赤ちゃんの吐き戻しは心配ない?受診すべき症状とママの対処方法

赤ちゃんの吐き戻しは心配ない?受診すべき症状とママの対処方法

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吐き戻しは乳児期によく見られる症状です。とはいえ、ミルクをあげるたびに毎回吐き戻す我が子を前にすると、不安になることがありますよね。

吐いた後の対応や受診すべき症状を知っておくと焦らず対応できるため、早めの受診につなげることができますよ。本記事では、吐き戻しについての基礎知識のほか、病院受診が必要な症状、筆者自身が工夫したことなどをご紹介します。

新生児に多い「吐き戻し」とは?

新生児に多い「吐き戻し」とは

新生児に経験する「吐き戻し」とはどんなものかをご紹介します。受診の目安になる嘔吐との違いも把握しておきましょう。

  • 未発達の胃の形状が原因!いつまで続く?
  • 体重増加が順調なら多くの場合は心配ない/li>
  • 吐き戻しと嘔吐の違い

未発達の胃の形状が原因!いつまで続く?

赤ちゃんがミルクを吐いてしまうのは、未発達の胃の形状が原因です。成長に伴って、徐々に食道と胃の間の通り道は狭くなります。胃の上部と下部が閉まった状態になるため、食べたものを蓄えたり、消化・吸収したりといった働きをスムーズに行えるようになるのです。

しかし生後4~5ヶ月頃までは、この形状が完成していないため、吐き戻しが多くなります。胃と食道の間が閉まっていないため、ミルクを飲みすぎたりげっぷをしたりすることで吐き戻しが起こるのです。

体重増加が順調なら多くの場合は心配ない

吐き戻しがあっても、体重増加が順調な場合には多くの場合心配いりません*1。成長に必要な量が身体に取り込まれていると考えられるため、様子を見ながら成長を見守りましょう。

機嫌がよく、げっぷをさせた後にダラダラ吐く場合でも、体重増加が順調なことがほとんどです。万が一機嫌が悪かったり、パパママが見て「いつもと違う」と感じたりした場合には、受診を検討する必要があります。

吐き戻しと嘔吐の違い

吐き戻しとは授乳したミルク・母乳そのものを戻すことを指し、嘔吐とは一度胃へ送られたものを戻す状態を指します。嘔吐は、胃液が混じっていたりヨーグルト状だったりしますが、素人では判断がつかないことも。

見た目で判断が難しい場合には、「吐く+αの症状」がある場合には嘔吐と考えることができます。下痢や発熱など別な症状を伴っていないかを確認しましょう。

赤ちゃんが吐いたときにママができること

赤ちゃんが吐いたときにママができること
赤ちゃんが吐いてしまうと、慣れていないパパママは焦ってしまうことが多いでしょう。しかし多くの場合は通常の吐き戻しであるため、冷静に以下の行動を実践してください

  • ステップ1:吐いた様子があれば横向きに寝かせて
  • ステップ2:念のため感染予防に努める
  • ステップ3:症状が落ち着いてきたら水分補給

ステップ1:吐いた様子があれば横向きに寝かせて

授乳後、吐いた様子があれば横向きに寝かせましょう。万が一また吐き戻したときに窒息を防ぐことができます。

大人が気付かない状況で吐いた場合には、念のため喉に何か詰まっていないかを確認しても良いでしょう。赤ちゃんが口に入るものを身の回りに置かない環境が前提ですが、ときに赤ちゃんの行動は大人の想像を上回ることがあります。

ステップ2:念のため感染予防に努める

赤ちゃんが吐いたときには、念のため感染予防に努めましょう。「吐き戻し」として対処すると、ウイルスや細菌による胃腸炎の場合に大人が罹患するリスクが高まります。

吐物には直接触れず、汚れた衣服は分けて洗濯することも忘れずに。日頃からマスクやゴム手袋を常備していると、いざというときに便利です。

ステップ3:症状が落ち着いてきたら水分補給

吐き戻しの症状が落ち着いてきたら、水分補給を促すことも忘れずに。しかしあくまでも「落ち着いた」タイミングであり、吐き戻し直後は再度嘔吐してしまうことがあります。

よって吐き戻し後1~2時間は様子を見ることをおすすめします。このとき胃に負担がかかりやすい柑橘系のジュースや乳酸菌飲料は控えて。経口補水液をスプーン1杯程度から始めましょう。

