妊娠が分かってから早い段階で決めなくてはならないのが、里帰りする?しない?問題です。
出産先は、かなり早い段階で決めなくてはいけません。
一般的に「出産=実家に里帰り」というパターンが多いかと思います。
しかし、様々な事情で親族に頼ることができず、里帰りしない出産を選択する人も多くいます。
コロナ渦では、離れて暮らす両親のもとに気軽に帰ることも難しくなったという方もいるのではないでしょうか。
筆者も様々な事情から、第一子第二子共に里帰りせず、親族の手助けなく出産しました。
主人はとても家事育児に協力的ながら、平日は仕事が朝から夜遅くまであるためワンオペ状態。
当時のことを振り返りつつ、「里帰りしない」出産を乗り越えた経験から、里帰りしないメリットや準備しておくべきこと、心構えなどをご紹介します。
悪いことばかりではない!里帰りしないメリット

里帰りしない・できない状況の方は、様々な不安を抱えていると思います。
・自分に育児と家事の両方が務まるのだろうか。
・出産後すぐ動けるのだろうか。
・陣痛や破水が起きた時一人だったらどうしようか。
このように里帰りしない出産の場合は、どうしても大変・心配な面に目が行きがちです。
しかし、里帰りしない出産にはメリットもあります。
実際筆者も里帰りしない出産を二度経験し、そのメリットを強く感じました。
今回はそのメリットについてご紹介します。
・通院している病院で出産できる
里帰り出産となると、妊婦健診を受ける病院と出産する病院、2つの病院に通うことになります。
里帰り先が遠い場合には、実際に見ることも、受診することもなく分娩する病院を決めなくてはいけないことも。
さらに里帰りが出産直前の場合、1〜2回程度の妊婦健診後すぐ出産、ということも珍しくありません。
その点、里帰りしない出産の場合は、初期の妊婦健診の頃からの通い慣れた病院で出産することができます。
初めての出産は不安がいっぱいです。
そんな時に何度も会ったことのある看護師さんや助産師さん、お医者さんがいる、気心が知れている病院で出産できることは、とても大きな安心材料になります。
・環境の変化がない
里帰りしない場合、環境の変化はありません。
出産前から準備をバッチリ整えた場所で、赤ちゃんを迎えることができます。
里帰りをすると、どうしても里帰り先と自宅の二拠点で生活を送ることになります。
そのため、ベビーベットは自宅には用意したが里帰り先にはない、里帰り先は平屋だけど自宅には階段があるなど、ちょっとした違いがストレスになることも。
里帰りでは生活様式がガラリと変化するため、環境が変わらないことは精神的に余裕が生まれます。
・パパの自覚が芽生える
妊娠している女性とは違い、男性はどうしてもパパとしての自覚が芽生えるのが遅くなりがちです。
ましてやママ側の実家に里帰りをしている場合はなおさらです。
赤ちゃんもママも自宅にいないので、羽を伸ばして遊んでしまい、里帰り後もそんな独身気分が抜けない、なんて人も。
一方、里帰りしない場合は、パパが最初から育児に参加できることで、ママと一緒に育児に奮闘してくれる人が多いようです。
育児にはパパの協力が不可欠です。
大変な時期ですが、パパとママが協力して大変な時を乗り越えると、一層絆が深まり後々素晴らしい思い出となりますよ。
・自分のペースで過ごせる
実家でも、義理の両親の家だとしても、里帰りする側も迎える側も気を遣います。
そのため多少なりとも里帰り中は気疲れをしてしまうものです。
自分の家ではないので、勝手がわからなかったり、見えないルールがあったり。
ただでさえ赤ちゃんとの初めての生活で気を張っているので、少しでもストレスフリーに過ごしたいものです。
実際、筆者は退院直後から平日はワンオペでしたが、好きな時間に起きて好きな時間に休んで、赤ちゃんの時間軸で生活でき、ストレスなく過ごすことができました。
サポートしてくれる人がいない、ということはとても大変でした。
しかし、誰にも邪魔されず赤ちゃんとママだけのペースを作って、ゆっくり過ごすことは里帰りしないメリットと言えるでしょう。
・移動する必要がない
里帰りをすると、自宅へ戻るための移動が必須です。
生まれたばかりの赤ちゃんを、長時間外出させるのは想像以上にとても大変です。
長い移動時間に、赤ちゃんもママも体に負担がかかってしまいます。
また移動費はもちろん、里帰り先で使用していたさまざまなモノを運ぶ輸送費なども、かさんでしまいます。
そのため移動がないということは、赤ちゃんにも家計的にもメリットがあります。
<出産前>入院のために準備しておきたいこと

