胎教って何?胎教を始めてママと赤ちゃんの妊娠ライフを楽しもう
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赤ちゃんが生まれる前から、「赤ちゃんのために何がしてあげれるだろう」と考えるパパとママは多いでしょう。おなかの赤ちゃんのためにできることの1つとして、「胎教」がよいと耳にしたことがあるかもしれません。しかし実際には、
「胎教ってどんな効果があるんだろう?」
「どんな音楽をきかせたらいいの?」
などと悩まれる方も少なくないでしょう。
そこで今回は、胎教とはどういったものなのか、胎教がもたらす効果や始める時期、胎教におすすめの音楽と聞かせ方などについて解説します。この記事を参考に「胎教」を取り入れ、赤ちゃんと一緒に楽しいマタニティライフを過ごしましょう。
Table of Contents
胎教とは?
胎教とは、もともとは日本各地で妊婦さんがストレスなく、よい環境で過ごせるように受け継がれた慣習のことです。
1960年代、医学の進歩により「おなかの中の赤ちゃんに聴覚や記憶能力がある」と解明されたことにより、妊娠期間中から始める早期教育に注目が集まりました。「胎教」は、英語やクラシックなど赤ちゃんの教育によいものを聞かせることという印象が広がったのです。
しかし、現代ではママがストレスのない環境で楽しく過ごすことが、赤ちゃんによい影響を与えるので、「妊娠中のママがリラックスして過ごすことがとても大切だ」とされています。
これにより、「胎教」の目的は「教育」よりも「おなかの中の赤ちゃんと触れ合うこと」に変化してきているのです。
それでは、「胎教」にどんな効果があり、いつから始めるべきなのかについて具体的に見ていきましょう。
胎教がもたらす効果
赤ちゃんは、おなかの中にいる時から脳と五感を成長させています。しかし、具体的に赤ちゃんにとって胎教の何がどんな成長の助けになるかまでは、科学的にまだわかっていません。
しかし、赤ちゃんがおなかの中にいる時のことを覚えているというのは確かなことで、その記憶を「胎内記憶」といいます。例えば、おなかの中で聞いていた絵本の内容や音楽を覚えていたり、妊娠中にママがよく食べていた食材を赤ちゃんが好んで食べたりすることがよくあります。
そのため、妊娠中のママがおなかに優しく触れ声をかけると、赤ちゃんの脳によい刺激を与えるといわれています。また、ママがリラックスした状態でいると、赤ちゃんに必要な栄養がいきわたりやすいとされています。
逆に、ママがストレスを感じていると、赤ちゃんへ送られる栄養が不足し、脳の発達によい刺激が与えにくくなることも……。
リラックスしながら胎教に取り組んだ赤ちゃんは、出産後情緒が安定する、夜泣きが少ないなどの効果があると報告されています。胎教を行う上で大切なことは、ママが穏やかな気持ちで過ごせる環境で、赤ちゃんとコミュニケーションを取ることだといえるでしょう。
胎教はいつから始める?
胎教を始める時期は、特に決まっていません。ママの体調や気持ちに余裕があるかどうかなどによって決めることがほとんどです。
特に、妊娠初期はつわりがあるケースもあります。ですので、無理せずリラックスして好きなアロマを焚いたり、好きな音楽を聞いたりして、赤ちゃんが生まれてきた時のことを考えながら、ゆっくり過ごすのがよいでしょう。
妊婦さんのつわりが軽減するのは、妊娠15週を過ぎる頃です。その後、妊娠中期に入り妊娠18週~20週頃になると、赤ちゃんの胎動を感じ始めます。
また、脳内にある記憶をつかさどる「海馬(かいば)」の部分ができあがり、五感が発達し始めます。この頃を目処に、積極的に胎教に取り組み始めるとよいでしょう。
妊娠20週~22週頃になると、おなかの中の赤ちゃんは羊水の音やママの心臓の音だけでなく、おなかの外の音も聞こえるようになるといわれています。
この頃を境に、赤ちゃんへ呼びかけたりおなかを撫でたりするなどの軽い刺激にも反応がでてくるので、胎教が楽しくなるでしょう。また、おなかの外からも胎動を感じることができるようになるので、パパも赤ちゃんの反応がわかるようになります。
いずれにせよ、胎教をいつまでに始めないと遅いということはありません。無理をせず、ママが落ち着いた頃から始めることをおすすめします。
胎教の音楽の聞かせ方
胎教の音楽の聞かせ方で大切なことは、ママがリラックスしていることです。穏やかに過ごせる環境でゆったりとした姿勢になり、音楽を聞かせてあげるのがおすすめです。生演奏でもイヤホンを通してきく音楽でも、どんな聞き方でも効果があるでしょう。
胎教の音楽をおなかにあてる意味と適切な音量
おなかの中の赤ちゃんは、羊水の中に浮かんでいます。羊水や腹壁ごしに聞こえてくる音は、私たちが聞いている音とは聞こえ方が異なります。常にママの心臓の音や血流の音が混ざっているので、外から聞こえる音は、小さな音で赤ちゃんの耳に届いているようです。ちなみに、ママが普段話している声も、赤ちゃんにはちゃんと聞こえています。
