夫婦関係カウンセラーの「松田裕美さん」へインタビュー

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memoricoインタビュー企画第一弾。記念すべき初回は、夫婦関係カウンセラー』の松田裕美さんにインタビューをしました。

 

結婚をして、子供が生まれたタイミングで夫婦関係に変化を感じたというパパママは多いのではないでしょうか?子育てをする上で、「夫婦関係の良し悪しは子供の成長を左右するほど大事な柱になる」と、松田さんは言います。

 

今回は、夫婦関係カウンセラーをしている松田裕美さんに、夫婦関係と子育ての関係性親の言葉が与える子への影響などをお伺いしました。子育てや夫婦関係に行き詰っている方や、子育て中で将来に備えたい方はぜひ参考にしてみてくださいね。

 

 

松田 裕美(まつだ ひろみ)さん プロフィール

松田裕美(まつだひろみ)さん

愛称:ひーちゃん

住まい:高知県

お仕事:夫婦関係カウンセラー、まんだらビンゴ協会理事、ウェディングプランナー

ご家族:夫、双子を含む男の子3兄弟

<ご経歴>
1983年
山口県で3人姉弟の長女として生まれる
2002年
心理カウンセラーを目指して広島大学教育学部へ
2006年
卒業後、ウェディング大手上場会社に就職、ウェディングプランナーとして約2000組の夫婦を祝福
2013年
結婚、その後双子の出産を機に退職
2021年
コミュニケーションプランナーとして起業
2022年
まんだらビンゴ協会の立ち上げ、夫婦関係カウンセラーとして活動開始

LINK
WEBサイト
Instagram

 

松田さんは現在、3児のママをされています。ママになってから7年、現在まで子育てをしながらお仕事をされてきました。3年前に起業し、現在は『夫婦関係のカウンセラー』として様々なご夫婦のパートナーシップの改善に取り組まれています。

 

松田さんのお仕事について

まずは、現在のお仕事についてお伺いしました。

 

memorico編集部(以下、編集部)松田さん、本日はよろしくお願いします。

松田裕美さん(以下、松田さん)こちらこそ、貴重な場を設けていただいてありがとうございます。本日は、よろしくお願いします。

 

編集部:さまざまな肩書を持つ松田さんですが、現在はどのような肩書でお仕事をされているんですか?

松田さん:現在は主に「夫婦関係カウンセラー」として活動しています。その他にも、以前の経験を活かしてフリーのウエディングプランナーとしての仕事や、カウンセリングのツールとして使用するまんだらビンゴ®のコーチの仕事をしています。まんだらビンゴ®は目標達成や習慣化のためのツールで、夫婦関係のコンサルでも使用しているんですよ。

 

編集部:カウンンセラーとしての活動だけでなく、幅広くご活躍されているんですね。「夫婦関係カウンセラー」というのは、普段はあまり聞きなれない職業ですが、どんなお仕事ですか?

松田さん:パートナーシップの悩みに寄り添ってお話を聞いたり、夫婦仲改善のためのコンサルティングを行ったりするのが主な内容です。大学で心理学を学び、ウエディングプランナーとして多くのご夫婦を見てきた経験を活かして、夫婦の関係にスポットをあててカウンセリングを行っています。悩みを抱えている方はもちろん、現在は悩んでいない方に向けて、より良い夫婦関係を築くためのアドバイスやパートナーシップに関する発信なども行います。実は、アメリカではメジャーな仕事なんですよ。

編集部:そうなんですね!?

松田さん:アメリカでは、夫婦喧嘩をした際にカウンセラーに相談する方も少なくないんですよ。

 

夫婦関係の改善、より良い関係の構築に向けたアドバイスをメインに、夫婦の悩みを解決するのが松田さんのお仕事です。

 

 

今の仕事に出会った経緯

次に、松田さんが事業を始めたきっかけに関するお話をお聞きしました。

 

編集部:松田さんが、今のカウンセラーとしての職業に出会った経緯を教えていただけますか?

松田さん:今振り返ると、子供の頃から「家族」や「人と人との関係」に興味を持っていたのだと思います。小さい頃は頑張り屋さんで真面目な性格だったこともあり、悩みを打ち明けられないモヤモヤを抱えていたことがあります。それを乗り越えた経験を経て、大学では心理学を専攻しました。そこが、カウンセリングを始めて学んだ場所になりました。

 

編集部:カウンセラーとして独立する前は、長年ウエディングプランナーとしてご活躍されてたんですよね?

松田さん:はい、新卒ではウエディング企業に就職して、結婚式を迎えるご夫婦のプランニングをしていました。14年間で8,000組のご夫婦の結婚生活のスタートを見送りました。その中でコミュニケーションを仕事をしたいと思うようになり、カウンセラーとしての道を目指し始めました。

 

編集部:最初から夫婦関係に特化したカウンセラーでは無かったんですね。どのような流れで、現在の夫婦関係のコンサルタントになられたんですか?