出産後の方がどうしても気になる里帰りしない出産ですが、出産前の準備もとても大事です。
特に陣痛や破水が起きた時一人だった場合を想定して、様々な準備をしておかなければいけません。
そこで次は、出産前に必ずしておくべき準備を5つご紹介します。
・入院準備は早めに済ませる
陣痛や破水はいつ起きるかわかりません。
予定日よりもかなり早い段階で始まってしまう場合もあります。
そのため、入院準備は必ず早め早めにしておきましょう。
目安としては妊娠後期に入ったら準備を始めましょう。
また準備したものは、誰にでもわかりやすい場所に置いておくのがいいです。
おすすめは玄関です。
万が一ママが自分で病院に持ってこれなかった場合を想定して、パパにも置き場所をちゃんと伝えておきましょう。
・陣痛や破水が起こった場合のシミュレーションをしておく
里帰りしない場合は特に、陣痛や破水が起こった時ママが一人でいる可能性が高いです。
経験のないことに、パニックになってしまう人も多いです。
そのため一人でも慌てずに行動できるよう、様々なシーンでのシミュレーションを想定しておきましょう。
陣痛や破水が起きたのが日中だったら?夜中だったら?
買い物中だったら?自宅で一人だったら?
ママの行動パターンに当てはめて、対応方法を考えておきましょう。
・陣痛タクシーの登録
陣痛タクシーというものをご存知でしょうか?
陣痛タクシーとは、事前に自宅や産院などの情報を登録しておくと、陣痛や破水が起きた時に産院まで送ってもらうことができるタクシーのことです。
もしもお住まいの地域にあるようであれば、電話一本で産院まで行くことができるのでおすすめです。
自家用車がある方やパパに送ってもらう予定の方も、万が一のことを考えて登録しておきましょう。
またお住まいの地域に陣痛タクシーがない場合は、タクシーの連絡先を数社分登録しておくと安心ですよ。
・赤ちゃんが生まれたときの連絡先を確認
陣痛や破水が起きて病院についた時、誰も付き添いがいない可能性があります。
ママが自分で連絡できればいいですが、難しい場合は病院にお願いできる場合もあります。
そのため、病院に連絡の代行を頼めるかどうかを確認し、できる場合は連絡先をまとめておきましょう。
まとめ方は、連絡相手の優先順位と、連絡が取れなかった場合の別の連絡先を書きましょう。
例えばパパの場合、携帯電話を第一連絡先にしておき、連絡が取れなかった場合は職場に連絡してもらう、などのようにまとめておくとわかりやすいです。
・高額医療制度の申請
帝王切開などで高額な医療が発生した時、高度医療制度を適応できる場合があります。
普通分娩予定でも、お産が進まず帝王切開になる、など予定外の医療行為が発生する可能性は十分にあります。
そのため普通分娩予定の方でも、万が一のことを考え事前に高額医療制度の申請をしておくといいでしょう。
ママの会社の健保、もしくはパパの扶養に入っている場合はパパの会社の健保などで確認し、申請、もしくは申請方法を確認しておきましょう。
<出産前>産後の生活のために準備しておきたいこと

産後はバタバタ!予想以上に大変なものです。
そのため、できる限りの準備は出産前に完了しておきましょう。
続いては、出産前にしておいてよかった!と感じた5つの準備をご紹介します。
・赤ちゃんグッズの整理
必要最低限の赤ちゃんグッズの購入や(ベビーベットなどがある場合は)設置は済ましておきましょう。
もし産後手伝ってくれるパパや親族がいる場合は、一緒に整理してどこに何があるかの把握してもらうと、スムーズに赤ちゃんとの生活が始められます。
また可能であれば、購入した赤ちゃんグッズの使い方も一緒に確認しておきましょう。
哺乳瓶の消毒や、短肌着などの下着の着方など、意外と使い方を確認しないとわからないものがあるので要注意です。
・日用品・食品をストック
産後は買い出しなどに出かけなくてもある程度生活できるよう、準備しておくと後々楽になります。
例えば数日間の食料品を冷凍でストックしておいたり、トイレットペーパーやティッシュペーパーなどの日用品はある程度買いだめしておいたり。
筆者が買いだめしておいてよかったと特に感じたのは、お菓子です。
ご飯を作る時間がないほど忙しい日々が続きますので、ちょっとした時につまめるお菓子はとても重宝しました。
赤ちゃんの生活で最初はいっぱいいっぱいになってしまいがちですので、少しでもできる準備はしておきましょう。
・宅配サービスの登録
産後の買い出しはとても大変です。
ママが回復していない体で幼い赤ちゃんを連れ出して買い物に行くのは、できれば避けたいものです。
そのため、自宅に生活必需品を届けてくれるサービスを利用しましょう。
宅配サービスの中には、1週間に1回まとめて注文するものや、注文した当日に届けてくれるものなど様々あります。
また、料金も子供が1歳になるまで送料無料や、注文しなければ固定費はかからないものなどがあります。
そのため実際に使用せずとも登録しておくだけでも安心材料になります。
ぜひご自分にあった宅配サービスを登録しておきましょう。
・各自治体の産後ケアの登録
地方自治体によっては、産後ケアの事業があります。
内容は自治体によりますが、産院などに泊りがけで母子共に休めるものや、家事代行のように自治体の人が自宅にきてくれる場合など様々です。
親族にサポートを頼めない場合は、このような第三者の支援を受けることを検討してみましょう。
また、このような産後ケアの登録は、産前から申請しておかなくてはいけない場合などもあります。
ぜひ時間がある時に、お住まいの自治体を確認してみましょう。
・上の子どものお世話方法の見直し
里帰りしない出産が第二子以降の場合、上の子どものお世話について考える必要があります。
今までと同じように動けないため、協力してくれる人や通学先に連絡などを入れておきましょう。
筆者が下の子を出産する時、上の子はまだ未就学児でした。
そのため、入院中主人がなんでも上の子のお世話をできるように情報を共有し、念のための一時預かりなども探して登録しました。
上の子どもの年齢により、対応は異なると思います。
ぜひご家庭にあった方法を検討してみてください。
<出産後>心がけておきたいこと

