【歯科医師監修】赤ちゃんの歯磨きはいつから?練習方法とポイント、注意点を解説

【歯科医師監修】赤ちゃんの歯磨きはいつから?練習方法とポイント、注意点を解説

公開日:

更新日:

赤ちゃんの歯磨きは、将来の健康を左右する大切なもの。しかし、

  • いつ頃始めたら良いか分からない。
  • 歯磨きを嫌がる

など、悩みを抱えていませんか?

具体的に適切な時期や方法を知ることができれば、自信を持って赤ちゃんに接することができますよ。お互いに余裕ができるため、歯磨きを楽しい時間にすることができるでしょう。

ここでは、歯磨きに関する基礎的知識はもちろん、練習方法、歯磨きのときに覚えておきたいことを網羅しました。

ポイントをおさえて、歯磨き好きな子どもに育てましょう。

この記事の監修者

一般社団法人日本口育協会 安部秀弘

安部秀弘
一般社団法人日本口育協会理事長

一般社団法人日本口育協会理事長

  • AAMS(アメリカ応用筋機能学会顧問)
  • IPOS(国際小児矯正学会ボードメンバー)
  • AAPMD(アメリカ医科歯科生理学学会講師)

日本口育協会HP:https://www.oral-development-association.org/

赤ちゃんの歯磨きはどうする?いつから始める?

赤ちゃんの歯磨きはどうする?

さっそく赤ちゃんの歯磨きに必要なことを確認していきましょう。

これらのポイントをおさえておけば、赤ちゃんの歯磨きをより安全に実践することができますよ

  • いつからスタートさせる?
  • どのように練習させる?
  • いつ歯磨きをさせれば良い?
  • どんな歯ブラシを選べば良い?
  • 歯磨きをより楽しい時間にするには

いつからスタートさせる?

赤ちゃんの歯磨きは、乳歯が生え始めたらスタートしましょう。生後6〜9か月を迎えると、乳歯は下の真ん中2本から生えてきます。

しかし「歯磨きの習慣をスタート」させるのが乳歯が生え始めた時期であって、口の中を清潔に保つことは、歯が生える前から習慣化しておくことをおすすめします。

小さなうちから口の中を触れられる事に慣れておくと、スムーズに歯磨きに移行することができますよ。将来的に、歯医者さんを受け入れてくれる可能性も高くなります。

どのように練習させる?

赤ちゃんの歯磨きは「慣れてもらう」ことが大切です。

いきなり歯ブラシを受け入れてくれることは少ないため、以下のような順を追って慣れてもらいましょう。

  • ステップ1:ガーゼや歯磨きシートで口腔内を清掃する
  • ステップ2:乳歯ブラシを使い自分で歯磨きさせる
  • ステップ3:仕上げブラシで清潔に保つ
  • ステップ4:赤ちゃんによってはデンタルフロスを

1. ガーゼや歯磨きシートで口腔内を清掃する

はじめはガーゼや歯磨きシートで口腔内を清掃する程度に留めましょう。お口を触られることに慣れてもらいます。

濡らしたガーゼや市販の歯磨きシートを使用して、優しく歯の表面を拭いてあげましょう。歯の生え始めは歯肉が疼くため、赤ちゃんにとって歯磨きが気持ちの良い行為であることを覚えてもらいます。

そのためにも、あまり時間をかけずに終わらせることがポイントです。

もしガーゼや歯磨きシートを嫌がる場合には、食後のお茶や水などで口腔内をキレイにすることから習慣にすると良いでしょう。

監修者コメント

一般社団法人日本口育協会 安部秀弘

虫歯になりやすい部分を重点的に練習しましょう

万が一1,2歳で虫歯が発生する場合、通常は限られた場所しか虫歯になりません

歯の内側などはよほどの事が無ければ虫歯になる心配は無いので、噛まれたり嫌がる場合は無理に歯の内側まで磨かず、虫歯になりやすい上前歯の付け根あたりを中心に練習しましょう。

