イヤイヤ期なぜ起こる?保育士伝授の子どもの気持ちに寄り添う方法

イヤイヤ期なぜ起こる?保育士伝授の子どもの気持ちに寄り添う方法

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「魔の2歳」と恐れられるイヤイヤ期。子どもの自我の芽生えは成長の証とはいえ、毎日泣きわめかれては「なぜ泣き止んでくれないの?」と、パパもママも不安ですよね。イヤイヤ期は個人差も大きく、その対応は簡単なことではありません。

この記事では、イヤイヤ期が起こる原因やその対処法を解説します。また、保育園でみられるイヤイヤ期あるあるや、どうしても辛いときの乗り越え方もご紹介しますので参考にしてください。

イヤイヤ期とは?

イヤイヤ期とは?
イヤイヤ期は、2歳前後の自己主張が強くなる時期を指します。何を言っても「イヤイヤ!」、お店のなかでも「ギャーギャー!」。道端で寝転んだり、手足をバタバタさせたり、絵に描いたようなイヤイヤの姿に驚く人も多いでしょう。

とにかくなんでも「イヤ」と答えることから、そのままイヤイヤ期と呼ばれるようになったようです。ではなぜ、イヤイヤ期は訪れるのでしょうか?まずは、イヤイヤ期の原因を解説します。

イヤイヤ期の主な原因

イヤイヤ期の主な原因は、子どもの成長による自我の芽生えとされています。2歳前後になれば、分かることが増え自分の意志を持ち始めます。「自分が」「自分で」と主張が強くなる半面、その気持ちをうまく伝えられないことが、イヤイヤ期の主な原因といえるでしょう。

イヤイヤ期は自我の芽生えや脳の発達

イヤイヤ期は、自我の芽生えが関係しています。産まれてからしばらくは、自分と他人の違いに気付いていません。脳が発達していく過程で、自分や身近な人の存在を意識し始めます。

そのうち、自己主張が強くなり「イヤイヤ期」と呼ばれる状態になります。「自分でやりたい」「自分だけのもの」という気持ちを強く抱くようになり、態度や行動にイヤイヤが多くなるのです。

イヤイヤ期は言葉にできない気持ちの葛藤

よりイヤイヤ期が激しくなる理由のひとつとして、言葉の未熟さが挙げられます。自分の気持ちを主張できるようになることは成長の証といえますが、気持ちをうまく伝える能力はまだ発達していません。

自分のやりたいことや思いを、うまく言葉で伝えられない…。そんな葛藤が、泣き叫ぶ行為につながります。一度泣き始めると、泣くことに集中してしまい大人からの提案を聞き入れられなくなります。

そのうち、あれもこれもイヤになり手が付けられない状態に。言葉で気持ちを伝えられないイライラが、さらに癇癪を長引かせます。

イヤイヤ期は個人差がある

イヤイヤ期には個人差があり「思ったより酷くなかった」と、感じるケースも少なくありません。男の子か女の子か、性別はもちろん、本人の性格によってもイヤイヤ期の姿に違いが生じます。

とても個人差が大きいため「イヤイヤ期がなかったから自我が芽生えていない」「イヤイヤがひどすぎて発達障害かもしれない」などと悩む必要はありません。

また、イヤイヤ期の感じ方は関わる大人の捉え方によっても異なります。周囲の人と、イヤイヤ期の大変さを比べないよう注意しましょう。

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イヤイヤはなぜ起きる?年齢別に考えられる原因

イヤイヤはなぜ起きる?年齢別に考えられる原因

イヤイヤ期は「自我の芽生え」「言葉で気持ちを伝えられない葛藤」と聞いても、なんだかぼんやりしていてピンとこない人も多いのではないでしょうか?そこでここからは、イヤイヤがなぜ起こるのか、年齢別に考えられる原因を解説します。

1歳~1歳半までのイヤイヤ期の原因

この時期のイヤイヤ期は、主に「自分のしたいようにできないこと」が原因です。

  • 持っているものを取り上げられる
  • 触りたいのに触らせてもらえない
  • もっと食べたいのにごちそうさまになる
  • あっちに行きたいのに抱っこで引き戻される

