赤ちゃんの首すわりはいつ?時期や判断の仕方・練習方法も伝授
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赤ちゃんは、日々めざましいスピードで成長しています。昨日までできなかったことが、今日できるということもあり、3人の子育てをしている筆者自身、子どもたちの日々の成長に驚かされています。
成長のタイミングを知識として知っていると、赤ちゃんの成長に寄り添った遊びや思い出作りに活かすことができますよ。この記事では、赤ちゃんの運動機能の発達における第一歩となる「首すわり」について解説します。
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「首すわり」とは安定して頭を動かせる状態
赤ちゃんの首すわりとは、安定して頭を動かせる状態を指します。首がすわるまでは首の筋肉が未発達だったために、「赤ちゃんの頭を支えなければ首がグラグラする」という状態だったでしょう。
赤ちゃんは日々の成長に伴い、頭から足へと順を追って筋肉の発達が進みます。生後3~4か月定期健診では、赤ちゃんの発達段階の目安として首のすわりをチェックすることからも、「首のすわり」は発達の第一段階ともいえるでしょう。
赤ちゃんの首すわりの時期はいつ?
赤ちゃんの首すわりは、一般的にはいつ頃なのでしょうか?首すわりには個人差があるため、平均を知って「早い」「遅い」などと心配しなくても大丈夫です。あくまでも目安として知っておきましょう。
一般的には生後3~4か月ごろが目安
首すわりは、一般的には生後3~4か月頃に完成します。厚生労働省の「平成22年度(2010年度)乳幼児身体発育調査」によると、生後2~3ヶ月で11.7%、生後3~4ヶ月で63.0%、生後4~5ヶ月で93.8%の赤ちゃんが首すわりを認めています。
余談ではありますが、看護師の国家試験問題には「生後6ヶ月の赤ちゃんで発達の遅れを疑うケースはどれか?」という問題がありました。この解答は、「首がすわらない」ということからも、生後6ヶ月くらいまでは余裕を持って観察しても問題ないことが分かります。
成長には個人差がある
前述したとおり、赤ちゃんの首すわりの時期は一般的には生後3~4ヶ月頃。しかし、赤ちゃんそれぞれの成長スピードがあるので、「平均」に捉われる必要はまったくありません。
4ヶ月経ったのになかなか首がすわらずに、焦ってしまうママも少なくありませんが、自分の子のペースで日々成長しています。
首すわりの早い子もいれば、ゆっくりの子もいます。大人の世界同様、みんなが同時にできないのは当然のこと。周りと比較せず、どんと構えて見守りましょう。
首すわりの完了を見極める方法
毎日赤ちゃんと関わっているママ・パパは首すわりに気付きにくいケースがあります。赤ちゃんの首すわりの状態を見極めるポイントをご紹介します。その日の赤ちゃんの状態にもよるため、難しい場合には無理せず後日挑戦しましょう。
ポイント1:腹ばいにすると頭をあげる
赤ちゃんを腹ばいにして、頭をあげるかどうかを確認しましょう。頭をあげられるということは、首の筋肉が発達してきた証拠。
このとき、頭をあげて周囲を見渡す余裕があれば完全に首がすわっている状態といえます。赤ちゃんが苦しそうな場合にはもちろん、無理はさせず短時間で終了してくださいね。
ポイント2:仰向けで両手を引くと頭が遅れずについてくる
赤ちゃんを仰向けにして両手を持ち、優しくゆっくりと引き起こしましょう。スピードをつけて引き起こしてしまうと、肩や肘が脱臼することもあるため要注意です。
45度程度まで上体を引き起こしたときに頭と体が同時に持ち上がっていれば、首すわりが完了している状態といえます。首すわりが完了していない場合は頭がついてこないので、無理に続けず次回改めて確認してみましょう。
ポイント3:縦抱きをして姿勢を保つことができる
縦抱きも首すわりを判断するポイントになります。このとき赤ちゃんをいきなり縦抱きをすると首がぐらついて危険なので、まずは頭と首、お尻をしっかり支えた状態で縦抱きをしましょう。
すぐに手で支えることができる位置で、首と頭を支えている手を少しずつ離します。このとき、支えがなくても首がグラグラせず安定していれば首がすわっている といえます。
ポイント4:医師や保健師などの専門家に確認してもらう
首すわりの判断ポイントをおさえても、毎日身近で見ているママパパは判断が難しい場合があります。そのときは医師や保健師などの専門家にみてもらうことをおすすめします。
実際、私が看護師として勤めていた小児科でも、首すわりを心配したママ・パパが受診をされていました。健診時に首のすわりがまだの場合でも、小さいうちは予防接種で病院に行く機会が多いので、再度首すわりを確認してもらうと良いですよ。
赤ちゃんの「首すわり」注意点を知って関われば育児はもっと楽になる!