2. 乳歯ブラシを使い自分で歯磨きさせる

ガーゼや歯磨きシートに慣れたら、乳歯ブラシを使って自分で歯磨きをさせましょう。この月齢になると握る、くわえる力が備わっているため「自分でできる」ことを気付かせる良い機会です。

「お口にブラシを入れること」に慣れるために、安全性を考慮したゴム製の歯ブラシがおすすめです。ノド突きを防止するプレートがついていればなお良いでしょう。

乳歯ブラシに慣れてきたら、動かし方を教えてあげましょう。このとき赤ちゃんの成長に合わせた歯ブラシを与えてあげると、本格的な歯磨きに移行する際にスムーズですよ。

3. 仕上げブラシで清潔に保つ

赤ちゃんが乳歯ブラシに慣れたら、パパママが仕上げブラシをかけてあげましょう。赤ちゃんが、乳歯ブラシだけで口腔内を清潔に保つのは不可能です。

安全な仕上げ磨きをするためには、赤ちゃんを仰向けに寝かせ、顎を手で押さえながら覗き込むようにして磨きましょう

立たせた状態だと、遊んだり歩き出したりするため思わぬ事故に繋がります。大人が赤ちゃんの口腔内を観察しやすく、赤ちゃんに危険が少ない姿勢を取りましょう。

監修者コメント

一般社団法人日本口育協会 安部秀弘

仕上げブラシ開始のタイミングについて

優しくガーゼ磨きを行って、歯磨きが大好きになるように誘導します。

そして自分から口を開いて仕上げブラシをさせてくれるようになってから、仕上げブラシを開始しましょう。2歳を過ぎてから開始するケースも多いです。

4. 赤ちゃんによってはデンタルフロスを

赤ちゃんが仕上げブラシに慣れたら、汚れが溜まりやすい箇所にデンタルフロスを使用してみましょう。

歯と歯の間に隙間がある赤ちゃんは、歯ブラシで容易に汚れを落とすことができますが、隙間がない赤ちゃんはデンタルフロスを習慣にすると虫歯を予防できます

とくに虫歯になりやすいのは、前歯の歯と歯の間、奥歯のかみ合わせ部分です。デンタルフロスは歯医者さんでも使用することがあるため、早めに慣らすことでスムーズに受け入れてくれますよ。

監修者コメント

一般社団法人日本口育協会 安部秀弘

フロスは無理のない範囲でできるだけ使用しましょう

歯と歯の間は最も虫歯になりやすい場所です。0、1歳から仕上げ磨きをフロスで開始した子供は、フロスを通さないと気持ち悪いという感覚の子供に育つこともあります。

いつ歯磨きをさせれば良い?

赤ちゃんの歯磨きは大人同様、毎食後に行うのが理想的です。しかしどうしても嫌がる場合には、寝る前にしっかり磨く習慣をつけましょう。

起きている時には、唾液が分泌されるため口腔内は比較的清潔に保つことができます。しかし寝ている間は、唾液の分泌が少なくなってしまうのです。

よって口腔内の細菌を寝る前の歯磨きでできるだけ減らしておくことが、虫歯予防には効果的です。1日の歯磨き回数よりも、寝る前の1回でしっかり磨くことを習慣にしましょう。

どんな歯ブラシを選べば良い?

