【初正月】破魔弓や羽子板のしきたりは?男の子と女の子それぞれの祝い方を解説

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初正月とは、赤ちゃんが誕生して初めて迎えるお正月のことです。初正月を迎えた赤ちゃんには、親族から破魔弓や羽子板といった魔除よけのお守りが贈られます。

しかし、初節句の人形が場所を取るなか「破魔弓や羽子板は本当に必要なのかな?」「初正月は必ずお祝いしなければいけないの?」と考える人も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、初正月の意味や破魔弓・羽子板のしきたりについて解説します。お正月は帰省して親族一同が集まるといった家庭も多いはずです。

両家が初正月をどれくらい重要視しているか分からない場合は、正しいお祝いの仕方を知っておくに越したことはありません。

また、今風でインテリアにもピッタリの初正月アイテムもご紹介しますので、参考にしてみてくださいね。

初正月とは?

赤ちゃんが生まれて、初めて迎えるお正月を「初正月」といいます。初正月は、赤ちゃんの無病息災を願い、親族一同やご近所の方々と盛大にお祝いするのが昔ながらの風習です。

昔、医療体制や栄養摂取が十分ではなかった時代では、赤ちゃんが生まれてすぐに亡くなることも珍しくありませんでした。

そのため、無事にお正月を迎えられることは大変喜ばしいこととして、盛大にお祝いする風習ができたのです。

初正月には、赤ちゃんがここまで無事に成長できたことへの感謝の気持ちを込めたり、これからの健やかな成長を願ったりしてお祝いします。

現在では、昔のように盛大に宴席を設ける家庭は少なくなっているようですが、地域によっては古くからのしきたりが残っているところもあります。

男の子の初正月祝いのしきたり

男の子が初正月を迎えた場合は、祖父母や親族、友人などから「破魔弓(はまゆみ)」を贈る風習があります。

鎌倉時代、武家に男の子が誕生すると「立派な武士になってほしい」と祈願して破魔弓を飾る習わしがあったことから、現在に引き継がれています。

破魔弓だけでなく、お正月遊びに使われる凧(たこ)をあげてお祝いする地域もあります。また、天神人形や天神様の坐像を飾って学業成就を祈願するところもあるようです。

ここからは、男の子の初正月に贈られる破魔弓の詳細や取り扱いについて解説します。

破魔弓とは?

男の子の初正月で贈られる破魔弓は、弓と矢、弓を入れるうつぼがセットになったものが一般的です。弓で射る的のことを「ハマ」と呼ぶことから「破魔」という字を当てられました。

それから破魔弓は「魔を射る」という意味を持ち、男の子を邪気から守るお守りとして大切にされてきました。

ちなみに、破魔矢も無病息災を祈るお守りです。破魔矢は初詣で授与されたものをお守りとして飾るほか、住宅新築の際に棟上げでお供えする習慣もあります。

現在は、手軽に飾れるコンパクトな破魔矢のみを贈る人も少なくないようです。

破魔弓は誰が買う?どこに飾る?

破魔弓は古くから「母方の両親が用意する」という風習があります。昔は結婚すると新婦が新郎の家に嫁ぎ、夫の実家で同居するケースが一般的でした。

そこで新婦の両親が「娘が嫁ぎ先で困らないように」と、家財道具や子ども用の節句人形などを嫁入り道具として準備したのです。

現在は嫁入り道具といった考え方も薄れているため、誰が購入するかに決まりはありません。お互いの両親が破魔弓の購入に関して、どのような考えをもっているか確認してみましょう。

贈られた破魔弓は、子どもの成長を見守る縁起物であることから神棚や床の間に飾るのが一般的です。しかし、現在の住宅事情から考えると、そのようなスペースを確保するのが難しい人も多いのではないでしょうか?

その場合は、お守りとしてみんなが集うリビングや魔除けの意味を込めて玄関に飾ってもよいでしょう。

破魔弓はいる?いらない?

どもが生まれるまで「初正月」や「破魔弓」といった言葉を聞いたことがなかったパパ・ママも少なくないのではないでしょうか?

わが家は「初正月?破魔弓?」と、親族が首をかしげていたので、とくにお祝いはしませんでした。

実際に、初正月を重視せず破魔弓を購入しなかったという人も多いようです。飾るスペースの確保や、管理の手間を考えて購入を控えることもあるでしょう。

親族から贈られることがあれば思いを込めて飾り、なければわざわざ購入しなくてもよいと考える人が増えています。

女の子の初正月祝いのしきたり

女の子が初正月を迎えた場合は、祖父母や親族、友人などから「羽子板(はごいた)」を贈る風習があります。

江戸時代から羽根つきは女の子の遊びとして親しまれており、羽根をつく羽子板は「女の子の魔除けのお守り」とされていました。江戸の大名から始まった、女の子の初正月に羽子板を贈る風習が、現在まで受け継がれているのです。

贈られた羽子板は、赤ちゃんの無病息災を願うために飾られます。ここからは、女の子の初正月に贈られる羽子板の詳細や取り扱いについて解説します。

羽子板とは?