出産した後はバタバタで休む暇がありません。
里帰りせずサポートしてくれる人がいなければ、想像以上に時間や余裕がないでしょう。
そんな忙しく慣れない子育てでは、どうしても気分が落ち込んでしまうことも。
筆者も大変な毎日に、鬱々とした気持ちになってしまいました。
しかし赤ちゃんのためにも、できるだけ笑顔で過ごしたいものです。
そこで次に、出産後に心がけておきたいことを5つご紹介します。
・産前と体が違うことを理解しよう
産前と産後では、そもそもママの体は大きく変化しています。
交通事故並みのダメージとホルモンバランスの崩れで、実際に感じている以上に体は悲鳴をあげています。
そのため、産前のように動けないことは当然!と考えましょう。
どうしても赤ちゃんとの生活に張り切ってしまい、家事育児を完璧にこなそうと思ってしまう人が多いです。
産前と体が違うことを、ママはもちろんパパも十分理解しておきましょう。
・産褥期はなるべくゆっくり過ごそう
産褥期は、里帰りせずともゆっくり休みたい時期です。
とはいえ、サポートしてくれる人がいなければやらなければいけないことが多く、ずっと寝ていられないのが現状です。
しかし、産褥期は無理をすると、更年期など後々大変になる、とも言われています。
そのため、あらゆるサービスやモノを活用しながら1ヶ月間は休むことを第一に考えましょう。
極力横になり、体が回復するように意識的に休憩してください。
・手抜きを悪と思わない!
里帰りしないママの中には、ついつい頑張ってしまう方がいます。
そういう人は、産後も産前と同じように家事をこなし、子育ても完璧にこなそうと無理をしてしまいがちです。
赤ちゃんのお世話は必要ですが、家事は手抜きができます。
食事が出前やインスタントでも、掃除や洗濯をしなくても生きていけます。
手抜きは悪ではなく、ママの回復に必要不可欠な時間の確保です。
そのため、手は抜いていいのだ、という考えにシフトしてみましょう。
・使えるものは人もモノも制度もフル活用
もし里帰りをしなくても、例えば数日間でもご両親が来てくれる、あるいは近くに手伝ってくれる親族がいる場合は、思いっきり甘えましょう。
またパパが一緒に住んでいる場合は、積極的に家事育児に取り組んでもらいましょう。
もしそれらが難しい場合には、お住まいの自治体の産後ケア支援を検討してみてください。
さらに食洗機やお掃除ロボットのようなハイテク家電や出前の食事などの導入も検討してみましょう。
ぜひ活用できるものは全て活用して、ママの休む時間を確保しましょう。
・ママが笑っていることが子どもにとっても幸せ
回復せず思うように動かない体。慣れない子育て。
思い通りに行かないことだらけで、気分が沈んでしまうことがあると思います。
でも、子どもにとってママが笑っていることが一番です。
サポートなく退院直後から赤ちゃんを育てているだけで、とても立派なことです。
ママは自分をたくさん褒めて甘やかしてあげてください。
頼れるものは頼って、完璧を求めず、少しでも休みながら笑顔で毎日を過ごすことを心がけましょう。
イメージを膨らませて、動けるうちに準備を整えておきましょう!

里帰りしない出産は、間違いなく大変です。
しかし一方で、里帰りにはないメリットもたくさんあります。
準備さえしっかりと整えておけば、里帰りしない出産でも大きく負担を軽減することができます。
ぜひこの記事を読んで、里帰りをしない場合のイメージを膨らませて不安を解消してくださいね。