里帰り出産する?しない?気になるメリットや期間、準備事項とは
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赤ちゃんがお腹に来てくれた!と喜びに浸った後、気になるのは「どこで産むの問題」。
- 里帰り出産にするのか、
- 今の居住区のままで出産するのか、
どちらが良いのか悩みますよね。
この記事では「里帰り出産」を検討しているお父さん・お母さんに向けて、里帰り出産のメリットとデメリットをご紹介していきます。また、実際に筆者が里帰り出産を経験したことを踏まえて、「里帰り出産の流れ」についてもご説明していきます。
なんとなく事前準備が大変そうだな…と感じてしまうことも多い里帰り出産ですが、わたし自身は短い期間でも「二世代育児」が出来て楽しかったなとポジティブに捉えています。少しでも里帰り出産のイメージがクリアになって、「里帰りしてみようかな」背中を押すことが出来たら嬉しいです。
Table of Contents
里帰り出産とは?
「里帰り出産をした」という話は、周りの人から聞いたことがあっても、具体的にはどのようなものなのでしょうか。また、実際どれくらいの人が里帰り出産をしているのでしょうか。
実家にかえって出産する里帰り出産
「里帰り出産」とは文字通り「里=実家」に戻って、出産をすることです。一般的には予定日の1か月前ほどに里に戻り、最後の検診などを里で受けながら出産。そして、赤ちゃんの一か月検診まで滞在するケースが多いです。移動距離や、自分や赤ちゃんの健康状態にもよりますが、里帰りの期間は大体2,3か月くらいのイメージです。
特に初めての出産の場合は、赤ちゃんとの生活のイメージが湧きにくいですが、そんな時に子育て経験者である両親が近くにいてくれるというのはとても心強いですよね。筆者も里帰り出産をしましたが、孫と一緒に過ごす時間が持てるという意味でも、両親も嬉しかったようです。
自宅にいながら出産するマイタウン出産
「里帰りしない」場合は、そのまま近くの病院で出産する形になります。最近では「マイタウン出産」という呼び名も生まれています。
マイタウン出産だからと言って、サポートが受けられない訳ではありません。ご両親の都合が付く場合は、産前・産後期間に渡って駆けつけてくれるというご家庭もあります。また、市や自治体などの運営しているサポートサービスを活用することもできます。全部自分たちでやるのか…!と焦る必要はありません。
日本では里帰り出産が主流
「里帰り出産する予定です」と耳にすることも多く、わりと多くの人が里帰り出産の方を選んでいるという印象がありませんか。
育児情報雑誌mikuが2016年に行った調査によると「里帰りしなかった人は44%、半数は里帰り出産をした」という結果が出ています。当たり前に里帰りをしていた時代は終わり、少しずつ減ってきているそうですが、それでも日本では里帰り出産をするのが主流と言えるでしょう。
一方、2020年のコロナ禍真っただ中に行われた調査によると「里帰り出産をした人は39.6%」と逆転しました。これは、コロナ禍での妊婦さんの移動は避けた方が良いと言われていたことが大きいでしょう。
現時点ではマイタウン出産派の方が上回っていますが、新型コロナが落ち着くころには、また里帰り出産派の方が増えていくだろうと推測できます。
里帰り出産のメリットとは?