羽根つきには「災いをはねのける」という意味があります。そのため、羽子板は「女の子の災いをはねのけるもの」として初正月に贈られるようになりました。

古くからお正月には、厄落としとして羽根つきがおこなわれ、女の子の健やかな成長を祈願していたのです。

また、羽根つきで使用される羽根にも魔除よけの意味が込められています。羽根の黒い玉の部分を「無患子(むくろじ)」といい、「子どもが病気を患わない」という意味があります。

羽根つきは、子どもが病気にならないおまじないのような遊びとして伝承されています。

初正月で贈られる羽子板には、実際に羽根つきができるものから、立体的な絵柄でケースに入っている「押絵羽子板」など、さまざまな種類があります。

羽子板は誰が買う?どこに飾る?

羽子板は破魔弓と同じく、古くは母方の両親が嫁入り道具として準備する風習がありました。

嫁ぎ先に行ったままなかなか会えない娘や孫に会うため、赤ちゃんの成長を祝う行事にお飾りやお守りを用意して夫の実家を訪問していたそうです。

そういった風習からお祝いに関するアイテムは「母方の両親が準備する」といった考えが根強く残っています。

しかし、地域によっては、男の子が生まれたら父方の両親が、女の子が生まれたら母方の両親が準備するといったところもあります。

このように、地域や家族の習わしによって誰が購入するかといった考え方はさまざまです。

羽子板は、破魔弓と同じように神棚や床の間、リビングや玄関に飾るのが一般的です。羽子板にはお守りの意味があるため、1年中飾っておくという地域もあります

羽子板はいる?いらない?

地域によっては、羽子板を飾る風習がないといったところもあります。そのため、初正月に合わせて羽子板を購入しなかったという人も少なくありません。

わが家では、遊べる羽子板を購入し、幼児になった今ではお正月に羽根つきを楽しんでいます。

しかし、なかには初正月のしきたりや習わしを重要視している親族もいるでしょう。必ず購入しなければならないものではありませんが、恥ずかしくないよう由来や習わしは知っておきたいですね。

初正月当日のお祝いの方法

初正月は、お誕生日や初節句などのイベントとは異なり、お正月にあたるため親族が集まりやすく、盛大なお祝いを催しやすい日です。

出産後初めて迎えるお正月で、なかなか会えない親族に赤ちゃんの顔を初めて見せるという人も多いですよね。

初正月当日は、贈ってもらった破魔弓や羽子板を見える場所に飾り、正月料理を囲んでお祝いしましょう。また、初詣に出向くのもおすすめです。

その際は、1歳に満たない子どもを連れての初詣になるため、混雑する神社やお寺は避けましょう。

初正月のお祝いをいただいたときのマナー

初正月のお祝いをいただいたら、基本的に特別なお返しを準備する必要はありません

しかし、気になる人はお礼状をかいたり、贈られた品と赤ちゃんの記念写真を撮影してプレゼントしてもよいでしょう。

また、お祝いを贈ってくれた人を招いて、正月料理でおもてなしするのもおすすめです。にぎやかに赤ちゃんの健やかな成長を祝いましょう。

インテリアにも!今風な破魔弓や羽子板を紹介

古き良き伝統である破魔弓や羽子板ですが、最近の住宅事情ではコンパクトでシンプルなものが好まれる傾向があります。

破魔弓や羽子板の由来を大切にしたいけどオシャレなものが欲しい」と考えるパパ・ママも多いのではないでしょうか?そこでここからは、インテリアにもピッタリな今風の破魔弓や羽子板をご紹介します。

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白を貴重とした、シンプルな初正月の贈り物。清らかで神聖な白は、魔を払い幸福を守る意味合いが含まれるそうです。
清潔感があって、どんなインテリアでも合いそうですね。

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高さ60㎝の、オシャレな壁掛け破魔弓です。洋室でもインテリアにカッコよく馴染みそうです。
立てかけて飾ることもできるので、五月人形の脇飾りにもピッタリですね!

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お正月らしく、ちりめんで作られた羽子板です。
インパクトのあるリボンが可愛いですね!

初正月のしきたりを知って初めてのお正月を和やかに過ごそう

赤ちゃんが生まれてから迎える初めてのお正月は、破魔弓や羽子板を飾って赤ちゃんの無病息災を願うもの。その風習を知らず、どのような行事なのか戸惑っているパパ・ママも多いでしょう。

初正月のしきたりを知ることも大切ですが、まずは夫婦で「初めてのお正月を無事に迎えてくれた喜び」を分かち合ってみてはいかがでしょうか?

また、親族や友人からの贈り物には、赤ちゃんの成長を願う深い愛情が込められています。破魔弓や羽子板が贈られた際は、その意味をかみしめながら大切に飾りたいですね。

この記事のライター

山本あやか

山本あやか

【資格:保育士免許・幼稚園教諭一種免許 / 児童館、幼稚園、保育園の勤務経験あり】
未就学児2人の母でwebライターとして活動中!保育士資格・幼稚園教諭一種免許を取得し、10年間保育士として勤務した経験があります。子ども達がワクワクする遊びの提供が得意です。とはいえ保育士でも毎日子育ての悩みは尽きません…。ママ達のお悩みに寄り添える保育士ライターを目指しています!