月齢別!首すわりを促すための練習方法
首すわりは、無理な練習をしなくても時期がくれば自然とできるようになります。しかし遊びを通じて首すわりを促すことができるなら、これほど良いことはありません。ここでは、首すわり練習の適切な時期や練習方法をお伝えしていきます。
遊びの中に首すわりの練習を取り入れよう
首すわりの練習といっても、生後間もない赤ちゃんに無理な練習は禁物。赤ちゃんとの自然な触れ合いや遊びのなかで首周りの筋肉を発達させるような関わりをもつことが大切です。
生後0か月頃から:首を動かすトレーニング
赤ちゃんは、音が出るおもちゃや動くものが大好き。生後間もない赤ちゃんの視力は未熟ですがママやパパの声、周囲の音はハッキリと聞こえています。
赤ちゃんの名前を呼んで優しく話しかけてみましょう。赤ちゃんが機嫌よく起きているときは、赤ちゃんの目で追える範囲でゆっくりとおもちゃを動かしたり、音の出るおもちゃを鳴らしたりするのもおすすめです。
生後2か月ごろになり物の動きを目で追うことができるようになると、この時期の首を動かすトレーニングは、やがて目で追って首を動かす、手を伸ばすといった次の行動につながります。
生後1か月頃から:縦抱きで別の景色に気付かせる
生後1ヶ月頃からは、縦抱きで別の景色に気付かせてあげるのも首すわりの良いトレーニングになります。この頃の赤ちゃんは起きている時でも横たわっているため、「体を起こした景色」に気付きません。
首すわり前の赤ちゃんは横抱きが基本ですが、頭と首をしっかり支えた状態で短時間であれば縦抱きが可能です。普段とは違った景色をみることができるので、ご機嫌になる赤ちゃんもいます。
生後2か月頃から:うつ伏せで筋肉の発達を促す
赤ちゃんをうつぶせの姿勢にすることも首すわりを促すうえで効果的です。背中や首の筋肉の発達や、バランス感覚の発達につながるからです。
赤ちゃんをうつ伏せにすると、まだ首がすわっていない赤ちゃんでも頑張って顔をあげようとします。しかしなかには嫌がって泣いてしまう赤ちゃんも。無理強いはせずに、赤ちゃんの気持ちを優先しましょう。
ママやパパのお腹の上にのせてうつぶせにしてあげると安心して行える場合もあります。
首すわり練習時の注意点
首すわりの練習時は、以下の3点に気を付けましょう。
- 授乳後すぐや、空腹時は避ける。
- 必ず大人の目がある場所で行う。
- 周囲の安全を確保する。
授乳後すぐは、せっかく飲んだ母乳やミルクを吐いてしまう場合があるので、1時間程度間隔をあけるようにしましょう。また、布団やクッションなどのやわらかいものが周りにあると、窒息の危険があります。赤ちゃんにとって危険なものは遠ざけ、安全な場所で終始見守りながら行いましょう。
無理はせず、赤ちゃんの機嫌の良いときに赤ちゃんとの遊びの一環として楽しむことが大切です。
首すわり前の抱っこは基本「横抱き」で!
