【現役双子ママが解説】大変な双子育児を乗り切るコツと我が家の対処法
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子どもを妊娠し育てることは、苦労の連続です。ましてや双子の育児となれば、すべての作業が2倍になるため、家庭がまわらなくなってしまうこともあります。
しかし、大変な時期やポイントをおさえて要領よく対処すれば、双子の育児は辛いばかりではありません。
本記事では現役双子ママの筆者が、大変だったこと・対処法を解説します。
参考にして「大変な時期を乗り切る」と同時に、「可愛い時期」を満喫することを忘れないでくださいね。
Table of Contents
双子育児で大変だったことを年齢別に紹介〜我が家のケース〜
双子育児には、それぞれの年齢別に大変なことがあります。単純に大人の手があれば乗り切れてしまうこともあれば、「ママじゃなきゃダメ」ということも。
先を予測することができれば、大人の気持ちが楽になりますよ。
- 大変さのピークは新生児期~乳児期:授乳のタイミングを合わせるのが難しい
- 1歳ごろ:2人同時に泣くともう大変
- 2歳ごろ:行動範囲が広がりケガが増える
- 3歳ごろ:悪魔の三歳児×双子で親のストレスも2倍
上記の年齢別に、双子育児で大変だったことと我が家の対策を紹介します。
大変さのピークは新生児期~乳児期:授乳のタイミングを合わせるのが難しい
大変さのピークは、ずばり新生児~乳児期です。筆者の場合は帝王切開だったため、「完全に回復していない身体でいかに双子の授乳をこなすか」という点で試行錯誤を繰り返しました。
そこで双子の授乳タイミングを合わせるという小さな努力の積み重ねで、自身の睡眠時間を確保したのです。
我が家の場合には、たまたま1人の授乳量が少なく担当医の指示で「経管栄養*のチューブを入れておく」という状況にあったため、1人にチューブ経由でミルクを与えるタイミングでもう1人を起こして授乳させていました。
経管栄養のチューブを抜管してからも、昼間は祖父母の手を借りたりバウンサーを利用したりして、できるだけ授乳タイミングを合わせます。
筆者は母乳と併用でしたが、タイミングを優先したため「搾乳*」という選択をしました。
*経管栄養は医療行為であり、チューブを個人で購入し挿入することはおすすめできません。あくまでも医師の診察・指示に従ってください。
ママが母乳を絞って哺乳瓶越しに与えること
1歳ごろ:2人同時に泣くともう大変
1歳ごろになると、2人同時に泣くと手に負えないという問題が発生しました。この頃は徐々に離乳食が進み授乳の回数が減るため、新生児期~授乳期のような大変さはなくなってきます。
テレビを見たり人の様子を伺う様子が見られたりしますが、同時に感情が豊かになるため2人でケンカを始めることも。
双子ならではの「ママ争奪戦」もあり、同時に泣くときは、一緒に泣きたくなることもありました。
「怖い」という感情も芽生え、雷や大雨などの大きな音で泣き出すことも。成長過程として必要なことですが、「双子と適度な距離を置いてゆったり見守れば良かったな」と今になって思います。
2歳ごろ:行動範囲が広がりケガが増える
2歳ごろになると、行動範囲が広がりケガが増える時期です。言葉が分かるようになってくるため、言い聞かせることも可能ですが、そこは2歳児。
親の制止を上回る好奇心で、さまざまなものに手を伸ばし、なんでも「おもちゃ」にします。
筆者がとくに気を遣っていたのは、1人に薬を飲ませていたため、もう1人に誤飲させないことでした。さらに薬が入っている包装シートやフィルムは角が鋭いため、誤飲させて消化管を傷つけてしまうことも。
遊んでいる最中に、双子同士で頭をぶつけたり足を踏んだりなどはしょっちゅう。
とりあえず双子の近くから、はさみや工具などの「危ないもの」を排除したりテーブルの角に「コーナーガード」を設けたりすることに努めました。
3歳ごろ:悪魔の三歳児×双子で親のストレスも2倍
3歳ごろになると、突然癇癪を起こす「悪魔の三歳児」期に突入します。もちろん我が家でも経験し、一旦楽になったと思った育児がまた大変に感じることがありました。
この「悪魔の三歳児」は、1人の子どもでも大変と言われていますが、双子は2倍で襲い掛かってくるため親のストレスも相当です。
理由が分からずに突然怒り出したり泣き出したりするため、つねに臨戦態勢で臨んでいました。
家に引きこもるご家庭もあるようですが、我が家の場合は比較的外出していた方が機嫌をコントロールしやすかったので、苦労して外へ連れ出した記憶があります。
「あれもイヤ、これもイヤ」と言われるのは親のストレスになるため、子どもの「これなら大丈夫」を探すことに力を注ぎましょう。
体験したことがない場所や食べ物などは、子どもの興味を引くことができるため、「悪魔」が「天使」になることもありますよ。
