子どもの慣らし保育にかかる期間は?仕事復帰のためのスケジュール

子どもの慣らし保育にかかる期間は?仕事復帰のためのスケジュール

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1歳まで取得できる育児休業もあと少し。無事に保育園が決まってホッとする半面、いつも一緒だったわが子と離れる寂しさや、職場復帰への不安を感じている人も多いのではないでしょうか?

そんな不安を和らげるために実施されるのが「慣らし保育」です。慣らし保育の期間は、預ける保育園や子どもの性格によって大きく異なります。

そこで今回は、慣らし保育の期間と仕事復帰のスケジュールについて詳しく解説します。

また、10年間保育士をしていた筆者が、保育中の子ども達の様子ついても合わせてご紹介しますので、参考にしてみてください。

慣らし保育とは

慣らし保育とは
慣らし保育とは、新しい保育園に通う子どもが「保育園に慣れるため」に設けられる期間のことです。

いつも一緒にいたパパやママと長時間離れて保育園に通うことは、子どもに大きな負担がかかります。

慣らし保育は、初めての場所や初めて会う保育士に戸惑う子ども達が、環境に慣れるまで保育をゆっくり進める期間です。

慣らし保育の期間は保育園によって差があり、1日2~3時間の預かりから始める保育園や、希望者のみにおこなうといった保育園などさまざまです。そのほか、

  • 食事ができるようになるまでは半日保育
  • お昼寝ができるようになったら1日保育

など、独自の基準を定めている保育園もあります。慣らし保育の目的や期間については、以下の記事でも詳しく解説しています。

保育園・幼稚園デビュー!慣らし保育の目的とは?期間から心構えまで

慣らし保育の実施スケジュール

慣らし保育の実施スケジュール
慣らし保育のために復職日を調整しようと思っても「そもそも慣らし保育の基準って…?」と、戸惑ってしまう人も多いのではないでしょうか?

しかし、慣らし保育の期間は明確には定められておらず、保育園によって異なるのが現状です。そこでここからは、主な慣らし保育のスタイルを3パターンご紹介します。

  • 慣らし保育はおこなわない
  • 慣らし保育は1~2日半日程度
  • 慣らし保育は子どもに合わせて進める

慣らし保育はおこなわない

入所する保育園によっては、慣らし保育を勧められないことも少なくありません

  • 子どもはどんな場所でもすぐに順応する
  • 保育士はプロなのでお任せください

上記のようなスタイルの保育園に多いようです。

また「不安なら早めに迎えにきてもOK、お仕事が忙しければ初日からフルタイムでもOK」と、親子の都合に合わせて慣らし保育を選択できる保育園もあります。

しかし、初めての場所で1日過ごすと、大人でも疲れてしまいますよね。お子さんの月齢や性格にもよると思いますので、初日は半日でのお迎えが理想です。

慣らし保育は1~2日半日程度

保育園のなかには、1~2日間だけ半日保育として慣らし保育を設けるところがあります。

お昼までのお迎えが日常化してしまうと、子どもが「お昼に迎えに来てくれる」ことに慣れてしまいます

月齢や性格にもよりますが、保育園の雰囲気を知るには丁度良い期間といえます。これくらいなら、有給で対応しようと考えるママも多いのではないでしょうか?

慣らし保育は子どもに合わせて進める

慣らし保育の平均が約2週間といわれている原因は、この「慣れるまで子どもに合わせて進める」スタイルの保育園にあります。

慣らし保育について調べるなかで「慣らし保育が終わらない」という声を聞いたことはありませんか?