生まれて間もない赤ちゃんは首がすわっていないため、縦に抱っこをすると首が安定せず危険です。首すわり前の赤ちゃんの抱っこは、基本横抱きにしましょう
腕全体を使った抱っこが安定する
首すわり前の赤ちゃんを抱っこするときは、腕全体を使った抱っこが安定します。必ず「頭と首、お尻」を支えましょう。
まず、仰向けで寝ている赤ちゃんの頭を両手で持ち上げ、片手を頭の下に差し入れます。その後、もう一方の手を股の下に入れておしりと背中を支えます。
赤ちゃんを引き寄せ、腕全体で抱っこするとママも楽ですよ。赤ちゃんは頭が重いのでバランスを崩さないよう注意しましょう。
赤ちゃんがより安心する抱っことは
赤ちゃんは、ママの胸辺りで赤ちゃんを抱いてあげると安心します。ママのお腹にいる頃から、ママの温もりやにおいを感じていたからです。
泣き止まないときには、赤ちゃんを胸の辺りで抱っこをしながら、上下にゆっくり揺らしてみましょう。ママのお腹の中を再現できるため、安心感や満足感を感じることができます。激しく揺さぶると赤ちゃんの脳に損傷を与えたり、将来歩行が困難になったりすることがあるのでご注意を。また、赤ちゃんは腹式呼吸なのでお腹を圧迫して呼吸をさまたげないように気を付けましょう。
赤ちゃんの成長に合った抱っこ紐を使おう
抱っこ紐は、必ず赤ちゃんの成長に合った商品を使用しましょう。抱っこ紐には「横抱き」「縦抱き」「おんぶ」などさまざまなタイプのものがあります。なかには新生児期から3歳頃まで長期的に使える抱っこ紐があり、非常に便利です。
筆者も、成長に合わせて抱き方を変えられる抱っこ紐を使用していました。長時間の抱っこは体力勝負なので、肩や腰に負担がかからない抱っこ紐がおすすめです。
男女兼用の抱っこ紐だとパパに抱っこをバトンタッチすることができるため、ママの負担が減り、パパも育児に参加しやすくなりますよ。
首すわり練習で縦抱きするときは短時間を心がけて
首すわり前の縦抱きは短時間を心がけましょう。頭~首、お尻をしっかり支えた状態を維持します。授乳後にゲップを促す姿勢と同じです。
また、縦抱きはいつもと違った景色が見えることから赤ちゃんにとっても気分転換になります。しかし、長時間に及ぶ縦抱きは赤ちゃんの負担が大きいのでNG。赤ちゃんの未熟な筋肉に負担がかかることに加え、窒息の危険もあります。
首すわり前に気を付けるべきポイント3つ
首すわりが完了していない赤ちゃんは、まだ大きな行動を取ることが困難です。しかし、油断は禁物。首すわり前であっても危険は隠れています。首すわり前に注意すべきポイントをお伝えします。
注意1:揺さぶらない
首すわり前の赤ちゃんは揺さぶらない様に注意しましょう。首が安定せずぐらぐらしているため、大きく揺さぶると頭や首がガクっとなってしまい筋肉やじん帯に損傷を負う場合があります。
また、頭や首が大きく揺さぶられることにより脳が損傷を受ける危険性も。「たかいたかい」などの抱っこ遊びも激しくならないよう注意しましょう。
注意2:安全に生活できる環境を整えよう
赤ちゃんは危険を察知する能力が未熟なので、生活環境に配慮する必要があります。
主に注意する点は以下の通りです。
- 赤ちゃんの周囲に落下する物がないかを確認する。
- ぬいぐるみやクッションなど窒息の危険性があるものを近くに置かない。
- 布団や、枕が覆いかぶさらないように注意する。
寝具などの柔らかいものであっても、万が一覆いかぶさってしまった場合には、赤ちゃんが窒息してしまう危険があるため注意が必要です。
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注意3:うつぶせ寝は危険
赤ちゃんのうつぶせ寝は、窒息や乳幼児突然死症候群の危険があります。特に首すわり時期の赤ちゃんはまだ寝返りができない場合が多く、柔らかい布団や枕に顔が埋もれ窒息してしまう危険性も。
1歳未満の赤ちゃんに突然の死をもたらす「乳幼児突然死症候群」のリスクの一因として、「うつぶせ寝」があげられています。厚生労働省も1歳未満の乳児には仰向けを推奨しているため、医師から特別な指示がない場合には仰向けに寝かせましょう。
そのほか乳幼児突然死症候群の発症リスクを下げるポイントとして「できるだけ母乳で育てること」「たばこをやめること」を推奨しています。とても怖い病気ですが、このような病気があることや、発症のリスクを下げるポイントについて知っておくことは大切です。
首すわり後は赤ちゃんとママの生活が変化する