乳歯ブラシは、赤ちゃんの口や指の大きさに合わせて選びましょう。赤ちゃんが歯ブラシを持つための適度な長さがあり、転んだときのノド突きに対応できるものがおすすめです。

ブラシは、シリコン素材で毛先が丸く加工されているものが良いでしょう。シリコンは肌に質感が似ているため、歯ブラシが苦手な赤ちゃんでも受け入れてくれることがあります。

丸く加工されていれば、噛み癖がある赤ちゃんでも引っかかりにくくなりますよ。

仕上げブラシはパパママの持ちやすさもチェックし、コンパクトなものを選びましょう。赤ちゃんの前歯くらいのサイズなら、奥まで丁寧に磨くことができます

歯磨きをより楽しい時間にするには

歯磨きをより楽しい時間にするためには、赤ちゃんが好きな色・キャラクターの歯ブラシを使っても良いでしょう。歯磨きが楽しいと感じれば、赤ちゃん自らが歯磨きに取り組んでくれることもあります。

歯磨きに関する歌や動画を取り入れるのも良い方法です。YouTubeにも上がっているため、赤ちゃんが歯磨きに苦手意識を持っているようなら積極的に取り入れましょう。

仕上げ磨きの姿勢に慣れておくことも必要です。普段から膝の上に寝かせて遊んだりスキンシップをとったりして、歯磨きを楽しい時間だと認識してもらいましょう。

効果的な歯磨き方法を年齢別に確認できるサイトもありますよ。

監修者コメント

一般社団法人日本口育協会 安部秀弘

味付きフロスもおすすめです

フロスには色々な果物の味のついたフロスもあります。歯磨きが楽しみになる工夫は重要です。

「歯が生え始めた」時期の歯磨きの目的を知ろう

「歯が生え始めた」時期の歯磨きの目的を知ろう

歯が生え始めたからといって、すぐに赤ちゃんが歯磨きを受け入れてくれるわけではありません。

そもそもこの時期の歯磨きがどのような意味を持つのかを知って、無理なく赤ちゃんに歯磨きを認めてもらいましょう。

  • 乳歯でも虫歯になるとさまざまなリスクがある
  • 歯磨きという習慣を覚えてもらう

乳歯でも虫歯になるとさまざまなリスクがある

赤ちゃんの乳歯は永久歯に生え変わるため、虫歯になっても問題ないと思っていませんか?

赤ちゃんは唾液量が多いため虫歯になりにくい環境ではありますが、まったく虫歯にならないわけではありません。

実際我が家の子ども達には残念ながら虫歯があり、定期的に歯医者に通院しています。乳歯が虫歯になると、短期的には永久歯も虫歯になりやすい、歯並びが悪くなるなどのリスクが伴います。

長期的には、虫歯は糖尿病や認知症、骨粗しょう症、心臓病などのリスクが高まるとされているのです。赤ちゃん用のドリンクにも糖分が含まれているため虫歯になることがあります。

乳歯のうちから歯磨きを習慣化して、病気の予防に備えましょう。

歯磨きという習慣を覚えてもらう

歯が生え始めた時期には、赤ちゃんにまずは歯磨きという習慣を覚えてもらいましょう。赤ちゃんの歯が生えそろうまでに習慣化できれば、自分で歯磨きをするようになります。

機嫌が悪いときには、無理強いをせずに諦めることも必要です。嫌がることを無理に続けると歯磨き自体が嫌いになり、習慣化させることが困難になります。

機嫌が良い時に口周りに触れることから始めましょう。ブラシを嫌がる場合は、パパママの力が強いことも考えられます。

本人に持たせたりガーゼに戻したりしながら、焦らず進めていきましょう。

監修者コメント

一般社団法人日本口育協会 安部秀弘

歯磨きは習慣化することが何より大切

大切なことは、歯磨きが好きになり習慣化することです。フロスは、意外と赤ちゃんが受け入れやすい歯磨きです。

フロスとガーゼだけでも、虫歯予防は十分できます。

赤ちゃんの歯磨きで覚えておきたいこと

赤ちゃんの歯磨きで覚えておきたいこと

赤ちゃんの歯磨きに、役立つ知識をご紹介しましょう。早めの対処ができれば、虫歯予防や体調管理に役立つことがありますよ。

  • フッ素塗布やキシリトールは虫歯予防になる
  • 歯磨き粉はうがいを覚えてから
  • 離乳食やミルクカスが口の中に残る場合には

フッ素塗布やキシリトールは虫歯予防になる

フッ素塗布やキシリトールは虫歯予防効果を期待できます。フッ素は歯の再石灰化を促し、虫歯に負けない強い歯を作り、キシリトールは虫歯の進行と発生を予防する効果があります。