大変な双子育児を乗り切るコツと対処法
何かと大変な双子育児ですが、コツや対処法を覚えると乗り切れることがあります。すべて1人で解決しようと思わずに、以下の経験談を試してみてください。
- 「家事は手抜き」と割り切って「子育て援助活動支援事業」を活用する
- 徒歩での外出はベビーシッターを検討するのもおすすめ
- 夫を立てて週末はママの睡眠時間を確保する
「家事は手抜き」と割り切って「子育て援助活動支援事業」を活用する
双子を育てるママは「頑張りすぎるママ」が多いため、「家事は手抜き」と割り切って、「子育て援助活動支援事業」の活用をおすすめします。登録支援員は、育児に関する研修を受けた方や子育てを経験した方。
筆者も休日に利用していましたが、担当の支援員と関係を深めることができ、子育てだけではなく洗濯や料理をしてくれることがあったため、非常に助かりました。
サービスを受けている間は、パパママは買い物や食事、睡眠などに時間を費やせるため、体力・気力の回復に努めることができます。
市区町村が主体となって行っている事業で、「ファミリーサポート」という呼び方をしているところもあります。
筆者が利用した2013年~2018年ころは、1時間500円という格安でサービスを提供してもらっていました。不足分は、市区町村が負担するという仕組みです。
徒歩での外出はベビーシッターを検討するのもおすすめ
育児をしていると、徒歩で外出したい時もあるでしょう。しかし双子を連れての外出は荷物が多くなり、ベビーカーの重さにママが苦戦したり道が細くてすれ違えなかったりなど危険を伴うことも。
そんなとき頼りになるのがベビーシッターです。上記した「子育て援助活動支援事業」では、サービスの提供場所が限定されることがありますが、ベビーシッターなら幅広い場所でサービスを提供してくれます。
筆者は利用の経験がありませんが、利用者の話では1時間2000円前後の費用とのこと。
入会金や年会費が必要なこともあり、「子育て援助活動支援事業」よりも割高ですが、帰省先や結婚式場などでサポートが受けられるためママの強い味方になるでしょう。
トラブルや事故発生時の保障などを考慮すると、個人のシッターに依頼するより「全国保育サービス協会」に加入するシッター派遣会社を利用することをおすすめします。
夫を立てて週末はママの睡眠時間を確保する
ママの睡眠時間を確保するために、週末や休日前には、ぜひパパを頼りにしましょう。双子育児は、ママ1人で乗り切ることは困難です。
我が家では、平日夜間はメインで筆者が育児を担当し、どうしても手に負えない場合だけ夫の手を借りるスタイルでした。
平日はできるだけ仕事に専念できる環境を提供して、その分週末の夜間帯は育児を担ってもらう戦法です。週に一度だけでも睡眠を十分にとれる環境は、毎日の励みになりました。
ママはたとえ昼間でも、「人手がある時に寝る」ことを心がけてください。パパが育休や時短勤務などの取得が可能な職場なら、積極的に利用してもらうことをおすすめします。
実録「ライフスタイルを見直して双子育児が楽になった」
筆者の家庭では、双子が誕生してからライフスタイルの見直しを余儀なくされました。
以下は、筆者の家庭で実際に取り入れた改善策です。参考にして、ぜひ楽な育児を目指してください。
- 子どもに合わせて朝活を取り入れた
- 双子育児に適した住まいに変更した
- 設備や家電はフル活用して大変さを乗り切る
- 子育て支援センターに出向いて情報収集
子どもに合わせて朝活を取り入れた
筆者の家庭では、子どもに合わせて朝活を取り入れました。夫婦2人の生活の時は、「残った家事は夜にまわせば良い」というスタイルでしたが、双子が誕生してからは、朝にゆっくり寝ていられません。
子どもは早起きなので、それに合わせて「できる家事は朝にこなす」スタイルに変更しました。洗濯・掃除だけではなく、夕飯の下ごしらえも朝のうちに済ませてしまいます。
習慣になれば辛いことではありません。早起きした分、子どもと一緒に夜は早寝になるため、体調を整える効果も期待できます。
双子育児に適した住まいに変更した
双子が誕生したのを機に、我が家では住まいを移しました。双子が生まれると、夫婦2人では十分な住まいでも収納が少なくなり、物があふれる事態に。
コツコツ貯めた貯金で戸建てを購入し、収納のほかに雨でも洗濯物を干せるテラスを作りました。
子ども達のケガを防ぐため平屋にし、将来的に自転車も複数台収納することを想定してガレージを設けるなど、双子ならではの動線・こだわりが詰め込まれています。
アパートやマンションを検討する場合には、1階がおすすめです。以前はアパートの2階に住んでいたため、ケガの心配はもちろん、双子用ベビーカーの上げ下ろしに苦労しました。
