双子の育児は、二人を同時に相手にしなければなりません。授乳や寝かしつけ、オムツ替えも二倍。苦労を伴うことが多いでしょう。
双子を持つ私自身も、苦労ばかりに目を向けている時期がありました。しかし双子ママから同じような苦労を聞いて、自ずと乗り越え方や考え方を模索できるようになった経緯があります。
この記事では、双子育児で大変だったこと、苦労の乗り越え方や双子育児の楽しみ方をご紹介します。仕事との両立方法も記載するので、参考にして無理のない双子育児を実現してください。
双子の育児で大変だったこと

実際に我が家の双子育児で大変だったことをご紹介します。双子を持つパパママなら、「あるある」と頷いてしまうことばかりです。今大変だと悩んでいることは、大抵の双子のパパママは経験しています。
夜でも寝れないことが辛い
双子の育児の中で最もつらかった事は、夜に寝られないことです。大人は夜に眠くなる習慣が付いていますが、赤ちゃんは昼夜を理解していません。
一人が授乳を終えるともう一人が授乳。一人のオムツ替えを終えるともう一人のオムツ替えというように、いつ寝ていたのか思い出せないほどです。
夜は替わりに見てくれる人がいないため諦め、昼間の人が見ていてくれる時間帯に爆睡していました。夜にこだわらず「睡眠時間を確保する」という発想に切り替えることが大切です。
常にどちらか泣いていてノイローゼになるかと思った
我が家の双子育児の場合、6~8ヶ月くらいまでは常にどちらか泣いている状態が続いたため、ノイローゼになるかと思いました。私の場合初めての子どもだったため、子どもがこんなにも泣くものだと思っていなかったのです。
同じような環境でノイローゼになる人が多いらしく、健診の際には必ず「ママの体調は大丈夫?精神的に辛くなることはない?」と声をかけてもらいました。
泣かれることに慣れてくると、「一人のお世話が終わってから」と割り切れる時期が来ます。赤ちゃん達も徐々に「相手が終わったら自分の世話をしてくれるんだな。」と理解するようになります。
いつも家族の誰かが病気
いつも家族の誰かが病気という事態も、双子育児ではよくあります。生後半年~1歳半くらいまでは免疫が低い時期であるため、赤ちゃんはさまざまな病気をもらってくるのです。
インフルエンザ・手足口病・ノロウィルスなど一人が患えば、遅れてもう一人が患い、二人が完治する頃に、パパママのどちらかがダウンするという流れを辿ります。
とくに保育園に預ける予定がある場合には、覚悟をしておきましょう。子ども達の看病と自分の体調不良で仕事を休む場合には、長期にわたることもあり得ます。
外出の際荷物が多くて苦労した
外出の際に荷物が多くなるのも、双子あるあるです。車で移動する場合でも、双子用ベビーカーもしくは二人分のベビーカーが必要になります。
チャイルドシートの着脱や、ベビーカーに乗せる・降ろす作業もそれぞれ必要になるため、大人に心の余裕があるタイミングでの外出をおすすめします。
さらに着替えやオムツ・ミルクは2倍必要になるため、夏場や新生児期などはマザーズバッグは2個でも足りないくらいでした。
他人から視線をうける
他人から視線を向けられるというのも、双子あるあるです。パパママが視線をむけられることに抵抗がない場合、コミュニケーションを得意とする場合なら問題ないでしょう。
しかし視線が向けられるのは、ポジティブなケースばかりではありません。「ベビーカーが邪魔だな」「子どもが二人だとうるさそうだな」というネガティブな意味で視線をうけることもあります。
視線や人の声を気にしていては、いつまでも外の世界を楽しむことができません。自分の育児に自信を持って、双子たちに社会勉強をさせるつもりでどんどん外へ出ましょう。外出に慣れた頃には、他人の視線など気にならなくなります。
双子の育児を乗り切る方法

双子育児において、すべてを自分一人で完ぺきにこなすことは不可能です。どうしたら手を抜くことができるかを考えましょう。私が効果的だった具体的な方法をご紹介します。
完璧な家事は諦める
双子育児を乗り切るためには、完璧な家事は諦めましょう。また単胎の家庭と比較しないことも大事なポイントです。
忙しいときには、離乳食にベビーフードを与えても良いでしょう。こまめに洗濯していたのなら、まとめて洗ってみましょう。
生きていける範囲の最低限の家事ができていれば問題ありません。手抜きのコツを覚えたら、諦められる家事はどんどん排除しましょう。最終的に、パパママの笑顔や睡眠時間にあてることができれば、それでOKです。
一人で乗り切ろうと思わない
双子の育児は、一人で乗り切ろうと思ってはいけません。身体的にはもちろん、精神的に追い込まれることがあるからです。
パパだけではなく、行政のサービスや支援があれば積極的に受けましょう。市役所や子育て支援センター、健診時にも相談をすれば情報提供してくれます。
可能であれば、祖父母に助けるのも良い方法です。祖父母世代は年齢的に、身体が辛いというケースも考えられます。短時間・スポット、外出時などあらかじめ時間を決めておくと良いでしょう。
「いつから楽になるか」よりいま楽になる方法を考える
双子育児を乗り切るためには、「いつから楽になるか」を考えるより、いま楽になる方法を考えましょう。自分が休む時間をつくって、育児に取り組む力をチャージするのです。
行政サービス以外にも、お金を払えば一時保育やベビーシッターなどを利用することができます。はじめは後ろめたさを感じることがあるでしょう。
しかし親の前向きな気持ちがなくては、育児は成り立ちません。自分の時間を作ったら、睡眠時間をとったり美容院へ行ったり、「自分のための時間」に使いましょう。
双子ならではの楽しみに目を向ける

