルなど机上の物にも手が届き始めます。ベビーベッドの場合は高さも見直し、底板を下げましょう(高さ基準はベビーベッドの仕様確認してください)。
ベッドの中にも踏み台になるような物を置かないご注意を。
よちよち期
よちよち期(生後1歳〜1歳6ヶ月頃)が始まると、赤ちゃんはさらに活発になります。手の届く場所や行動範囲が広がるので、安全対策を強化する必要があります。
たとえば、テーブルやテレビ台の角など、転倒して頭をぶつける可能性がある箇所にはコーナーガードを付けましょう。
階段や玄関の段差で転落する可能性がある場所には、ベビーゲートを設置するのがおすすめです。赤ちゃんの手が届く場所にあるコンセントには、コンセントカバーを付けて感電事故防止をしましょう。
監修者コメント
興味の対象は、外回りにも向かいます。窓回りやベランダにも、足掛かりをつくらない・窓の鍵操作・窓の開口などについてもお子様目線で総チェックをして、必要に応じた対策をしておきましょう。
ベランダに出たお母さんがうっかり締め出されないようにも。
安心して子育てができる間取りを選ぼう!
今回は、子育てがしやすい間取りの選び方のポイントと、子育てをする際に注意したい家の中での安全対策について解説しました。
家族で楽しく快適に暮らすためには、安全に過ごせて家事の負担を軽減できる間取りを選びましょう。
子どもの成長に応じて柔軟に変容できるのも大切なポイントです。この記事を参考に、子育てがしやすい理想の間取りを選んでみてくださいね。
この記事のライター
吉田英梨香
小学生と幼稚園児を子育て中のママライターです。子育てと仕事を両立させながら、子供たちの感性や表現力などを伸ばしていく手助けができるように、日々悩みながら試行錯誤しています。私は子供たちの「やりたい」を大切にするようにしていますが、つい「やりたい」を大切にしすぎて甘やかしてしまうこともしばしば……休みの日は、子どもと一緒にベランダ菜園や工作などを一緒に楽しんでいます。 育児に悩むママさんに寄り添った情報をお届けいたします。