赤ちゃんの首がすわると、赤ちゃんもママも大きく生活に変化を感じることがあります。どのような変化があるのか、赤ちゃんとママの視点からそれぞれを詳しく見ていきましょう。
赤ちゃんの変化
首がすわったあとの赤ちゃんの変化としては、以下のものがあげられます。赤ちゃんの首すわり後を想像しながら確認しましょう。
視野が広がる
赤ちゃんの首がすわると視野が広がります。これまでは限られた範囲でしか周囲を見ることができませんでしたが、これまでは見たことがない景色を自分の意思で見ることができるのです。
赤ちゃん自身が興味のあるものや、大好きなママやパパの顔を自由に首を動かして見ることができるため、「好き嫌い」が分かりやすくなります。
ふと気が付くと、赤ちゃんがこちらをじっと見つめていることも。目線が合う事も増え、愛おしく感じる場面も増えてきます。
興味のあるものに手を伸ばす
首すわり後の赤ちゃんは、自分が興味のあるものに積極的に手を伸ばすようになります。これまでよりも視界がひらけるため、「自分で選択する」という気持ちが育ってくるのです。
まずは手で触れて、次は口に入れて物の形や大きさを確かめます。そのため、おもちゃを与える際には赤ちゃんの手でも持ちやすく、万が一当たっても痛くないものが安全です。
この頃の赤ちゃんは、まだ安全なものと危険なものの区別がつきません。赤ちゃんの周囲に危険なものは置かないように気を付けましょう。
服の選択肢が広がる
赤ちゃんの首がすわると服の選択肢が広がります。これまで上下がつながった服を着ていた赤ちゃんも、首がすわると上下が別れたセパレートタイプのベビー服を着れるようになるからです。
セパレートタイプはデザインが豊富でコーディネートの幅もグンと広がります。万が一服を汚した場合でも、つなぎタイプの服はすべて取り替えなければなりませんでしたが、セパレートなら上着だけ、ズボンだけ取り替えれば良いというケースも。
まだ慣れない赤ちゃんには、特別な日やお出かけ時などはセパレートタイプの服を、家着にはつなぎタイプを着せるなど工夫をして、徐々にセパレートタイプに慣らしていきましょう。
ママの変化
赤ちゃんの首がすわることで、ママにも変化が現れます。ひとことで言えば「これまでよりも楽になる」のですが、具体例をご紹介します。
授乳が楽になる
赤ちゃんの首がすわると授乳が楽になります。首がすわるまでは、赤ちゃんの頭と首を支え、授乳後はヘトヘトというママも多いことでしょう。ミルク・母乳どちらでも、お互いに慣れていないこともあり苦労するはずです。
しかし赤ちゃんの首がすわると、赤ちゃん自らが哺乳瓶やおっぱいに吸い付いてきます。3ヶ月を過ぎた頃に、母乳の出が良くなるママがいるのはこのためです。
首がすわらないうちは授乳に苦労が多いでしょうが、首がすわれば我が家のように楽になる赤ちゃんもいます。気楽に構えて首すわりの時期を待ちましょう。
家事や外出の負担が減る
首がすわると家事や外出時の負担が一気に軽くなります。これまで横抱きが基本だった赤ちゃんも縦抱きができるようになることで、おんぶをしながらの家事や外出が可能になるためです。
おんぶだと両手が空くので洗濯や掃除などの家事もスムーズ。筆者もおんぶをしながら家事をしていましたが、安心するのか赤ちゃんはそのまま寝ていることもありました。
さらに、抱っこが楽になると移動も楽になります。首がすわっていない赤ちゃんを連れての移動は神経を使い大変ですが、首がすわると赤ちゃんが安定しているため、気持ちの面でも安心です。
首すわりのタイミングのとらわれず赤ちゃんの日々の変化を楽しもう
今回は、赤ちゃんの首すわりの時期や判断方法、首すわり前後の赤ちゃんとの関わり方や変化についてお伝えしました。首のすわりについて不安なことや聞きたいことがある場合には、一人で悩まず小児科や保健センターに相談しましょう。
子育てをしていると、どうしても周りの子や平均にとらわれてしまいますが、一番大切なことは、昨日までの我が子と比べること。以前と比べて成長していることがたくさん見つかるはずです。
赤ちゃんの首がすわると、次の発達段階は寝返りです。赤ちゃんと一緒に、一つひとつ成長していきましょう。
この記事のライター
さくら みはる
【資格:看護師 / 小児科にて勤務経験あり】
ライターのさくら みはると申します。11歳・5歳・2歳の3人のこども達の母です!
こどもたちは一人ひとり性格も異なり育児の大変さに日々悩み、奮闘しています。
前職は看護師として病院に勤務していました。
小児科での勤務経験もあるので、母として看護師として、育児に悩むママ達の気持ちに寄り添えるような役立つ情報を発信していきます。よろしくお願いします!