フッ素は私たちが飲むお茶やみそ汁にも含まれ、キシリトールは体内で生産される物質であるため、どちらも身体への影響はありません

お茶はフッ素を含みますが、色の付いた飲み物が習慣化することも考えられるため、食後に飲む程度に留めましょう。

市販のフッ素スプレーやキシリトールガムも摂り入れることができますが、フッ素濃度やノドに詰まらせないようにするなどの注意が必要になるため、虫歯予防には歯科医院でのフッ素塗布をおすすめします。

監修者コメント

一般社団法人日本口育協会 安部秀弘

歯科医院でのフッ素塗布は保険適用になることも

フッ素塗布は、3か月おきに保険でできるケースもあります。お近くの歯医者さんに相談しましょう。

歯磨き粉はうがいを覚えてから

歯磨き粉を使用するのは、うがいを覚えてからにしましょう。うがいを覚えるのは2歳前後の子どもが多いため、それまでは歯磨き粉を付ける必要がありません。

気になる場合には、赤ちゃん用のジェル状歯磨き粉をおすすめします。

飲み込んでも問題がない天然成分で作られていたり、発泡剤が含まれていなかったりと、うがいができない赤ちゃんでも安心して使用できます。

奥歯が生えてくると、歯の間が虫歯になりやすいため、フッ素入り歯磨き粉が効果的です。赤ちゃん用歯磨き粉は味のラインナップが豊富なため、赤ちゃんの好みのもので歯磨き習慣を作るのも良いでしょう。

監修者コメント

一般社団法人日本口育協会 安部秀弘

歯の溝にざらつきがある場合の対処法について

歯の溝にざらつきがある場合は、保険で歯を削らずに予防的に歯の溝にフッ素の入った白い詰め物をすることもできます。お近くの歯科医院に相談してみましょう。

離乳食やミルクカスが口の中に残る場合には

離乳食やミルクカスが口腔内に残る場合には鵞口瘡(がこうそう)を疑いましょう。口の内側の粘膜や舌などに白色隆起する粘膜斑です。

我が家でも、抗生物質の投与を長期にわたって受けていた子の一人が感染した経験があります。痛みはなかったようですが、病院で薬を処方してもらい塗布すると、数日で軽快しました。

鵞口瘡はカンジタ菌の増殖付着が原因です。抵抗力が弱い赤ちゃんに見られることがありますが、乳首や哺乳瓶を清潔に保つことで予防することができますよ。

習慣化して歯磨き好きな子どもにしよう

習慣化して歯磨き好きな子どもにしよう

これまでの内容をまとめると、赤ちゃんの歯磨きは下の乳歯が生え始めた6〜9か月を目安にスタートしましょう。

はじめはガーゼや歯磨きシートで口腔内を清掃し、乳歯ブラシ、仕上げブラシ、デンタルフロスと徐々にステップアップを計ります。

毎食後の歯磨きが理想ですが、嫌がる場合には寝る前にしっかり行いましょう。乳歯でも虫歯になることがあるため、習慣化することが大切です。

フッ素やキシリトール、歯磨き粉も効果がありますが、発達に応じたものを取り入れましょう。歯磨きが習慣化すれば、将来的に糖尿病や認知症、心臓病のリスクを下げることができますよ。

監修者コメント

一般社団法人日本口育協会 安部秀弘

当協会は赤ちゃんの受け入れ体制が整っています

当協会に加入してる歯科医院では、生後1か月からの管理体制が取れてる歯科医院です。口育協会HPより是非お近くの加入歯科医院を受診してみてください。
日本口育協会HPはこちら↑から