お腹が大きくなってから移動するというのは大変ですが、わざわざ里帰り出産をするメリットは何があるのでしょうか?具体的にみていきましょう。
洗濯や料理などを分担してもらえる
産後直後は「産褥期(さんじょくき)」と呼ばれ、出来るだけ安静にして体の回復に集中した方が良い期間と言われています。出産という大きな仕事を成し遂げた体を、休めてあげようということです。
実際のところは、新生児との生活が始まると、数時間ごとの授乳→おむつ替えのループで休んでいるという場合ではないのですが…
そんな中で、里帰り出産をさせてもらえると、洗濯や料理などの家事を両親にサポートしてもらえるというメリットがあります。日々の家事を手伝ってもらうことで赤ちゃんのお世話に専念することが出来ますし、やることが山積みになっていく…というストレスを軽減することができます。
子育て経験者との生活は安心できる
わたし自身も里帰り出産をしましたが、困った時にすぐに助けてもらえるサポーターがいるというのはとても心強かったです。そもそも赤ちゃんの抱っこの仕方から、あやし方まで全く分かっていなかったので、横で子育て経験者がいるというのは安心感がありました。
また「永遠に泣いていてどうしたら良いのか分からない…」という事態に陥った時も、「元気な証拠だね!沢山泣いた方が疲れてぐっすり寝てくれるよ」とポジティブにコメントしてもらうことで、少しだけ心を落ち着けることができました。一人だったら「どうしよう」とパニックになっていたと思います。
上の子のケアを一緒にしてもらえる
新生児との生活は、とにかく赤ちゃんと付きっ切りになってしまいがち。一方で、上の子がいる場合には、その子の相手もする必要があり、人手が足りず困ってしまうことがあります。
特に「お兄ちゃん・お姉ちゃん」になったばかりの上の子は、「お母さんが赤ちゃんに取られてしまった…」と悲しい思いをしてしまうものです。里帰り出産をしていれば、両親に上の子を遊びに連れ出してもらったり、逆に赤ちゃんを預けて少し「上の子だけの時間」を取ることもできます。
里帰り出産のデメリットとは?
多くの人が里帰り出産をしていますが、助けてもらえるからすごくラクチン!とポジティブな面だけではありません。デメリットも納得した上で、里帰り出産にするのか、マイタウン出産にするのか検討してみましょう。
親とはいえ共同生活がストレスになることも
自分の親とはいえ、一度離れた実家に戻って一緒に生活をするということは、お互いのストレスになってしまうこともあります。
ただでさえ妊娠後期・産褥期と体は限界を迎え、ホルモンバランスも乱れて心もくたびれがちな時期。お互いがハッピーな実家暮らしが出来るように、事前に話し合いをしておくのが大切です。
- どのようにサポートしてもらいたいのか
- どのように家事分担をしていくのか
- 朝食の時間など生活スタイルを合わせるのか、各々にするのか 等
わたしの場合は「家事はやらなくていいよ~」と言われましたが、日中家にいるわけだし、気分転換になるなと思って、洗濯物の取り込みや、余力がある日は夜ご飯を作ったりしていました。
旦那の育児デビューが出遅れてしまう
里帰り出産の大きなデメリットは、お父さんデビューが遅れてしまうことでしょう。出産タイミングでは駆けつけることができても、仕事の都合で数日後には自宅に戻らないといけないという方が大半ではないでしょうか。
毎日24時間体制で新生児のお世話をしている新米ママは、どんどん授乳やおむつ替え、沐浴などのスキルが上がっていきます。一方で、新米パパの方は、たまに里帰り先まで来れたとしても経験値レベルでは差が開いてしまいます。
- 定期的に写真や動画を送りパパ意識を高めてもらう
- 一緒に過ごせるときは積極的にお世話に挑戦してもらう
- 里帰り終了したら、担当のお世話を決める
出来るだけ早い段階で、新米パパの経験値を取り戻せるよう夫婦で意識をしていくことが大切でしょう。
移動に伴う体力&コストの負担が大きい