このように「したいと思っていること」を中断されることに対してイヤイヤを発揮します。とはいえ、まだ1歳前後であればそこまで酷い状況にはなりません。別の話題を出せば、簡単に興味をすり替えられるでしょう。

1歳半~2歳までのイヤイヤ期の原因

この時期のイヤイヤ期は、主に「自我の芽生えによる自己主張」が原因です。

  • 洋服を着替えたくない
  • 靴をはきたくない
  • 手をつなぎたくない
  • 歯磨きをしたくない

「したくないこと」の主張が中心ですが、まだまだ言葉をうまく話せないこの時期は、すべて「イヤ」と返事をしてきます。「新幹線みたいに早く走れる靴履きたい人~?」「お口のなかのお米さんが助けて〜って言っているよ!お口見せてみて?」など、声かけの工夫次第で子どもの気分を乗せることが可能です。

2歳~2歳半までのイヤイヤ期の原因

本格的な第一次反抗期に突入するこの時期は「気持ちをうまく伝えられないこと」が原因で、イヤイヤが起こります。

  • 歯磨きはお着替えの後がいい
  • 帰り道に公園に寄りたかった
  • 自分で靴を取りに行きたかった
  • あのおもちゃが欲しかった

「いつもこうしているのに今日は違う!」など、自分のなかでの流れが変わることに対してイヤイヤが起こることも少なくないでしょう。しかし、泣き始めるとうまく気持ちを伝えられません。「〇〇が良かったんだね」など、気持ちを代弁して落ち着かせることが大切です。

2歳半~3歳までのイヤイヤ期の原因

この時期のイヤイヤ期は、主に「自分でやりたいのにできない」ことが原因です。

  • 自分で着替えたいのにボタンをうまく通せない
  • 自分で分かっているのに先に言われて悔しい
  • エレベーターのボタンを押したいのにママが押した
  • 自分なりに考えながら遊んでいるのに手を加えられた

根本には「褒められたい」「うまくできる姿を見せたい」という気持ちがあります。しかし、大人からの干渉により自分の理想が崩れてしまいイヤイヤにつながってしまうようです。先回りせず、任せることを意識しましょう。

3歳~4歳までのイヤイヤ期の原因

この時期のイヤイヤ期は、主に「自分のペースを崩されること」が原因です。

  • テレビを見ているのに急に出発すると急かされた
  • いつもはたくさん滑り台で遊べるのに今日はダメと言われた
  • 着替えさせて欲しいのに「自分でしなさい」と言われた
  • お友達が勝手に自分のおもちゃで勝手に遊んだ

「もう4歳」とも「まだ4歳」とも呼べるこの時期は、大人の矛盾をつくように癇癪を起こします。「なんで今日はだめなの?」「前は良いって言ったのに?」など、こだわりや約束が乱れると癇癪を起こしやすくなります。言葉がしっかり分かるようになってきているため、子どもからの質問をはぐらかさず丁寧に対応することが大切です。

保育園でも爆発!子どものイヤイヤ期あるあるとは?

保育園でも爆発!子どものイヤイヤ期あるあるとは?
イヤイヤ期の子どものなかには、保育園でも遠慮なく爆発する子どもが少なくありません。そこでここからは、思わず笑いが込み上げる子どものイヤイヤあるあるをご紹介します。

途中で理由が分からなくなるイヤイヤ

子どもはイヤイヤで泣き始めると、徐々にその原因となった出来事のことを忘れてしまいます。「忘れたならもうそんなに怒らなくてもいいのでは…?」と思いますよね。

・お散歩に行くための準備を嫌がる
・靴下のキャラクターが違うと怒る
・ママが新しい靴下を持ってきてくれないとダメと泣く
・ママに会いたいと泣く
・癇癪が激しくなったのでしばらく見守る
・「早くお散歩に行きたい」と怒りだす
・「早く靴下履かせてよ」と大泣きする

このように、時間が経つにつれてイヤイヤの論点がずれてしまうことは日常茶飯事です。思わず「え?この靴下でいいの?」と、聞きたくなりますね。

急に思い出してイヤイヤ

泣きながら登園してきた男の子。保育園に着いてからはご機嫌に過ごしていましたが、給食の時間になんだか雲行きが怪しくなってきました。

男の子「ヨーグルト食べるの!」
保育士「ヨーグルト食べたいのかあ。今日の給食はヨーグルト違うねえ…」
男の子「おかわりするのおおおおおお!」
保育士「ヨーグルト食べたかったんだねえ…」
男の子「ママあああああ!」