双子の育児は、毎日同じことの繰り返しです。授乳、オムツ替え、また授乳・・・。育児が辛い出来事だと感じることもあるでしょう。しかし赤ちゃんの可愛い時期は、今しかありません。双子ならではの楽しみ方をご紹介します。
双子コーデを楽しむ
鉄板といえますが、双子コーデを楽しみましょう。親の好みでおそろいのコーディネートが楽しめるのも、言葉を話す前までです。
大きくなると服の好みや自分が着たい服を主張するため、1歳頃までしか楽しめません。我が家では、夫婦でやりたい放題。可愛い物から面白いものまで、双子に着せては写真に収めていました。
可愛さが2倍の写真でも、大きくなった子ども達が見ると露骨に嫌な顔をされます。迷わずやって良かったなぁと思うこの頃です。
仲良く遊ぶ姿を写真に収める
双子が仲良く遊ぶ姿を写真に収めるのも楽しかったです。お互いにいたずらするシーンや泣いているシーンも写真に収めました。
面白い写真が撮れた時には、セリフをつけてストーリー仕立てにして遊んでいたことも。双子がシンクロする場面が撮れると、レンズ越しに改めて「双子であること」の面白さを実感しました。
完全に私のおもちゃになっていた二人ですが、やはり大きくなると勝手に撮られることを嫌がります。セリフを付けた写真はまで二人には公開していないので、今後の反応が楽しみです。
それぞれの個性や特徴を観察する
それぞれの個性や特徴を観察するのも、双子ならではの楽しみです。二卵性の双子なら顔や性格も違うことが一般的ですが、顔が同じ我が家の一卵性は、性格はまったく似ていませんでした。
一人は慎重、しっかり者。もう一人はおっとり、大雑把。大きくなっても特徴は変わらず、取り合いになると大雑把な子がしっかり者の子に譲るシーンがよく見られます。
お互いの苦手なことを理解しているからこそ、大きくなると助け合ったり譲り合ったりできるようになります。将来を想像しながら、赤ちゃんの時期に特徴観察するのも面白いですよ。
双子育児と仕事を両立するには

双子の育児は、体力的にも精神的にもタフでないと務まりません。よって仕事を再開する場合には、決して無理をない範囲で引き受けましょう。可能であれば、休暇の延長や時短を検討することをおすすめします。
双子でも育児休業は単胎の場合と一緒
双子の場合でも、育児休業期間は単胎の場合と一緒です。産前休業は「単胎の場合には6週前から、双子の場合には14週前から」と休業期間が違うため注意しましょう。
育児休業は、産後8週の翌日から子どもが一歳に達するまで取得が可能です。保育所に入所できない、パパママが怪我・病気などで育児が困難になった場合には、子どもが2歳になるまで延長が認められることがあります。
しかし会社は「育児休業は1年」と考えていることが多いため、事前に希望を伝え、短時間勤務の措置や子の監護休暇制度などを確認しておきましょう。
パパに「男性の育児休業・休暇制度」を利用してもらう
ママも育児と仕事を両立したい場合には、パパも「男性の育児休業・休暇制度」を利用することを視野にいれましょう。育児休業は性別に関わらず、子どもが一歳になるまで取得することができます。
パパママがともに育児休業の取得を考えている場合には、「パパ・ママ育休プラス」という制度も利用可能です。パパ・ママ育休プラスは、同じタイミングで取得することはもちろん、タイミングをずらすこともできるため、ママの職場復帰に合わせてパパが取得することもできます。
育児休暇は育児休業と違って法的に定められた制度ではありません。職場によって異なるため、事前に確認をしておきましょう。
厚生労働省:パパ・ママ育休プラス、パパ休暇について
病児保育に登録していると安心
ママが職場復帰する際には、病児保育に登録していると安心です。職場復帰と同時に悩まされる問題が、子どもの病気です。
双子の場合には、1人元気でも1人が病気というケースがあります。単胎育児のケースより職場を休む機会が多くなるため、病児保育に登録して1人は保育園、1人は病児保育という形をとれば、出勤が可能です。
私自身も、「また休まなければならない」という気持ちで仕事を続けるのが辛かった時期があります。病児保育に登録しておけば、後ろめたい気持ちを抱えずに仕事をできたのではと後悔しています。
双子の育児は周囲の協力を得て乗り切ろう

双子の育児は、いかに周囲の協力を得られるかがポイントです。はじめのうちは、パパママが休息をとることに罪悪感を感じることがあるでしょう。
しかし昼寝をしたり、美容院に行ったりすることは罪ではありません。親自身がしっかり休息をとって気晴らしをすれば、また育児に専念することができます。
育児の時間は、自分なりの楽しみ方を見つけると前向きに取り組むことができます。上手に周囲のサポートを得ながら、すぐに大きくなってしまう子どもとの時間を思う存分楽しんでください。
【参考】
- 厚生労働省:パパ・ママ育休プラス、パパ休暇について
- 医療法人すこやか ひたちなか母と子の病院:教えてMid Wife