それは、慣らし保育の期間に明確な基準を設けず「子どもが慣れたら次のステップへ」といったスタイルをもつ保育園に通っていることが原因かもしれません。

例えば、初日は1時間からスタートして2日目は2時間。子どもが泣いたら電話でお迎えを要請して、翌日はまた2時間まで。水分が取れるようになったらお昼まで保育し、昼食を拒否したらお迎えの要請を…。

というように「お昼寝ができるまで」「お昼寝明けまで」と、細かくステップが決められていると、なかなか慣らし保育が終わりません。

そうしているうちに、風邪をもらってきてしまい数日休むことで振り出しに戻るケースもあります。

子どもに合わせて進める慣らし保育は丁寧ではありますが、本格的に仕事復帰できる時期が読めずとても大変です。

慣らし保育中の子ども達の様子

慣らし保育中の子ども達の様子
慣らし保育中の子ども達は、さまざまな反応を見せます。ママの顔が見える送迎時に泣き出すことが多いので「1日中泣いていたのでは?」と、心配になることがあるかもしれません。

しかし、意外と子ども達はたくましく、あっという間に順応します!もちろん個人差はありますが、慣らし保育中の子ども達は以下のような様子で過ごしています。

保育士経験のある筆者が見てきた、慣らし保育中の子どもたちの様子
  • ママが見えなくなったドアへと向かう
  • ドアを叩いたり、開けようとしたりする
  • 抱っこしてくれた保育士にしがみつく
  • 思い出して泣いたり、気が紛れて笑ったりする
  • おもちゃに夢中ですっかり元気になる
  • 突然思い出して泣き、最初に抱っこしてくれた保育士を探す
  • 食事が好きな子は食事の時間になると泣き止む
  • 不安でお昼寝できず抱っこで寝たり起きたりを繰り返す
  • 「ママ来たよ」の声で思い出して泣く

保育園では、早く安心して過ごしてもらえるよう、特定の保育士がお世話するよう心がけます。すると翌日には「この先生の抱っこなら泣き止む」というくらい、関係を築けるなんてことも多いです。

また、珍しいおもちゃやピアノの音に反応して気がまぎれる子もたくさんいます。なかには「おやつ」という言葉を聞くだけで瞬時に泣き止む子も。

保育園で安心して過ごせるよう、子ども達の好きなものを保育士に共有しておくといいでしょう。

まれに、初日からまったく泣かない子どももいます。

  • しっかり愛着関係ができていないのでは?
  • ママがいなくても寂しくなかったのかな

と、心配するママもいますが、そんなことはありません。

状況を飲み込む能力が早かったり、逆に目まぐるしい変化についていけていなかったりしているのかもしれません。

なかには、1週間後に我慢の限界がきたかのように大泣きする子もいます。お子さんの特性に合わせて、温かく見守ってあげましょう。

慣らし保育の期間を短くしたい!スムーズに進めるポイント

慣らし保育の期間を短くしたい!スムーズに進めるポイント
仕事復帰を控えるママとしては、なるべく慣らし保育での欠勤や早退を避けたいですよね。

これから先も子どもの体調不良で職場に迷惑をかけると考えると、慣らし保育の期間は短いに越したことはありません。

そんなママに、慣らし保育をスムーズに進めるポイントを解説します。

  • 0歳児は授乳や離乳食の環境を変えてみる
  • 子どもの特徴を保育士に詳しく伝える
  • 保育園が楽しみに感じるような準備をおこなう

0歳児は授乳や離乳食の環境を変えてみる

0歳児での入園は、授乳や離乳食の問題があります。「水分を取らない」「食事を食べようとしない」という状態は、慣らし保育を長引かせる原因に。

母乳育児の場合は、事前に哺乳瓶や粉ミルクに慣れておく必要があります。

また、保育園ではいつもと違う人からミルクや離乳食をもらうことになり、慣れない間は大きなストレスとなるでしょう。

入園前から親戚に離乳食をあげてもらったり、哺乳瓶を自分で持たせてみたりと、普段とは異なる環境を与えてみてはいかがでしょうか?

子どもの特徴を保育士に詳しく伝える

子どもが大泣きしているときでも「これを見せれば泣き止む…!」というアイテムはありませんか?

手を握れば落ち着く、車を見せれば笑うなど、子どもがご機嫌になるポイントがあれば、保育士に伝えておきましょう。

泣いている子どもの不安を少しでも和らげようと、保育士はいつも試行錯誤です。子どもの特徴を共有できて、泣き止む時間が長くなれば慣らし保育の短縮につながります

保育園が楽しみに感じるような準備をおこなう

ママが保育園を不安に思う気持ちは、子どもにも伝わってしまいます。なかには仕事復帰して保育園に通わせることを「ごめんね」「かわいそう」と思っている人も多いのではないでしょうか?

