胎教とは親子のコミュニケーション!赤ちゃん・ママへの効果と簡単な方法を紹介
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胎教は、幼児教室やレッスンなどを設けていることがあるため、「教育」だと思っている人もいますが、そうではありません。
具体的に何をして、どのような効果が得られるのかまで説明できる人は少ないでしょう。
胎教を実践したか否かは、妊娠中だけではなく出産後の親子の関わり方にも影響します。この記事では、胎教をはじめる時期や効果的と言われる根拠、おすすめの胎教をご紹介します。
無理のない範囲で取り入れて、妊娠中から親子で安らげる時間を作りましょう。
Table of Contents
胎教とは?
胎教とはなにか、効果や、ベストなタイミングをご説明します。胎教を実践する前に、基礎的な知識を身につけましょう。
胎教は「教育」ではない
胎教とは「教」が付いていますが「教育」ではありません。ママがリラックスした状態を得ることで、赤ちゃんにより良い影響を与えようとすることです。
かつては、「お腹の赤ちゃんは発達過程にあるため、感情を持たない存在である」という考え方でした。
しかし昨今の研究や医療の発達により、お腹の赤ちゃんはママの感情や外界の音を理解する能力があることが明らかになってきたのです。
つまり胎教を行うことは、ママとお腹の赤ちゃんがコミュニケーションをとること。胎教を行っていれば、生まれたての赤ちゃんでも、ママ・パパの声に安心できるというわけです。
胎教がパパ・ママにもたらす効果
胎教を行うと、ママとお腹の赤ちゃん双方が穏やかに過ごすことができます。ママの精神状態や体調が安定することにより、お腹の赤ちゃんが健やかに育つ環境が作られるのです。
妊娠中から好きな音楽を聴いたり、本を読んだりしてリラックスしましょう。ママの穏やかな気持ちは、お腹の赤ちゃんにも伝わります。
パパに時間がある時には、ぜひ一緒に付き合ってもらいましょう。お腹の赤ちゃんと同じ時間を過ごすことで、妊娠中から親子の絆を深めることができます。
パパにも「父親」としての自覚を促すことができるため、一石二鳥です。
胎教が赤ちゃんにもたらす効果
胎教が赤ちゃんにもたらす効果として、夜泣きが少ない、情緒が安定しているなどのさまざまな説があります。一方で、「言葉の発達が遅かった」「効果が分からなかった」などの声も。
赤ちゃんの個性によるものか、胎教の効果なのかは科学的な理由が解明されていません。
しかし今後脳の構造や記憶力などいまだ未知の分野においての解明がなされれば、将来的に胎教の効果が明確になることもあるでしょう。
今のところ確実性があるものではないですが、「赤ちゃんのために何かしたい」と考えるのであれば、無理がない範囲で生活に取り入れてみることをおすすめします。
胎動を感じる時が胎教が効果的なタイミング
胎教を行うタイミングは、胎動を感じている時がベストです。胎動がない時は、お腹の赤ちゃんが寝ている時。胎教によって寝ている赤ちゃんを起こしてしまうことがあります。
お腹の赤ちゃんの睡眠サイクルはママの睡眠サイクルとは異なり、20~40分ごとに睡眠と覚醒を繰り返します。
とくに妊娠7ヶ月を過ぎると赤ちゃんの聴覚が完成するため、寝ている時には起こさないように配慮しましょう。
お腹の赤ちゃんが起きていて、ママもリラックスしている時が胎教にベストなタイミングです。赤ちゃんの様子を伺いながら、上手にコミュニケーションを取りましょう。
妊娠週数別:胎児に効果的な胎教方法・ポイント
胎教をはじめる時期は決まっていません。妊娠初期で悪阻が辛い、気持ちに余裕が持てないなどの場合は、落ち着いてから始めましょう。
もちろんお腹に赤ちゃんがいると分かった時点ではじめてもOKです。
妊娠初期の胎教
妊娠初期は、胎教によってお腹の赤ちゃんの存在を「実感」することを意識しましょう。まだお腹が大きくないため、ママでさえ赤ちゃんの存在を実感できない時期です。