里帰り出産を選んだ場合、妊娠後期に帰れば良いのかなと考えてしまいがちですが、実は何度か行き来が発生します。
- 妊娠中期に検診を受けに行くのがマストという産院が多いです
- 妊娠後期の里帰り(旦那さんが同伴する場合は倍のコスト)
- 出産時に旦那さんの里帰り
- 新生児期に旦那さんが通う場合(場合によっては複数回)
ざっと計算してみても、夫婦の移動回数はこれだけあげられます。移動距離が長ければドライブや飛行機などの体力的負担と、チケットやガソリン代などのコスト負担が重なっていきます。
里帰り出産の流れとは|いつから?準備事項と注意点
1)実家に相談
里帰り出産を前向きに検討し始めたら、まずは受け入れることが可能かどうか実家に相談しましょう。
「孫が出来る!」と喜んでいるタイミングかもしれませんが、里帰りのメリット・デメリットの両方や、具体的なスケジュール感などを説明した上で、受け入れ可能かを判断してもらうようにしましょう。後から「思っていたよりも大変なんだけど…」ということにならないように、冷静に話し合うことが大切です。
2)里帰り先の病院選び
実家から通える範囲の産院を探しましょう。地方に行けば行くほど、病院の数は限られていることが多いです。また「里帰り出産」を受け入れているかどうかも確認が必要です。
良さそうな病院が見つかったら、里帰り出産に向けてのプロセスを確認しましょう。「妊娠20週までに一度検診に来るように」というルールを設けている産院がほとんどです。電話などで予約手続きなどを進めながら、必要な書類などを揃えていきましょう。
また、現在通っている病院にも早い段階で「里帰り出産希望」と伝え、必要なタイミングで紹介状を発行してもらいます。
3)諸手続き方法の確認
里帰り出産をする場合、行政ごとに手続きが異なるので、必要であれば役所などで確認をしておくと安心です。
一般的に気になる書類の対応先は、下記の通りです。
- 里帰り先で提出するもの:出生届(生まれてから14日以内)
- 自宅に戻って提出するもの:児童手当・乳幼児医療費助成
また、里帰り出産をする場合は、妊婦検診を受ける先が途中で変わります。里帰り先で受ける最後の数回分は、まずは全額負担をして、里帰りが終わってから自宅のある地域へ申請することが多いです。
手続きの内容を確認しておくとともに、必要な書類は、なくさないようにしっかり保管しておきましょう。
4)移動手段と時期の決定
里帰り出産をする場合は予定日の1か月前頃を目安に移動する方が多いです。仕事も産休に入って、荷物をまとめる時間を確保したら、すぐに移動というイメージです。
まずは、移動手段を確認しましょう。かなりお腹が大きくなった時期の移動は、今までの身軽な旅とは異なります。出来るだけ安静に移動できるよう、新幹線であれば指定席を確保するなど事前準備を進めましょう。
なお、移動に飛行機を伴う場合は、他の手段よりも早めの移動となります。
- 出産予定日の29日前までは妊婦さんの移動の制限なし
- 予定日より29日以内の場合は、医師による診断書とご自身の誓約書の提出が求められます
あまり直前になってしまうと、リスクが伴うため、医師の診断書が必要になってしまいます。母子ともに安全に里帰りが出来るように、飛行機移動の場合は「29日」というボーダーラインを念頭に、出発日を決めましょう。
5)荷造り
今までの旅行であれば好きなだけ詰めていたかもしれませんが、妊婦さんとなると移動の荷物は出来るだけ少なくしたいものです。意識したいテクニックとしては、下記の通りです。
- 出来る限り荷物はスーツケースや段ボールに入れて宅配便
- 赤ちゃんグッズをオンライン購入する場合は実家に直送
里帰りを終えて実家に戻ってくる時には、赤ちゃんと一緒の移動となり、ますます荷物を持っての移動は難しくなります。必要なものは里帰り先で買う・レンタルすることも可能なので、持っていくものは最低限に留めましょう。
6)いざ移動!