そのような気持ちで送り出すと、子ども自身もなかなか気持ちを切り替えられません。保育園に通うことは悪いことではありません

  • 保育園は先生やお友達がいてとても楽しい
  • お歌歌ったり絵本読んだり楽しみだね

など、前向きな声かけを意識しましょう。保育園が楽しみになるように、お気に入りのキャラクターのコップを準備したり、ステキな靴を選んだりしても良いですね。

子どもと一緒に、保育園が楽しみになるような準備をおこないましょう!

慣らし保育は育児休業中に可能?有給を使う?

慣らし保育は育児休業中に可能?有給を使う?
慣らし保育は、保育園や自治体によってその取り扱いが異なります。子どもが保育園に慣れるまで長く続くこともある慣らし保育ですが、仕事復帰したらどう対応すればよいのでしょうか?

ここからは、慣らし保育と育児休業の関係について解説します。

  • 育児休業は原則子どもが1歳になるまで
  • 育児休業終了前に入所させる弾力的対応がある
  • 職場の柔軟な復帰受け入れ体制も必要

育児休業は原則子どもが1歳になるまで

厚生労働省によると、育児休業の取得は「原則として子どもが1歳になるまで」と定められています。万が一、子どもが保育園に入所できず待機児童になる場合は、育児休業を1歳6ヶ月まで延長できます

延長してもなお保育園への入所が叶わない場合は、再申請で2歳まで延長が可能です。

育児休業は1歳までとされていますが、復職後に仕事と子育てを無理なく両立できるよう、以下のような制度が利用できます。

  • 所定労働時間を短くできる「短時間勤務制度」
  • 病気やケガをした子どものお世話するための「看護休暇」
  • 残業を免除する「所定外労働の免除」

以上のことから、1歳になると同時に復職する場合、育児休業の延長はできません

そのため、育児休業を満了して仕事復帰した人のなかには、慣らし保育の期間に有給を取ったり家族で協力したりして対応した人が多いようです。

育児休業終了前に入所させる弾力的対応がある

慣らし保育のための育児休業延期ができないとなると、対応に頭を抱える人も多いのではないでしょうか?しかし、自治体によっては「育児休業中の慣らし保育」が可能なんです!

厚生労働省は各都道府県や自治体に向けて「育児休業期間終了時における保育所入所の弾力的取扱い」について通知しています。

そのなかで、地域における保育の実情を踏まえた上で、以下のような取り扱いをおこなうよう記されています。

(1) 「ならし保育」として適当と考えられる1~2週間程度の期間内において、育児休業終了前に保育所への入所決定を行い入所させること。
(2) 育児休業期間終了時に限らず新たに就職する場合等についても、(1)と同様の取り扱いを行うこと。

引用:育児休業期間終了時における保育所入所の弾力的取扱いについて(厚生労働省)

つまり、地域の保育事情によっては、育児休業終了前に慣らし保育ができるということです。

子どもは保育園に入園してから、集団生活でさまざまな病気をもらうため、何度も仕事を休まなければなりません。

そのため、できれば有給休暇は大切に残しておきたいですよね。まずはお住まいの地域で、このような弾力的な対応が可能か確認してみてはいかがでしょうか?

職場の柔軟な復帰受け入れ体制も必要

先程ご紹介した弾力的な対応が、お住まいの自治体の事情により困難な場合、仕事復帰と慣らし保育を同時に進行する状況となってしまいます。その場合は、職場の柔軟な受け入れ態勢も必要です。

事前に、入所する保育園の慣らし保育がどのように進められるのか確認し、およその期間を職場に相談しておくとよいでしょう。

事前に理解を得ておくことで復職後の早退や欠勤時の気持ちが楽になります。

慣らし保育中も育児休業給付金は支払われる?