設備や家電はフル活用して大変さを乗り切る
初期費用・電気代はかかりますが、設備や家電はフル活用することをおすすめします。双子育児は、「いかにして両親の負担を減らすか」がカギです。
実際に我が家で取り入れて、費用対効果が高かった設備・家電は、下記の通りです。
- 食器洗い機
- 乾燥機付き洗濯機
- 電子キー使用の玄関ドア(双子を抱えたまま開閉可能に)
- ロボット掃除機(外出中に掃除可能に)
資金が必要となる工夫ですが、投資をした分、育児の負担は確実に減ります。家事の時短にも繋がります。毎日のことだからこそ、前向きに検討することをおすすめします。
子育て支援センターに出向いて情報収集
情報収集には、子育て支援センターがおすすめです。
筆者は妊娠中から子育て支援センターの存在を知っていましたが、双子を1人で外に連れ出す余裕がなく、実際に通うまで時間がかかってしまいました。
もっと早く通えばよかったと、今では思います。
なぜなら、子育て支援センターのスタッフの多くは、保育士や子育て経験者。子育て支援センターは、双子を家で遊ばせておくより格段に楽でした。
さらに他の双子と知り合ったり、保育園情報を聞いたり、家に閉じこもっているよりも子ども・親両者にとってメリットが大きいです。
可能なら、将来的に入園を希望している保育園・幼稚園が運営する子育て支援センターを利用することをおすすめします。園の特徴や雰囲気をつかむことができるため、選択時の参考になりますよ。
Q&A|多胎児育児の大変さに関するよくある質問
双子の子育てに関して、筆者が実際によく聞かれた質問をQ&Aでご紹介します。双子の子育ては確かに大変ですが、知っておくと楽になることも。
大変な時期を越すために筆者が心がけたポイントを紹介しています。
- 双子育児のコツは?
- 双子育児は何が大変?
- 双子育児はいつまで大変?
- 双子育児はママが特に大変!ママが辛くなったときは?
双子育児のコツは?
双子育児のコツは、人手の確保をすることです。祖父母はもちろん、兄弟姉妹など手を貸してくれる人がいたら迷わず声をかけましょう。
毎日は無理でも、特定の曜日ごとに来てくれる人がいれば、お相手の負担も小さく済みます。
しかしなかには色々な人が出入りすることに抵抗を感じる赤ちゃんも。初回で諦めず、徐々に回数を増やし距離を縮めてもらえば、「人見知り」を克服できる可能性がありますよ。
双子育児は何が大変?
双子の育児は、眠れないことがもっとも大変でした。何でも一度で済むと言われる双子ですが、その分苦労は2倍、睡眠時間は1/2。
家事や育児は「寝るためにこなす」と言っても過言ではありません。たとえ短時間でも、複数回にわたって寝ることをおすすめします。
双子育児はいつまで大変?
双子育児は「3歳になれば一区切り」と言えるでしょう。この時期は、授乳期を乗り越え何に対しても興味津々の時期です。
「悪魔の三歳児」ではありますが、ある程度親が言うことを理解し、行動に移せる子もいます。
個人差はありますが、この時期を乗り越えれば「天使の四歳児」に突入します。四歳ごろの双子はまだあどけなさが残っていて、まさに「天使」ですよ。
双子育児はママが特に大変!ママが辛くなったときは?
双子育児でママが辛くなったときは、5分でも「自分の趣味」に没頭しましょう。「辛いな」と思うときに、「逃げ場所」を作っておくことが必要です。
スイーツを食べたりドラマを見たり、「自分のために費やす時間」を持てば、「自分を大切にしている」と満足できるようになり、再び家族に目を向けることができます。
双子育児だからこそ得られるメリットに目を向けて!
双子育児は1人の育児より大変なことが多いですが、メリットも多くあります。お揃いの服を着たり、2人で笑ったりする姿は「双子で良かったなぁ」と感じる瞬間です。
筆者がもっとも嬉しかったのは、双子に対する街の人の優しさ。
外出先でベビーカーに苦労している時に助けてくれたり、双子がぐずったときにそれぞれにシールをくれたり、普段は大変なことが多くても「世の中は双子ママをサポートしてくれるんだなぁ」と温かくなったことを覚えています。
大変だと感じたら、1人で悩まずに声を上げることを忘れずに。行政はもちろん、健診会場の保健師、予防接種をする病院の医師・看護師など、身近に相談できる場所は意外にもたくさんあるものです。
この記事のライター
青空 太陽
【資格:病院勤務 / 診療放射線技師】
小学生の双子を育てながら、Webライターとして活動中。
双子の乳幼児期の度重なる入院・手術の経験、自身が持つ医療系国家資格を活かして、
多胎児の育児・障害児の育児についても分かりやすく発信できたらと思っています!
最近はまっていることは、調理家電をフル活用した料理とゲーム、家庭菜園。
子供達も野菜同様、まっすぐ素直に味わい深く育って欲しいと願う今日この頃です。