海外で子育てしたい方必見!海外在住ママが教えるメリットとリアルな事情
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子どもと一緒に海外暮らし!?お仕事などが理由で、海外子育てデビューを控えているご家族にとって、新しい世界へのワクワクと共に、心配なことも沢山あることと思います。
- 赤ちゃんを連れて海外子育てって大丈夫かな?
- 海外子育てに向けて準備しておいた方が良いポイントは?
- せっかくの海外子育てを楽しむコツは?
海外子育て歴3年半になる著者が、実際に経験した体験を踏まえてご紹介していきます。
Table of Contents
海外子育てをして感じた日本での子育てとの違いは?
海外で二人の子ども育てているからこそ、実際の暮らしの中で見える「日本とはここが違うなぁ」というポイントがたくさんあります。
どちらが良い・悪いではないけれど、こんな子育てもあるんだなと知るのは、面白いもの。ちょっと視野を広げることで、自分の子育てに自信が持てたり、逆にもっと肩の力を抜いて良いんだなと思えたり。気になるポイントを環境編とマインド編に分けてご紹介します。
海外子育て vs 日本での子育て【環境編】
海外子育てと日本での子育てで、目に見えて違うなと感じるポイントを4つご紹介します。
赤ちゃん専用のベビールームが当たり前
日本だとある程度大きくなるまで親と子が同じ部屋で寝ているというケースが多いかもしれません。しかし、海外子育てをしていると可愛らしい「ベビールーム」を作って、生まれてくるや否や、親とは違う部屋で寝るのが主流です。
妊婦さんのお友達を訪れると「ベビールーム見る?まだ準備中だけど…」とかわいいお部屋を見せてもらうというのも定番です。ワクワクしながらベビーアイテムを集め、お洋服に水通しをするのと同じく、お部屋を準備するというのが欧米流のマタニティの楽しみのようです。
授乳中のママに対して寛容
ベビー連れのお友達と出かけていて驚いたのですが、欧米系・アフリカ系のママは授乳に対して比較的オープンです。普通に喋っていたところで「ちょっと飲みたそうだからあげるね」と目の前で授乳が始まるのは日常茶飯事。なんなら他の人の旦那さんなど男性がいる場所でも、全く隠すこともありません。
一方で、アジア諸国にいた友達は「アジアでは授乳室というのがあって、そこじゃないとダメなんだよね。その辺で授乳してたら、女性からもジロジロ見られて驚いちゃった」と教えてくれました。決して悪いことをしているわけではなく、こそこそ隠す必要はないのかもしれないな…と視野が広がった経験です。
大人と子どものご飯は違う!?
家族みんなで同じメニューを食べるというのも、実は日本っぽいスタイルなのかもしれません。見ていると、必ずしも同じものを食べていない家庭が多いなという印象です。
子どもはゆでたジャガイモやパスタなどの好きなものを早い時間に食べて終わり。大人は少し手の込んだものを子どもが寝た後にゆっくり食べる、といった形で、時差式に夜ご飯をとる家庭も目立ちます。
高校生までは車の送迎が親の役目
日本にいると小学生頃から「いってらっしゃーい」と玄関で送り出したら、一人で学校や習い事に行って、そして帰ってくるというのが当たり前です。あまりにも小さい子が、暗くなった夕方歩いているのを見ると、心配してしまうのですが…。
一方、海外子育てになると治安の問題もあり、学校や習い事の送迎は親の役目となります。基本的には車社会のことが多く、複数の子供がいる家庭では、パパ・ママのどちらかがひたすら運転してあちこちに子どもを送り届けている…ということも。正直大変ではありますが、でも子どもとの会話の時間だと割り切って、ドライバーの役割をするしかありません。
海外子育て vs 日本での子育て【マインド編】
海外子育てをしていて、この考え方は面白いな!と思った、マインド面での違いをご紹介します。
子どもは自分とは違う人という考え方
海外暮らしをしていると、親である自分と、その子どもは全く別の人間だと切り離して考えている人が多いなと感じます。よく「個人主義」だなんて難しい言葉で言われることもありますが、「私は私。子どもは子ども」と割り切っているということです。
例えば、学校で子どもが悪さをしたと報告を受けたときに「自分の子が何かしてしまった…。」と自分が怒られたかのように感じるのではなく「あの子はそういうところがあるからねぇ…。」と客観的にコメントをしているのを見かけます。いい意味で切り離すからこそ、子育てに疲れないのかななんて思います。
できるだけ子どもに決めさせる
「個人主義」だからかもしれませんが、比較的子どもが小さいうちから「自分で決める」という経験をさせているのを見かけます。例えば、今日はどのTシャツを着るのか、どのメニューを頼みたいのかをいちいち子どもに質問しています。幼いころから「自分の意見」をいう練習を始めているからこそ、「自分の意見を聞いてもらえる」「自信をもって選べる」というメリットがあるのかなと感じます。