ミルクを吐き戻した!病院受診が必要な症状

ミルクを吐き戻した!病院受診が必要な症状
多くの場合ミルクの吐き戻しは心配ありませんが、赤ちゃんは以下の病気であることも考えられます。病院受診が必要な症状の一部をご紹介します。

  • 母乳やミルクを勢いよく吐く:肥厚性幽門狭窄症の疑い
  • ヨーグルト状の吐き戻しがあり元気がない:胃食道逆流症の疑い
  • 機嫌が悪く嘔吐がある:腸重積症の疑い
  • 受診前にチェックしておくポイント

母乳やミルクを勢いよく吐く:肥厚性幽門狭窄症の疑い

母乳やミルクを勢いよく吐く場合には、肥厚性幽門狭窄症*2の疑いがあります。生後3週~3ヶ月の男児に多く、胃の出口が厚くなることで十二指腸へ流れなくなってしまう状態です。

原因は解明されておらず、現状では遺伝的要素が疑われています。進行すると、赤ちゃんに体重減少や黄疸などの症状がみられることもあり、改善がみられないときには胃の出口を切開する外科的治療が行われることが一般的です。

ヨーグルト状の吐き戻しがあり元気がない:胃食道逆流症の疑い

ヨーグルト状の吐き戻しがあり元気がない場合には、胃食道逆流症*3が疑われます。さまざまな原因で一度胃の中に入ったミルクが逆流して、進行すると心拍数の低下や顔色が悪くなるなどの症状を引き起こすことがあります。

小児における基準は確立されていませんが、げっぷや抱っこの姿勢などの生活指導、ミルクの回数や量の工夫、薬物療法などで効果がない場合には外科的治療の対象になります。

機嫌が悪く嘔吐がある:腸重積症の疑い

機嫌が悪く嘔吐がある場合には、腸重積症の疑いがあります。腸重積症とは、腸管の上部が腸管の下部に入り込むことで腸が閉塞状態になる症状です。リンパ組織が腫れたり小腸にできものができたりすることが原因と考えられています。

リンパ組織は風邪で腫れることもあるため、感冒症状がある場合には疑いをもって様子をみましょう。腸重積症は腸管が腐る前の早期の治療が必要です。嘔吐のほかに、便に血が混じる、顔色が悪いなどがあれば、すぐに受診しましょう。

受診前にチェックしておくポイント

いざ受診しても、症状がある我が子を前にすると焦って医師にうまく伝えられない事があるでしょう。事前に以下のポイントを伝えると、医師が判断しやすくなります。

・いつから吐き戻しているのか
・どのような状態のものを吐き戻すのか(量・色・硬さなど)写真に撮ってもよい
・何回くらい吐き戻したのか
・他に症状がないか

痙攣を伴っている、呼びかけに応じない、頭を打ったあとの嘔吐などの場合には、救急車を利用することを検討してください。

赤ちゃんの吐き戻しに関するよくある質問

赤ちゃんの吐き戻しに関するよくある質問
赤ちゃんの吐き戻しに直面するとさまざまな疑問が出てきますよね。具体的な質問から、どのように対処したら良いかをご紹介します。

  • ゲップが苦手で吐き戻しが多い赤ちゃんはどうしたらいい?
  • 生後1ヶ月・2ヶ月で吐き戻しが増えた場合はどうしたらいい?
  • 吐き戻しを防ぐための抱き方は?何分くらいするといい?
  • 吐いた後飲みたがる場合はどうすればいい?

ゲップが苦手で吐き戻しが多い赤ちゃんはどうしたらいい?

げっぷが苦手で吐き戻しが多い赤ちゃんは、3~5分を目安に背中をさすってあげましょう。授乳と一緒に飲んだ空気は、げっぷが出なくてもおならとして排出されるため、心配ありません。

パパママが育児に慣れるのと同じく、赤ちゃん自身も月齢が進めばげっぷを出せるようになってきます。個人差はありますが、生後3~4ヶ月でげっぷが少なくなり、生後5~6ヶ月になるとお腹の空気は自然に抜けることが多くなります

生後1ヶ月・2ヶ月で吐き戻しが増えた場合はどうしたらいい?