大泣きする男の子に戸惑いましたが、連絡帳には「朝ヨーグルトのおかわりがなくて大泣きしました」と書かれていました。給食を食べている間に、朝のイヤイヤを思い出したのかな?ふと思い出して泣き始めるのも、子どものイヤイヤあるあるですね。

知っている言葉で一生懸命イヤイヤ

いつの間にかイヤイヤスイッチが入ってしまった女の子。気持ちをうまく伝えられず、一生懸命知っている言葉を使って抵抗するエピソードです。

「イヤイヤよ!」
「もう!いらない!」
「もうしらない!」
「おしまいなんだから!」
「もうばいきんなんだから!」

一生懸命ひねり出した答えが「ばいきんなんだから」で、思わず笑ってしまいました。イヤな気持ちを知っている言葉で伝える姿が愛おしいですね。本当は何がうまくいかなかったのか確かめられず…イヤイヤ期特有のもどかしさを感じます。

本当はやめたいのに止まらないイヤイヤ

お友達とのおもちゃの取り合いをきっかけに、イヤイヤが始まった男の子。保育士に背中を向けたまま怒り続けて数分、そろそろおやつの時間になりました。

保育士「こっちのおもちゃは?」
男の子「いや!」
保育士「じゃあこれはどう?」
男の子「いや!」
保育士「ほかのおもちゃにする?」
男の子「いや!」
保育士「そろそろお片付けの時間なんだけど…」
男の子「いや!」
保育士「おやつ食べる?」
男の子「い…ゃ………」
保育士「手洗いに行こうか?」
男の子「いや!」
保育士「エプロン取りに行こう?」
男の子「いや!」
保育士「おやつ食べようよ」
男の子「い…………」

おやつが大好きな男の子だったので、おやつだけは「イヤ」とハッキリ言えず。好きなものまで反射的に「イヤ」と言ってしまい、本人も「あれ…?」と思っていたのでしょう。

保育士伝授!子どもの気持ちに寄り添うイヤイヤ期への対処法

保育士伝授!子どもの気持ちに寄り添うイヤイヤ期への対処法
イヤイヤ期を迎えたら、できるだけイヤイヤのスイッチを押さないよう毎日穏やかに過ごしたいですよね。そのためには、子どもの気持ちに寄り添うことが大切です。ここからは、イヤイヤを最小限に抑えるための対処法をご紹介します。

周囲の大人で協力体制を整える

イヤイヤ期の対応は、子どもと関わる大人が協力体制を整えておくことが大切です。たとえば、子どもが「シャツはズボンに入れたくない」というこだわりを持ち、着替えの度に癇癪を起こすとします。

子どものこだわりを家族や保育園の先生と共有できていれば、誰が着替えさせてもイヤイヤのスイッチを押さずに済むといえるでしょう。そのほか「最近のブームは自分で靴を履くこと」など、些細なことでも共有しておくとイヤイヤを最小限に抑えられます。

ぬいぐるみを使って気持ちを代弁する

「危ないからダメ」「早く〇〇して」と大人が言っても、イヤイヤ期だと聞き入れてくれないことが多くあります。そんなときは、お気に入りのぬいぐるみを活用すると、すんなり受け入れてくれるかもしれません。

イヤイヤが長引いて床に伏せているとき、ぬいぐるみが「イヤだったね」「だいじょうぶ?」と声をかけると、気持ちを切り替えるきっかけになります。また、食事が進まないときは、ぬいぐるみを使って食べさせても良いですね。

任せる&褒めるの姿勢を大切にする

子どもが自分でやりたいと思っていたのに、先に大人がやってしまうことでイヤイヤを誘発することも少なくありません。そのため、最初から子どもに任せることも大切です。

とはいえ、分かってはいても靴を履かせたり、エレベーターのボタンを先に押したりしてしまうんですよね。また、先回りせずに子どもに任せたとしても、今度はうまくできないことに対してイヤイヤが始まる可能性もあります。