お腹をやさしくなでたり、毎日話しかけたりすることで、親しみがわきます。
「おはよう」と「おやすみ」のあいさつからはじめましょう。日記をつけて、毎日の変化に目を向けるのも良い方法です。
徐々に一日の出来事や楽しかった事など、お腹の赤ちゃんと共有するつもりで会話を増やしましょう。お腹の赤ちゃんがママの感情を受け取れるよう、静かな環境で行う事をおすすめします。
妊娠中期の胎教
妊娠中期は悪阻や体調も整ってくるため、お腹の赤ちゃんに働きかけるつもりで積極的に関わりを持ちましょう。ママはだんだんとお腹のふくらみを感じ、妊娠を実感できる時期です。
音楽を聴いたり歌を歌ったり、絵本の読み聞かせもおすすめです。聴覚も発達してくるため、外界の音も聞こえるようになります。パパや祖父母などにも積極的に関わってもらいましょう。
この時期になると、胎動を感じるママもいます。楽しい刺激によって、お腹の赤ちゃんが反応を示すこともありますよ。
妊娠後期の胎教
妊娠後期は、胎動をしっかり感じることができる時期です。こちらからの働きかけだけではなく、お腹の赤ちゃんの返事を聞くつもりで語りかけましょう。
出産後の名前を呼んだり、赤ちゃんに出産のイメージを伝えるのも、この時期に効果的な胎教です。赤ちゃんは成長に伴って聴覚もしっかりしてくるため、出産後名前を覚えていることもあるでしょう。
深呼吸をして、新鮮な酸素を赤ちゃんに届けてあげることも忘れずに。出産に向けて、可能であれば適度な運動も効果的です。パパと一緒に軽い散歩をしても良いでしょう。
胎教が効果的という根拠は?
胎教は、お腹の赤ちゃんの発達に良いと言われています。どのような理由で効果的と言われているのかその根拠をご説明します。
聴覚器官が機能しているから
胎教が効果的だと言われる理由の一つとして、赤ちゃんの聴覚器官が機能していることが挙げられます。お腹の赤ちゃんは、妊娠20~25週にかけて聴覚器官が機能するようになります。
お腹の赤ちゃんがまず耳にするのは、ママの心音・血流音です。ママの声は、もっとも身近な外界の音ということになります。
腹壁や羊水によって、私たちとは違う聞こえ方になりますが、胎教として届けた音楽や読み聞かせは、しっかりとお腹の赤ちゃんに聞こえているのです。
よって赤ちゃんは生まれてすぐのタイミングでも、ママの声をしっかり認識しています。パパが胎教に積極的に関わっていた場合には、パパの声も認識している可能性がありますよ。
胎内記憶という考え方がある
胎教が効果的だと言われる理由に、赤ちゃんは胎内記憶を持っているからという研究者もいます。胎内記憶とは、赤ちゃんがママのお腹にいた時の記憶のことです。
「ママのお腹にいたときは、ママの歌を聞いていた」「妊娠中に散歩した景色を覚えている」といった内容を、子どもが体験談として話すことがあります。
過去に子どもが見聞きした内容を話している可能性もあるため、科学的ではありません。
しかし記憶を司る脳の「海馬」という部分は、聴覚同様妊娠20~25週に完成することから、未だ解明されていない分野であり、胎内記憶として胎教が残っている可能性は十分にあると言われています。
胎教はボリュームや聞かせ方を工夫して
お腹の赤ちゃんは話の内容を理解することが困難でも、外界の音に反応することは明らかになっています。
腹壁や羊水などで音が減衰することを考慮しても、音の大きさやリズムによって音の違いを理解している可能性があるのです。
静かな環境で同じ音を聞かせることで、徐々に赤ちゃんにとって「慣れた音」となり、産後もその音で安心することができます。
ママの心音や血流音に安心する赤ちゃんがいるのは、そのためです。
赤ちゃんに「音を届けなきゃ」と必死になる必要はありませんが、ママがリラックスした静かな環境下で胎教を行うと、よりお腹の赤ちゃんに効果的です。
おすすめの胎教4選
簡単にできるおすすめの胎教をご紹介します。繰り返すことで、ママとお腹の赤ちゃんにとってよい「習慣」になることでしょう。