生後1~2ヶ月は、まだまだ吐き戻しが多い時期です。母乳やミルクの量が増えてくると、吐き戻しが増えたように感じ、心配になることがあるでしょう。しかし上記した通り、体重が順調に増えていれば心配ありません。

毎回吐き戻す量が多い、噴水のように吐き戻す、機嫌が悪いなどの明らかにこれまでと異なる症状がなければ、生後5~6ヶ月程度まで様子を見てよいことがほとんどです。成長して胃の形状が大人に近づくと、だんだんと吐き戻しが少なくなってきます

吐き戻しを防ぐための抱き方は?何分くらいするといい?

吐き戻しを防ぐためには、3~5分を目安に縦抱きをキープしましょう。縦抱きにより逆流を防ぐ作戦です。

しかし身体が柔らかい新生児の場合には、大人が思う以上の負担がかかることも。頭や首の後ろを手で支えて、不安定な姿勢にならないよう心がけましょう。

吐いた後飲みたがる場合はどうすればいい?

「吐いた後飲みたがる」場合には、単純な「吐き戻し」で身体が元気であることの証明です。お腹が減っている状態と考えられるため、体調に変わりがなければ様子をみながら授乳しても良いでしょう。

しかし再度吐き戻す可能性も考えられるため、一度に与える量を減らしたり、時間をかけて与えたりなどの工夫が必要です。

「子どもの吐き戻し」に筆者が工夫したこと

「子どもの吐き戻し」に筆者が工夫したこと
筆者自身も2人の子育てをした経験があるため、吐き戻しに直面した際にはさまざまな工夫をしました。参考にして、穏やかな気持ちで吐き戻しの時期を乗り越えてください。

  • 哺乳瓶から出るミルク量を調整する
  • 事前に古タオルを準備しておく
  • 経口補水液をストックしておく

哺乳瓶から出るミルク量を調整する

子どもの吐き戻しに、「哺乳瓶から出る量を調整する」のも良い方法です。哺乳瓶の二プル(乳首)の穴の大きさを適切なものに買い換えることで、「ゆっくり飲む」ことを促すことができます。哺乳瓶キャップの締め具合でミルク量を調整するのも良いでしょう。

これは吐き戻しだけではなく、授乳に飽きてしまう赤ちゃんには授乳スピードを少し早めたり、すぐにむせてしまう赤ちゃんには授乳スピードを遅くしたりなどと対応できるため、頭の隅に覚えておくと良い知識です。

事前に古タオルを準備しておく

我が家では事前に吐き戻しを予測して、授乳の際には古タオルをスタンバイさせておきました。赤ちゃんが授乳にかかる時間は、10~15分が目安とされています。

その間赤ちゃんが吐き戻しをすると慌ててしまうため、とくに1人のときには必ず準備していました。少し首が座ってきたら、古タオルにゴムを通してスタイのようにしておくと、素早く便利に使うことができますよ。

経口補水液をストックしておく

万が一に備えて、経口補水液をストックしておく事をおすすめします。赤ちゃんは体調を崩すことが多く、一度目では「単なる吐き戻し」と判断しても、「嘔吐」であることがときどきあるからです。

市販の経口補水液をストックしていることが理想的ですが、ご家庭にあるもので簡単に作ることができるため、覚えておくと良いでしょう。

経口補水液の作り方*4
・水:1リットル
・砂糖:40g(大さじ4.5杯)
・食塩:3g(小さじ1/2杯)

これらを混ぜ合わせるだけで、簡単に自家製経口補水液を作ることができます。一度にたくさん飲ませると吐いてしまうため、スプーン1さじから始めましょう。

パパママは焦らない!心配なときは迷わず受診を!

パパママは焦らない!心配なときは迷わず受診を!
赤ちゃんが吐いてしまうと、パパママは焦ってしまいます。「赤ちゃんが吐き戻すのは通常のこと」と考えて、一旦冷静になりましょう。吐いたものの状態や回数、量をメモしておくと受診時に安心です。

それでも、しばらく様子を見てパパママが「おかしい」と感じる時は、迷わず受診しましょう。「いつもの様子」を知っているパパママの観察力ほど、鋭いものはありません。受診して「ただの吐き戻し」なら、安心して生活することができますよ。