そんなときは「前は〇〇までしかできなかったのに!」「今日は〇〇もできているね」など、子どもの気持ちに寄り添いながら、褒めることで気をそらせてみましょう。

時間に余裕を持ち約束を守る

子どもは「いつもと同じ」が守られないことに対しても、不満を感じてしまいます。たとえば、帰り道に必ず足を止めて電車や虫を観察する場所があったとします。「今日は時間がないから」などの理由で素通りすると、子どもは自分の日課を守るために泣いて暴れるはずです。

子どもの意志を大切にするためには、常に時間に余裕を持っておくことが大切です。とはいえ、予定通りにいかないのが育児。「3回電車見たら帰ろうね」など、新たな約束を作って子どもに分かりやすく伝えましょう。

イヤイヤ期対応に正解はない!ひどい状況を乗り切る方法

イヤイヤ期対応に正解はない!ひどい状況を乗り切る方法
イヤイヤ期を過ぎてしまえば、道で泣き叫ぶ子どもを見て「あんな時期もあったなあ」「一生懸命で可愛いなあ」と思えるかもしれません。しかし、絶賛イヤイヤ期を迎える子どもの対応に、そのような余裕は持てませんよね。

作った食事をぐちゃぐちゃにされたり、長い時間大きな声で泣き叫ばれたりすると腹が立つのも仕方のないことです。大切なのは、目の前でイヤイヤする子どもとの時間をどう乗り切るかですよね。

そこでここからは、ひどい状況を乗り切る方法を紹介します。イヤイヤ期の対応に正解はないので、とにかく今日を乗り切ることだけ考えましょう!

安全を確認できたら距離を置く

何に怒って泣いているか分からなくなった子どもは、我を忘れて何時間でも泣き続けます。優しくしてもダメ、厳しくしてもダメとなると、気持ちが滅入ってしまいますよね。そこでおすすめなのが、物理的な距離を置くことです。

一時的な対応ではありますが、気持ちを落ち着かせるために有効な方法です。できることをすべてして、それでもイヤイヤが止まらない場合は、子どもの安全を確認してから一度トイレにでも逃げ込みましょう。

泣き叫ぶ子どもを抱っこしながら、イヤホンを付けて現実逃避するのも良いですね。もちろん、子どもが不安を感じる可能性があるため長い時間はおすすめできません。どうしても耐えられないときは、そんな時間があっても良いのではないでしょうか?

動画を撮影して笑い話にする

部屋中に散らかったブロック、ひっくり返されたお味噌汁、床でジタバタ暴れるわが子…。癇癪に対応していると泣きたくなりますよね。そんなときは、すべてを諦めて写真や動画を撮影してみてはいかがでしょうか?

親戚に見せて笑い話にしたり、将来子どもに見せて大変さを伝えたり。今どんなに大変な思いをしていても、子どもが大人になったらその記憶が薄れてしまうかもしれません。せっかくなので、とことん辛いときこそ記録に残してみることをおすすめします。

気持ちに寄り添いつつ隠れて甘いものを食べる

子どもの気持ちに寄り添うことも大切ですが、どうしても無理なときもありますよね。外が暗くなっているのに公園で遊びたがったり、夜遅くなっているのに布団に入りたがらなかったり。

何度も何度も駄々をこねられると、ストレスを感じてしまいます。そんなときは、子どもの気持ちだけでなく自分の気持ちにも寄り添いましょう。「もっと遊びたいよね〜」「イヤだったね〜」なんて言いながら、こっそり甘いものを食べて元気をチャージ!自分へのご褒美で、気持ちに余裕を持たせましょう。

イヤイヤ期は成長!なんとか割り切って乗り越えよう!

イヤイヤ期は自我の発達による自己主張が原因と考えられています。「うまく気持ちを伝えられない」「思うようにできない」などの葛藤が、イヤイヤとして態度にでてしまうのです。

保育士としては「一生懸命イヤイヤしているなあ」「支離滅裂でかわいいなあ」と感じますが、癇癪に毎日付き合っているママやパパは疲れ果ててしまいますよね。

子どもの主張に共感したり、あれこれ対策を考えたりすることも大切ですが、癇癪が続くとそんな余裕もなくなります。子どもの思いをすべて実現する必要はありません。どうしても辛いときは、一緒に泣いてもOK!息抜きを忘れず、ゆるりと、無理なく頑張りましょう。