したがって、「おなかにスピーカーを当てなければいけない」「大きな音で聞かせないと意味がない」ということはありません。ママにとってストレスにならない程度の音量で、リラックスすることが何より大切です。
音楽に触れる
音楽を聞くと、その音は耳から脳へ伝わり、自律神経に作用して全身に影響を与えます。音楽の種類により、興奮や鎮静、リラックスなどの効果があります。
妊娠中のママとおなかの中の赤ちゃんにとって大切なことは、ママと赤ちゃんがリラックスして落ち着いていることです。
上述したように、ママがゆったりとした姿勢で落ち着いて音楽を聞くことで、ストレスを緩和しリラックスできます。それと同時に、おなかの中の赤ちゃんもママと同じようにおなかの中でゆったりと過ごせるようになります。
好きな音楽を聞く
胎教で聞く音楽は、特に決まりなどはありません。ママが好きな音楽なら何でもOKです。リラックスしながら好きな音楽を聞くことで、余計な心配ごとや考えごとに思考が集中しなくなります。
また、心から音楽を楽しむことができると、脳内にドーパミンが分泌されて、ストレスホルモンを軽減させる効果があるといわれています。
胎教というとクラシックを聞くイメージがありますが、ママが心からリラックスできたり、ストレスを発散できたりする音楽を楽しんで聞くことが大切です。
歌を歌う
ママが声を出して歌うことで、ママ自身のストレス発散になります。ママの好きな歌や童謡、子守唄などを楽しく聞かせてあげると赤ちゃんも楽しい気分になるので、優しく歌ってあげましょう。
パパも一緒に胎教ができる
胎教はママだけではなく、パパも一緒に取り組むことができます。妊娠中のママは、身体的にも精神的にも不安な面が出てきやすいものです。ママが穏やかに妊娠期間を過ごせるように、パパのサポートはとても重要になってきます。
ママが肩こりや腰痛でつらい時は、マッサージをしてあげることで、身体的にだけではなくママの気持ちもほぐされることでしょう。ママが不安な気持ちになっている時は、話を聞いて不安を共有してあげることで、ママの気持ちも落ち着きます。
ママがリラックスできていると、その状態は赤ちゃんにも伝わります。家族みんなで胎教に取り組み、よりよい妊娠期間を過ごしていきましょう。
胎教におすすめの音楽のジャンル
ここからは、胎教におすすめの音楽についてご紹介します。
クラシック(モーツアルト効果)
胎教といえば、クラシックを連想する方も多いのではないでしょうか?クラシックには、睡眠の質を向上させたり、ストレスを解消したり、免疫力を高めたりなどといった妊娠中のママには嬉しい効果がたくさんあります。
また、妊娠中にはとりわけモーツァルトの音楽を聞くとよいとされています。なぜなら、モーツァルトの曲には、「1/fゆらぎ」というリフレッシュ効果の高い独特のゆらぎの音が含まれているからです。
クラシックには、静かな曲だけではなく、明るい調子の曲やロックのように激しい曲もあります。ママの気分によってさまざまな曲を選べるのも、クラシックの魅力です。
オルゴール
オルゴールには、超高周波数という胎教によい音が含まれているといわれています。その優しい音色に癒されながら、ママと赤ちゃんで一緒にリラックスしながら落ち着いた時間を過ごすのもおすすめです。
自然・ヒーリング
鳥のさえずりや小川を流れる水の音など、自然の音には「1/fゆらぎ」というリラックス効果を高めるといわれる音が含まれています。「1/fゆらぎ」とは、規則的な音楽の中にある不規則性のことです。
また、ヒーリングミュージックは、聞いている人にリラックスやリフレッシュを与える目的で作られています。そのことから、自然の音とヒーリングミュージックは、妊娠中のママがリラックスするためにおすすめの音楽といえます。
学習系
学習系とは、語学のCDなどのことです。おなかの中の赤ちゃんは、言語というよりもリズムを聞き分けているといわれています。
リズムを聞き分ける能力を高めることで言語を覚える力も付きやすいといわれているので、妊娠期間中に赤ちゃんと一緒に勉強するのもよいかもしれませんね。
ロック
胎教の音楽でロックというと、ネガティブなイメージを持つ方がほとんどではないでしょうか?しかし、ロックを聞かせても赤ちゃんに悪い影響を及ぼすといった心配はありません。
上でお伝えしたように、ママがリラックスしている状態であれば赤ちゃんにもよい影響を与えます。そのことから、ママがロックが好きなら、ロックを聞いても問題ないということになります。
音楽以外の胎教の方法
最後に、音楽以外の胎教の方法についてご紹介します。
話しかける