最近聞いたびっくりな質問は「今日学校に行きたいか?」を毎朝子どもに聞いている家庭がありました。YESなら学校に行くし、NOなら家で何をして過ごすのか相談するのだとか。さすがにそれはすごいなと思いましたが、自主性を育てることに繋がりますね。
とにかく褒めて伸ばす文化
少し前までの日本では、自分の子どもが褒められた時「いやいや、そんなことはありません。」と謙遜するのが良いとされていました。さすがに令和の時代は違うのかな?と思いつつも、積極的に子どもの良いところを言いふらすというのは、やはり憚られることかもしれません。
でも、海外子育てをしていて気付くのは、会話の節々に「彼にはこんな良いところがあって」というように、子どもの良いところを本人が目の前にいようが、いなかろうが口にしていることが多いです。ポジティブな言葉をかけながら子育てをしたいなと、自分の言動に気が引き締まります。
好きなことや得意なことを伸ばす
日本にいると「苦手なところを治そう」「平均点をあげよう」というバランスの取れた子どもを育てる要素が強いかなと感じます。
一方で、海外子育てをしていると、学校の先生との会話の中からも、親同士の会話からも「彼はこんなことが得意だから、もっと伸ばそう」という良い方に目を向けることが多いです。興味関心のあることを引き伸ばし、苦手なことは後からついてくるでしょうと温かい目で見守る。そんな教育マインドで育つことで、好奇心を高めたり、チャレンジ精神が付くのかなと感じています。
海外子育て事情!実際海外で子どもを育てるメリットとは?
海外で子育てをすると聞くと、なんだかグローバルな子に育ちそうだなというイメージがあるかもしれません。もちろん大変な点もある一方、メリットは沢山あるなと感じています。
こちらでは、筆者が感じた海外で子育てをするメリットをご紹介します。
赤ちゃんの頃から多言語の世界で育てられる
海外での暮らしでは、生活の中で2言語以上に出会うチャンスがあちこちにあります。
- 自宅の言葉(日本語)
- 滞在国で話される言葉
- 周りの友達家族が話している言葉
例えば、イギリスに滞在していれば英語がメインになります。でも、それだけではありません。周りの友達にはフランス人もいるだろうし、インド人もいるかもしれません。すると、お友達の家ではフランス語が飛び交っているのを耳にしたり、親子間ではヒンドゥー語を話すのを見かけたり。
滞在する街によっても、国際色の強さは異なるかもしれませんが、日本にいるよりもほかの言語に出会いやすいのは間違いありません。「自分が知らない音や言葉」というものに幼いうちから触れることができるのはメリットだと感じています。
ダイバーシティが当たり前の環境で成長できる
海外で子育てをするメリットは、語学面だけではありません。我が家はアフリカのルワンダにて子育てをしていますが、子どもの通う幼稚園を見ても国際色豊かです。
東アフリカの周辺国の子はもちろん、ヨーロッパから来ている子もいれば、アジアから来ている子もいます。肌の色も違えば、目の色も、髪の毛の質もそれぞれ異なる。小さいながらに、「みんな違って、みんないい」を経験できています。
そもそもの見た目や背格好が違うからこそ、同年代の子と一緒に比較して「背が高い・低い」などのどんぐりの背比べもしなくなります。だからこそ、それぞれの子が、自分のペースでのびのび育つことができるのかなと感じます。
世界各国の様々な子育て方法に出会え学べる
海外で子育てすることで学びがあるのは、子どもだけではありません。子育てを通じて、ママパパにも新しい発見があったり、知見が広がると感じています。
日本にいるとテレビなどのメディアや常識から、似たような子育てをすることが多いですよね。そして、お互い同じ日本人だからこそ、周りの家と様子を探りあって、つい比べてしまいがち。
でも海外で子育てをしていると、いろいろな国から集まる人たちの子育て方法を見ることができます。それぞれの重要視するポイントも違ったり、常識が全く異なっていたり。
それぞれ違うからこそ、下手に比べて凹むこともありません。お互いの良い子育てポイントを盗ませてもらって、自分の子育てに自信が持てるなと感じます。
私が良いなと思って盗んだポイントとしては、欧米系の子育ての「子どもを子ども扱いしない」という点です。
食卓を見ても、子ども用の食器を使うのは本当に赤ちゃんの時だけ。少し大きくなったら大人と同じ割れるお皿を使って、子どもの会話に耳を傾け、自分の意見を発言するように促す様子をよく見かけます。
「子どもだから…」とあれこれ子ども扱いするのではなく、一個人として大人と同じように扱うことで、自尊心が芽生えたり、発言力がつくのかなと感じています。
シッターやお手伝いさんなど支援が豊富なことも
滞在する国にもよりますが、ベビーシッターやお手伝いさんを雇いやすい環境も多いです。週に1度はベビーシッターさんに子どもを預けて、夫婦でディナーに行くのが当たり前なんて家族もあれば、必要に応じて家事や料理などを定期的に手伝ってもらっている家族も。
周りがうまく活用しているからこそ、罪悪感なくサポートを受けやすいなと感じます。
海外子育てに向けて注意したいポイントとは?