リラックス効果も期待できるため、肩の力を抜いて取り組む事をおすすめします。
お腹に声掛けする、話しかける
お腹の赤ちゃんに声をかけたり、話しかけたりしてみましょう。はじめは慣れないため、恥ずかしい気持ちになるかもしれません。そんなときは、心の中でつぶやくことから始めましょう。
「おはよう」「おやすみ」といったあいさつからはじめ、慣れてきたらママの気持ちや一日の出来事などを伝えても良いですね。
ママだけではなく、パパやおじいちゃん、おばあちゃん。兄弟がいる場合には、みんなの声を赤ちゃんに聞かせてあげましょう。
出産後、外界に出たばかりの赤ちゃんにとって「知っている声」が多いほど、安心できる場所も多くなります。
名前が決まっている場合には、どんどん名前を呼んであげましょう。胎教を行うときにも親しみがわき、話しかけやすくなります。
歌や音楽を一緒に聞く
お腹の赤ちゃんと、歌や音楽を一緒に聞くのもおすすめの胎教です。歌や音楽はリラックス効果が得られるため、疲労回復や快眠、免疫力を高める効果が期待できます。
これといって好きな音楽がなければ、モーツァルトの曲がおすすめです。脳が癒しを感じたときに出す「α波」が出やすいと言われています。
歌や音楽が苦手という場合には、小鳥のさえずりや川のせせらぎなども同じ効果が期待できるため、試してみると良いでしょう。
ママが苦手なものを無理に取り入れる必要はありません。ママがリラックスできるかどうかで判断しましょう。
絵本の読み聞かせをする
絵本の読み聞かせも、手軽にできる胎教の一つです。赤ちゃんはママの声を聞けると同時に、「日本語のリズム」を把握できるようになるため、将来的におしゃべりのトレーニングにもなるかもしれません。
絵本は、穏やかで気持ちが明るくなるものを選びましょう。悲しい・怖い絵本は、感情を込めやすいため、読み聞かせには面白いですが、ママも赤ちゃんも後ろ向きになってしまう可能性があります。
明るくなるような本を選ぶと、ママも赤ちゃんも穏やかな気持ちになります。その結果、「出産を乗り切ろう」という前向きな気持ちになることができるのです。
お母さんVS子どもでキックゲームをする
お腹の赤ちゃんとキックゲームをしてみましょう。私が入院中に、看護師から聞いた胎教の一つです。
胎動が分かるようになってからしか楽しむことができませんが、お腹を隔てて遊べることに、こちらも面白くなりました。
赤ちゃんがお腹を蹴った時、優しく同じ場所を叩いてみましょう。お腹の赤ちゃんが反応して、蹴り返してくることがあります。
お互いに慣れてくると、ママからトントン叩いた場合でも、同じ場所を赤ちゃんが蹴り返してくれます。赤ちゃんが寝ている可能性もあるため、キックゲームは起きているタイミングで試しましょう。
胎教と構えずにママがリラックスできる環境が一番
胎教とは、妊娠中のママがリラックスすることで、お腹の赤ちゃんにもより穏やかな環境を作ってあげようという行為です。
妊娠に喜んで、赤ちゃんにあれこれしてあげたい気持ちも分かりますが、それがストレスになってしまっては逆効果です。
お腹の赤ちゃんは、ママの気持ちを理解しています。胎教にこだわらず、ママが心地よいと思うことを妊娠期にどんどん取り入れましょう。
楽しい妊娠期を過ごすことができれば、それが立派な胎教です。
- Science Direct:胎児の聴覚:刺激と反応の特徴
- 公益財団法人 母子衛生研究会:胎児の聴力
- エナレディースクリニック:胎教とは?いつから何をすべき?胎教の効果やおすすめの方法をご紹介!
この記事のライター
青空 太陽
【資格:病院勤務 / 診療放射線技師】
小学生の双子を育てながら、Webライターとして活動中。
双子の乳幼児期の度重なる入院・手術の経験、自身が持つ医療系国家資格を活かして、
多胎児の育児・障害児の育児についても分かりやすく発信できたらと思っています!
最近はまっていることは、調理家電をフル活用した料理とゲーム、家庭菜園。
子供達も野菜同様、まっすぐ素直に味わい深く育って欲しいと願う今日この頃です。