おなかの中の赤ちゃんに、朝と夜のあいさつをしたり、日々のできごとやママが感じたりしたことなどを話してあげましょう。
話しかけていくことで、赤ちゃんとの絆もより深くなっていきます。声に出して話しかけてもよいですし、心の中でも大丈夫です。
ママだけではなく、パパや上のお子さんなど、家族みんなでおなかの中の赤ちゃんに話しかけてあげるのもおすすめです。
最近では、おなかの中にいる時だけ、胎児ネームというニックネームを赤ちゃんに付けて、話しかけてあげるパパとママも増えてきています。ニックネームで話しかけると、より赤ちゃんに親しみやすくなりますよね。
おなかをなでる
おなかをなでることは、赤ちゃんとのスキンシップとして積極的に取り入れたいことの1つです。というのも、スキンシップを取ることで、愛情ホルモンが分泌されやすくなるといわれています。
赤ちゃんの胎動が、おなかの外からでもわかるようになったら、キックゲームを試していくのもおすすめです。赤ちゃんがおなかをキックした場所を、外から「キック」といいながらトントンと優しくたたきます。
これを1日数回、1ヶ月以上続けていくと、たまにママの方からトントンたたくと、赤ちゃんも同じ場所をキックしてきてくれることも。
また、ママだけではなく、パパもおなかをなでてあげたり、キックゲームを一緒に楽しんだりできます。
しかし、おなかをなでると張りやすい体質のママは、注意が必要です。ママの体調を第一に気を付けながら、赤ちゃんと楽しくスキンシップをしていきましょう。
絵本の読み聞かせ
絵本の読み聞かせは、パパとママとおなかの中の赤ちゃんとの絆を深めるためにも大切な取り組みです。赤ちゃんの出産後に読み聞かせてあげたい絵本を選び、リラックスしている時や寝る前などに、お腹に向かって読んであげましょう。
ママとパパの優しい声で読んであげることがポイントです。おなかの中で、赤ちゃんもしっかりパパとママの声を聞いているので、絵本を読みながらコミュニケーションを取る気持ちを大切にしていきましょう。
適度な運動
適度な運動には、さまざまなメリットがあり、ママの気分転換やストレス解消にもなるのでおすすめです。また、ママにストレスが溜まっていると不調が起きやすくなります。ストレスを溜め込まないためにも、適度な運動をするようにしましょう。
ここからは、妊娠中にできる運動の種類と効果についてご紹介します。
散歩
散歩は、軽いつわりやむくみを抑える効果があるとされています。また、便秘・肩こり・腰痛の改善やストレス解消、リラックス効果などをもたらしてくれます。
激しい運動は避け、転倒しないようにゆっくり歩くようにしましょう。外の気温なども気にかけ、水分補給も忘れずに!
マタニティヨガ
マタニティヨガは、基本の呼吸のポーズや猫のポーズなどがあり、運動不足を解消したり、ストレスの発散をしたりする効果があるとされています。
他にも、出産時の呼吸法や腰痛などの身体の不調を整えることが可能です。深い呼吸をすることで、心が落ち着きリラックスできるので、気持ちが楽になります。
マタニティビクス
マタニティビクスは、エアロビクスを簡単にしたもので、妊娠中のママでも負担が少なく安心して行えます。軽いステップなどで体を動かすことで、気分転換やストレス解消効果などが見込めます。
他にも、体重の増加を予防して出産に必要な筋力を補うことも可能です。また、母乳が出やすくなる運動や肩こり・腰痛・便秘などに効く運動もあります。
マタニティスイミング
マタニティスイミングがもたらす効果は、ママのストレス解消やリラックス効果につながります。他にも血流がよくなることから、むくみや腰痛の改善などの効果もあり、体重の増加を防ぐとされています。
また、温水プールであれば体温が下がってしまう心配もありません。水中では、水圧で全身の筋肉を刺激することができる上に、浮力で転倒する心配がなく、体への負担も少ないので妊娠中のママにおすすめです。
まとめ
今回は、胎教がもたらす効果や始める時期、胎教におすすめの音楽と聞かせ方などについて解説しました。これから生まれてくる赤ちゃんのために、何かしてあげたいという気持ちは多くのママが抱くものです。
赤ちゃんのためには、ママがリラックスして過ごしていくことが1番です。赤ちゃんと一緒にリラックスできる音楽を聞きながら、穏やかなマタニティライフを過ごしていきましょう。
この記事のライター
吉田英梨香
小学生と幼稚園児を子育て中のママライターです。子育てと仕事を両立させながら、子供たちの感性や表現力などを伸ばしていく手助けができるように、日々悩みながら試行錯誤しています。私は子供たちの「やりたい」を大切にするようにしていますが、つい「やりたい」を大切にしすぎて甘やかしてしまうこともしばしば……休みの日は、子どもと一緒にベランダ菜園や工作などを一緒に楽しんでいます。 育児に悩むママさんに寄り添った情報をお届けいたします。