松田さん:実は、私自身が夫婦関係を改善したいと思ったことがきっかけなんです。すごく仲が悪かった訳では無いんですが、結婚・出産を経て、次第に夫に対するモヤモヤする気持ちが生まれて、関係が少し変わっていきました。夫からは「怖い」と言われてショックでした…。

松田さん:そんな時、子どもに「パパとママは離婚しない?」と不安にさせたことがありました。外では色んな人にコミュニケーションについてアドバイスをしている一方で、一番身近な人との関係を作れていなかったと気付きました。

 

編集部:目の前の松田さんの優しい雰囲気からは、「怖い」と言われるところは想像ができませんね。

松田さん:自分の夫婦関係を改善したいと思ったことがきっかけで、まずは自分のことを知ろうと振り返りをしました。何で夫に対してモヤモヤする気持ちを抱いたんだろう、その気持ちの原点とは何なんだろう、何で…と自分自身へ問いかけました。自己分析することで、幼少期からの頑張り屋さんで真面目な性格が根本にあることや、過去のどんな経験が今の自分を形成しているのか理解できるようになりました。自分のことを知ることが関係改善の第一歩になるんです

 

松田さん:自分のことを知って、夫とも理解し合えるように少しずつなると、同じように困っているご夫婦からの悩みが沢山増えました。ウエディングプランナー時代に沢山のご夫婦を見てきた経験も繋がり、現在のような夫婦関係に特化したカウンセラーとして活動するようになりました。

 

松田さんは自分自身が夫婦関係の改善に取り組んだことをきっかけに、同じように悩むご夫婦のために現在活動されています。

 

 

主なカウンセリングの内容ついて

次に、実際に松田さんが行っているカウンセリングの内容についてお聞きしました。

 

編集部:カウンセリングは夫婦ふたりで受けにくるのでしょうか?

松田さん:基本的には、おひとりで相談に来られます。夫婦で相談に来るとしたら、お互いの関係を良くしたいと既に2人で話し合いができている段階だと思うんです。私の所に相談に来る方は、夫婦間で話し合いができず、お一人で悩みを抱えている方が多いです。

 

編集部:確かに、夫婦でお話を聞きに行くというのは、関係を改善したいと前向きになっている段階かもしれませんね。

松田さん:はい、その通りだと思います。どちらかが「変わりたい」と相談に来てくれれば、夫婦関係は変えることができると思っています。また、相談はオンラインで行っているので、全国からの相談を受け付けています。

 

編集部:実際にどんな方が相談に来られますか?

松田さん:本当に様々な方がいらっしゃるのですが、私と同じ負けず嫌い、頑張り屋さんの女性が多いです。そういう女性は、男性に対して「負けたくない」「対等でいたい」という考えを根底に抱えていることが多いです。「一生懸命頑張っていることをパートナーに認めてもらいたい」という自分の想いに気付かず、上手く表現できずに夫婦関係の悩みに繋がってしまうんです。

松田さん:もちろん、男性からの相談もあります。年齢は30~40代の子育て中の方からの相談が多いですね。とにかく、本人が本気で変わりたいと思ったタイミングが、人が変われるタイミングだと思っています。

 

編集部:実際にどのようなカウンセリングを行うか、少し教えていただくことはできますか?

松田さん:まずは、悩まれていることを詳しくお聞きします。例えば悩みが「夫婦間の衝突が多いと感じている」という内容ならば、相手に対してイライラするポイントを言語化していきます。「なぜ」「何に」怒ってしまうのか考えるだけで、根本的な原因が見えてくることもあるんです。原因を「知る」ことができれば、どのように行動するか自分で選択することができるようになります。

松田さん:それから、相手に対して「して欲しいことをしてくれない」と考えている方に対しては、逆に「してくれたこと」を数えて貰います。そうすると、「思っていたよりも私のために何かしてくれているな」と気付く方も多いです。自分の考えを紐解きながら、さまざまな気付きを経て夫婦関係を改善していきます

 

関係改善のためのツールとして使用される、まんだらビンゴ®。カウンセリング時間の中で決めたシートを基に、毎日の習慣を変化させていきます。

 

編集部:カウンセリングの一環として「パートナーシップ診断」というものを取り入れているとのことですが、具体的にはどんな内容ですか?

松田さん:パートナーシップ診断では、習慣・愛される女性の器・男性とのコミュニケーション・価値観・自分軸の5つのジャンルの質問に答えます。各10問ずつ、合計50問の質問に答えると結果が点数化され、グラフとして表示されるんですよね。満点だと正五角形になるんですが、「いいえ」と回答した質問が多いとグラフがへこみます。その、へこんだ部分が夫婦の伸びしろになるので、その部分を考慮しながらアドバイスしていきます。

 

編集部:実際にカウンセリングをしていて、夫婦仲を良くするにあたってどのようなことが難しいと感じますか?

松田さん:夫婦仲を改善することは、一朝一夕ではできない難しさがあります。夫婦関係に関する感情は根深いものなので、自分のダメな部分と向き合う苦しさもあります。傷ついたり、恥ずかしい思いをしたとしても、継続して頑張っていけるかどうかが大きな壁になります。

松田さん:それに、最初の一歩を踏み出すことも大変なことだと思います。「誰かに頼ろう」「相談しよう」という考えになれない方も沢山いると思います。ただ、夫婦関係に限らず「変わりたいと思った方が動く」ことが大切だと思っています。これは私が実際に高校生のときに先生から言われた言葉なんですが、現状を変えるためには、変えたいと思っている方が動くしかないんですよね。

 

編集部:松田さんは夫婦関係が変化するタイミングはいつだと思いますか?