子どもにとっても、ママパパにとってもいい経験になる海外での子育て。海外での子育てが素敵な経験になるように注意したいポイントをご紹介します。
海外子育てはパパママの両方参加型であることが多い
「ぜひ週末うちに遊びに来てね」と誘われた場合、日本だと「子ども+ママ」が出ていくことが多いですよね。でも、海外暮らしになるとパパまで含めた家族単位で出かけることがグッと多くなります。
- クラスメートのバースデーパーティー
- 週末開催されるBBQの集まり
- 季節ごとのイベント など
このようなイベントごとは、基本的に家族全員で参加するものです。あまり子どものお出かけに参加していなかったパパの場合、戸惑うこともあるかもしれません。でも、行ってみたら他のパパと出会うことができ、仕事以外の繋がりが出来て楽しいはずです。
国によっては日本よりも男女平等視点が進んでいる
男女平等マインドが浸透しているからこそ「男の子だから」「女の子だから」というフレーズを耳にする機会が少ないと感じます。幼稚園を見ていても「男の子チーム」「女の子チーム」などのチーム分けもしません。
また、ヨーロッパ系のお友達を見ていると「男の子=ブルー」「女の子=ピンク」などの色分けさえも嫌がることが多いです。お誕生日会におめかししてきたら、男の子がエルサのドレスを着ていたなんてことも!
せっかくだから日本人で固まりすぎないように意識
言葉面でのやりとりに不安があるからこそ、居心地の良い日本人コミュニティから抜け出せないというのは、海外子育てあるあるかもしれません。もちろん日本人との繋がりも、子どもの言語を保つためにも大切です。
でも、せっかくの海外子育てだからこそ、一歩踏み出して他の国籍のお友達も作りましょう。大人にとっても、子どもにとっても、新しい発見に繋がるはずです。
ダイバーシティ故に「我が家」スタイルを持つこと
海外子育てをしていると大切になるのが「自分流の子育てスタイル」を見つけること。周りの人たちから刺激をもらうだけで、あれこれ目移りしているだけでは疲れてしまいます。素敵だなと思う子育て方法の良いとこどりをしながら、少しずつ「我が家流」みたいなものを見つけていきましょう。
我が家では「家族時間をできるだけ大切にする」をモットーにしています。学校や習い事で経験を増やすのも良いけれど、子どもが小さい今は家族の時間を確保する方を重要視しています。海外子育てだからこそ「子どもに日本語で話す環境」も楽しんでほしいというのもあります。
可能な限り、朝ごはんや夜ご飯は家族そろって、赤ちゃんも席について一緒に時間を過ごす。週末もできるだけ家族での時間が増やせるように、お誘いを断ったり、逆に家族全員で参加させてもらったりと調整しています。
海外子育てにむけて事前に準備しておきたいこととは?
いざ日本を離れて、海外での子育てが始まる前にやっておくべきことは何があるでしょうか。海外子育てが始まるにあたって、最低限準備しておきたいポイントをご紹介します。
日本語の絵本や童謡は事前に購入がベター
海外での子育てが始まると「うちの子が英語を話している!」と、嬉しい気持ちになるものです。その一方で忘れてはいけない日本語教育。日本に戻った時に困らないように、最低限の日本語は維持してあげましょう。
現地に行ってしまうと日本の教材などは手に入りにくいので、滞在する期間に使いそうなものは事前に買っていきましょう。
- 年齢に応じた絵本
- 日本の童謡の入ったCD
- 短編アニメなどのDVD など
経験上、持っていて便利なのがCDです。オンラインで動画を見れる時代ではありますが、スクリーンの見過ぎも気になるものです。CDがあれば、車での移動中に流しておくなど、日常に取り込みやすいなと感じています。
日本を紹介できるアイテムがあると助かる
海外で子育てをしていると、自分の国を紹介する機会も増えるものです。学校のイベントなどで「日本代表」になることも。
そんな時に向けて、日本を紹介できるアイテムを持参しておくと助かります。
- 折り紙
- お寿司を作れる巻きす
- 子供用甚平や浴衣 など
例えば、幼稚園にて「自分の国を紹介するアイテムを持ってきてください」という日がありました。何にしよう…と悩んだ結果、折り紙で手裏剣をたくさん追って持たせました。子ども同士でも遊べるし、イベントの後はお友達にあげられるし、折り紙は良い案でした。
現地の子育て事情・支援事情は最低限リサーチを
大人だけの引っ越しとは異なり、子連れとなると特に気になるのが病院と教育関係。詳しいことは、現地に行ってから、周りの同世代ファミリーに教えてもらうのが一番有力な情報であることは間違いありません。