慣らし保育中も育児休業給付金は支払われる?
育児休業中に雇用保険から支給される「育児休業給付金」は、お給料より低いものの復職までの大切な収入源です。

給付金は、育児休業が開始する前の2年間で、1年雇用保険に加入している人が対象です。

産後休暇終了から子どもが1歳になる前日までが支給期間となっています。では、慣らし保育の期間は給付金支給の対象になるのでしょうか?慣らし保育の扱いと共に解説します。

  • 1歳未満で入園が決まり慣らし保育をおこなった場合
  • 1歳の誕生日に復職して有給で慣らし保育をおこなった場合

1歳未満で入園が決まり慣らし保育をおこなった場合

育児休業給付金は、1歳になる前日までと定められています。また、仕事に復職すれば、その時点で対象外となってしまいます。そのため、慣らし保育が給付金支給期間内であれば給付対象です。

例えば、生後6ヶ月で保育園の入所が決まり、慣らし保育をおこなうとします。

自治体にもよりますが、復職前の慣らし保育が認められている場合は、慣らし保育を終えて正式に復職するまでは給付対象ということになります。

1歳の誕生日に復職して有給で慣らし保育をおこなった場合

1歳の誕生日を迎えてしまうと、給付対象外となります。そのため、誕生日から慣らし保育をおこなう場合は、育児休業給付金を受け取ることはできません

また、1歳になる前から慣らし保育を実施できたとしても、途中で1歳を迎えてしまうとその日以降は支給対象外となるので注意してください。

仕事復帰のためのスケジュール

仕事復帰のためのスケジュール
保育園が決まったら、本格的に仕事復帰のスケジュールを調整しましょう。まずは、入園予定の保育園に、慣らし保育をどのように進めるか確認することをおすすめします。

慣らし保育の進め方や復帰後の働き方について、職場と打ち合わせをおこないましょう。仕事復帰のタイミングは以下のようなパターンがあります。

仕事復帰のタイミング
  • 満1歳の育児休業終了に合わせて仕事復帰する
  • 保育園に入園しやすい時期に合わせて育児休業を短縮する
  • 慣らし保育が終了後に復帰できるよう勤務を調整してもらう

保育園の入園通知が遅く「スケジュールを立てにくい」という声も少なくありません。とはいえ、1ヶ月前までには職場との打ち合わせを済ませておきたいですね。

勤務についての打ち合わせが済み次第、以下のような準備をおこないましょう。

仕事復帰に向けての準備
  • 職場への挨拶を済ませ環境を確認する
  • 仕事着や持ち物をチェックする
  • 保育園の入園準備をおこなう
  • 実際に朝保育園に送ってから職場へ向かう練習をしてみる
  • 緊急連絡先や早退時の対応など家族で話し合う
  • 病後児保育など便利なサービスに登録しておく

育児休業が長いほど、職場復帰は緊張してしまうものです。環境が変わっていることもあるので、復職前に挨拶に出向くことで、職場復帰を円滑に進められるように準備しておくのがおすすめです。

その際「子どものことでご迷惑をおかけします」と、一言添えておくと安心です。

また、実際に保育園に送ってからの出勤は想像以上にバタバタするものです。とくに雨の日は大変なので、遅刻しないよう何時に家を出るかシミュレーションしておきましょう。

慣らし保育の期間は保育園や子どもによって異なる!復職までに心の準備を

初めて子どもを保育園に預けるママにとって、慣らし保育は不安なことばかりかと思います。しかし、「保育園はかわいそう」と思う気持ちは子どもに伝わってしまいます。

最初は「こんな辛い思いをさせてまで仕事する必要があるの…?」と、自分を責めるママも多いはず。

慣らし保育は、そんなママが仕事復帰に向けて心の準備をする期間でもあります。早く保育園での生活に慣れるよう温かく見守ってあげましょう。

また、慣らし保育は自治体の対応によって育児休業中に済ませることが可能です。職場復帰までの細かいスケジュールを立てておき、慌てることなく保育園生活を始められると良いですね。