松田さん:夫婦関係が変わる一番のターニングポイントは、出産だと思います。今までは2人だけの生活だったものが、子供が加わることで、2人の関係性が大きく変わることは少なくありません。他にも親の介護や環境の変化など、夫婦は時間が経つごとにステージが変わっていきますが、夫婦関係を学ぶ場ってないですよね。

編集部:確かに、夫婦関係を学ぶ場はほとんどないかもしれませんね。

松田さん:そうなんです。子育てや教育について学ぶ人は多くても、夫婦関係を学ぶ人は少ない。だからこそ、どんな風にすれば良い関係が続けられるか分からずに、悩む夫婦は多いんです。

 

 

夫婦仲と子育ての関係性について

最後に、夫婦仲が子育てにどう影響するかと共に、子育て中のパパママへアドバイスをお聞きしました。

 

編集部:子供への夫婦仲の影響については、どう思われますか?

松田さん:夫婦仲は、子供に大きく影響します。子供は親や大人の言うことを鵜呑みにするんですよね。言われたことをそのまま受け取り、真に受けて育っていくんです。

松田さん:特に、子供はお母さんの感情に影響されやすいと言われていて、お母さんを通してお父さんを見ていることが多いそうです。お父さんの愚痴を聞いて育った子は、自然とお父さんのことを好きになれないなんてことも多いです。両親の夫婦仲を見て、子供は価値観を形成していき、それもまた子供が大人になった時の恋愛観やパートナーとの関係性に繋がっていくんです

 

編集部:夫婦関係と子どもの価値観には大きな繋がりがありますね。

松田さん:まさに、そうです!夫婦関係を横の軸、子供への影響を縦の軸とすると、2つは交差して、常に影響し合っていると思います。

松田さん:夫婦仲改善のカウンセリングをしていると、ご自身が子供の頃にどう両親を見ていたか、両親の夫婦関係はどうだったのかという深堀に必ずと言っていいほど行きつきます。例えば、お母さんの気持ちや言動に影響されて育ってきた方も、そのこと自体を「知る」ことができるだけで、気持ちが楽になったり、パートナーとの向き合い方がかわったりするんですよ。それだけ、長く一緒に過ごしてきた親との関係・親の夫婦仲は、自身の夫婦関係にも大きく影響するんですよね。

 

編集部:ずばり、夫婦仲が改善されると子育ても上手くいきますか?

松田さん:上手くいきますよ!私は、人間関係の中でも夫婦関係が「ラスボス」だと思っています。今までの経験から、夫婦関係を良くすることは全ての本質に繋がるなと実感しています。夫婦関係が上手くいくと親子関係が上手くいったり、職場の人間関係が上手くいったりすることも良くあるんですよね。

 

編集部:数多くのご夫婦を見てきた松田さんに断言して貰えると、心強いですね。ラスボスである夫婦関係を良くするために、まず私たちができることは何でしょうか?

松田さん:まずは自分とのパートナーシップを大切にすることです。自分の価値観や原点に自分で気づくことで、自分がどうしたら満たされるか分かってきます。自分を満たすことができて初めて、周りを満たすことができるようになります。「変わりたい」という気持ちで自分と向き合うことができれば、遅いということはないと思います。

 

編集部:ここまで、お話ありがとうございます。最後に子育て中のパパママへのアドバイスをお願いします。

松田さん:私はウエディングプランナー時代、沢山のご夫婦が「健やかなる時も、病める時も…」と生涯パートナーと支え合い、協力し合うことを誓う姿を沢山見てきました。私もその一人でした。でも時間が経つにつれ、様々な要因でその気持ちが変わり「こんなはずじゃなかった」という想いになってしまうんですよね。そんな時は今一度、どんな風に2人で子育てをしたかったのか話し合ってみてください。子供が生まれた瞬間は、誰しも夫婦で協力して大切なわが子を育てていきたい気持ちがあったはずです

松田さん:また悩んだときは、誰かに相談をしてみて下さい。情報をネットや本で集めることはできますが、悩みを解決するのは1人では難しいと思います。身近な人に相談できるところがあれば良いですが、それも勇気がいることなので、私も含めて相談できる場が増えたらなと考えています。

イベントに登壇された時の様子。

 

 

夫婦関係をより良くして楽しく子育てを

今回は、夫婦関係カウンセラーをしている松田さんにお話を伺いました。カウンセラーとしての活動内容をはじめ、ご自身の経験から考える子育てにおいて大切なことんなど、幅広い内容をお聞きできたと思います。

 

子育てと夫婦関係は非常に強く繋がっており、夫婦関係が改善することで子育てにも大きく影響することが分かりました。ぜひ本記事を参考に、より良いパートナーシップのための糸口を見つけて楽しい子育てライフを送りましょう。

 

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memorico 編集部

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