- 住む地域に安心できる病院はあるのか
- 近くに幼稚園や学校はあるのか
- 日本人学校や補習校はあるか など
ある程度リサーチをしてから渡航するだけで、心の安心感が異なります。特に持病があるなどで、お医者さんに紹介状を書いてもらう必要があったり、常備薬を入手しなければいけないような場合は、アクセスできる医療体制はしっかり調べましょう。
行く先によっては車の運転がマストということも
滞在する国にもよりますが、日本よりも車社会であることも多いものです。車の免許を持っていない場合は、事前に日本で取っていくのが安心です。
日本の免許証を持っていれば、渡航前に国際免許証を取得しましょう。所定の警察に行くだけなので、簡単に取得でき、持参すれば、多くの国ですぐに運転可能です。
私自身は免許は持っていましたが、完全にペーパードライバーだったので、渡航前後で少しだけ練習をしました。結局は現地で練習して慣れるしかないのですが、少し練習しておくと安心です。
ちょっと気になる海外子育てしやすい国ランキング
「結局のところはどこに言っても住めば都」かなという気もしますが、2023年にUnicef(ユニセフ)のレポートをもとに、イギリスのメディアBBCがまとめた「海外子育てしやすい国ランキング」をご紹介します。
参考文献:https://www.bbc.com/travel/article/20230207-the-five-countries-expat-families-love
安全面で圧倒的安心なのは日本
子どもを取り巻く治安や健康面を見たときに、ユニセフは日本が1番だと報告しています。何よりも先進国において、子どもの肥満率や死亡率が低く、また空気や水の鮮度を見ても安心できるとあります。
何よりも、子どもが一人で歩いて学校にいけるというのは、日本人からすると当たり前だけど、海外からすると「信じられないほどの治安」ということ。この点は自信をもって良さそうですね。
妊娠中から安心で教育システムが整ったエストニア
あまり日本では話題になることのないエストニアですが、空気や騒音などの環境公害が少なく、さらに先進国の中では殺虫剤などの化学製品による公害が少ないとユニセフのレポートにあります。また低体重で生まれる子の数も少なく、妊婦さんの段階から適切なケアが整っているのもポイントです。
さらに、小さな国ではありますが、学校のシステムが整っていて、数学や化学、識字率が安定している点も見逃せません。幼いうちからタブレットを使って、楽しみながらプログラミングなどにも触れることができたりと、積極的な教育システムの改善に取り組んでいる点が評価されています。
子どもの心の健康にやさしいスペイン
正直なところ、教育や医療レベルに関してはあまり良いとは言えないスペインですが、ユニセフのレポートによると「スペインの子どもはハッピーな子が多い」とされています。友達を作ることに自信があったり、自己肯定感の高さが秀でています。
その理由の一つとして「社会全体が子どもを見守っている」文化があげられています。レストランやバーに子どもを連れていっても非難されることはなく、「静かにしなさい」と言われることもなく、家族時間を楽しく過ごしていることを見守ってくれる。社会全体が子どもを育てているというカルチャーがまだ残っている点が、高く評価されている国と言えるでしょう。
まとめ:海外子育ては怖くない!事前の心構えでポジティブに!
子どもと一緒に海外へ行くことになった!わくわくする反面、居心地の良い日本の環境を離れるのは不安…というご家庭は多いものです。
行く国によって生活スタイルなどは異なりますが、海外子育て期間を楽しむぞ!と思って挑めば、子どもはもちろん、ママパパにとっても良い経験に繋がります。
事前に心の準備をしておけば、行くまでの不安は解消されるものです。ぜひ、一歩踏み出して海外子育てに挑戦してみてください。
この記事のライター
いいだ あさと
アフリカ在住フリーライター、いいだあさとです。ルワンダという国に移り住んで早4年目。スポーツバカな夫&大食いな2歳の男の子と暮らしています。大人も子供も、異文化にもまれながら楽しく生活中です。ちなみに、ここルワンダはコーヒーが美味しいんです! 記事を通して、毎日の暮らしの中に隠れている「小さなハッピー」を見つけるキッカケを提供出来たらと思っています。あっという間に過ぎてしまうドタバタな子育て期間。できるだけ楽しいことや嬉しいことに目を向けて、一緒に楽しんでいきましょう! 趣味は写真を撮ること&日記を書くこと。最近はピラティスも始めました。