お腹も大きくなった妊娠後期!ついに里帰り先への移動となります。妊婦さんの移動は、とにかく安全第一です。
- むくみ対策の飲み物はマスト
- 手のあくリュックが安心です
- 旅行鞄より転がせるスーツケースを選びましょう
かなりゆとりをもってスケジュールを組んで、のんびりペースで移動できるようにしましょう。
7)里帰り先での検診&出産
無事里帰り先についたら、実際に出産予定の病院にお世話になります。妊娠後期に入ると週1回の検診になっている頃。「両親学級」などを通じて出産に対するイメージを膨らませたり、新しい病院の雰囲気にも慣れていきましょう。
8)里帰り先での育児&一か月検診
無事に赤ちゃんが生まれてきてくれてほッとするや否や、怒涛の新生児との生活が始まります。里帰り中で、両親のサポートがあるとはいえ、てんやわんやの生活かもしれませんが、出来るだけ体を回復することも忘れずに!
一般的に「一か月検診」は出産した病院で受けるものとされているので、一か月検診の日までは実家でお世話になるというケースが多いです。
9)実家へのお礼
一か月検診も済んだ頃には、ある程度赤ちゃんとの生活にも慣れてきて、自宅に戻ることを考えられるようになってきます。その時に忘れてはいけないのが、実家へのお礼です。
実家であろうと、数か月お世話になった感謝の気持ちをしっかりと伝えるようにしましょう。一般的にお金を渡す、ギフトカードを渡す、プレゼントを渡すなどが上げられます。
里帰り出産のお礼の相場
- 2万円/月くらい
- 長期で夫も滞在した場合は追加
- 上の子も滞在していた場合は追加
「お金なんて良いわよ」と言われてしまうかもしれませんが、モヤモヤを残さないためにも渡してくることが大切です。どうしてもという場合は、現金ではなくカタログギフトにするという手もあります。
10)赤ちゃんと一緒に移動
多くの人に助けてもらった里帰り出産を終えて、赤ちゃんと自宅に戻るというのは家族におって大きな一歩です。来た時と同様、出来るだけ荷物は宅配便で送ってしまいましょう。
赤ちゃんとの移動は荷物も多くて大変です。スケジュールにはかなりゆとりをもって、ゆったりとした気持ちで移動しましょう。
覚えておくと便利な旅TIPS
- 事前に駅や空港などの授乳室を調べておくと安心
- 大判スカーフを持っていると肌寒いときにかけたり、赤ちゃんをソファなどに置く時にラグのように使えて便利
- 困ったら周りの人にSOSを出す(駅員さんやCAさんは本当に優しいです)
まとめ:里帰り出産とはサポートしてもらいつつ育児デビューできる期間
日本では約半数の方が選んでいて、実際周りのお友達からも話を聞くことの多い「里帰り出産」についてご説明してきました。
多くの人が選んでいるだけあって、里帰り出産はメリットが沢山。とくに初めての出産となると、周りに助けてくれる人がいるという安心感は大きいです。個人的には、久しぶりの実家に戻って、両親を含めてわいわい子育てをする期間が設けられて、とても楽しかったなと感じています。
一方で、久しぶりに実家に長期滞在するとなると、お互いの生活スタイルが変わっていたりしてくたびれてしまうというようなデメリットもあります。ご自身だけでなく、ご両親も一緒に「里帰り出産のメリット・デメリット」を理解したうえで、お世話になる前に話し合いをしておきましょう。せっかくの里帰り出産という家族の時間が、両親・ご自身・赤ちゃんにとってハッピーな期間になりますように。
この記事のライター
いいだ あさと
アフリカ在住フリーライター、いいだあさとです。ルワンダという国に移り住んで早4年目。スポーツバカな夫&大食いな2歳の男の子と暮らしています。大人も子供も、異文化にもまれながら楽しく生活中です。ちなみに、ここルワンダはコーヒーが美味しいんです! 記事を通して、毎日の暮らしの中に隠れている「小さなハッピー」を見つけるキッカケを提供出来たらと思っています。あっという間に過ぎてしまうドタバタな子育て期間。できるだけ楽しいことや嬉しいことに目を向けて、一緒に楽しんでいきましょう! 趣味は写真を撮ること&日記を書くこと。最近はピラティスも始めました。