職場で出産祝いを贈る際に、もっとも悩むのは金額ではないでしょうか。しかしいくつかのポイントをおさえれば、同僚の記憶に残る出産祝いを贈ることができます。
本記事では、出産祝いの相場やマナーだけではなく、同僚のパートナーにもスポットを当てて出産祝いを解説します。参考にして、同僚に喜ばれる出産祝いを贈りましょう。
同僚に贈る出産祝いの金額・相場

同僚に出産祝いを贈る場合には、以下の金額を参考にすると良いでしょう。お返しを用意するケースが多いため、あまりに高額だと対応に困ってしまいます。立場別に具体的な金額を確認しましょう。
ケース1:同期に贈る場合
自分と同期に出産祝いを贈る場合には、気を遣わない3,000円~5,000程度が相場とされています。友人・知人の場合の相場は3,000円~10,000円なのでやや少ない印象ですが、連名や部署ごとに渡すケースが含まれているためです。
金額は相手との関係性にもよりますが、周囲の同僚とも相談してあまりかけ離れない金額を贈ることをおすすめします。高額なお祝いを贈ってしまうと、贈られた側がお返しを準備した際に、職場で渡しにくくなるためです。
ケース2:部下・後輩に贈る場合
部下や後輩に出産祝いを贈る場合には、3,000円~10,000円が相場です。自分の方が立場が上の場合、多めに出すという考え方があるため、同期に贈るケースより高くなる傾向です。
過去に出産祝いを贈った部下・後輩がいる場合には、金額の差が出ないように配慮しましょう。お祝いとしての金額を一律にして公平性を保ちます。親しい部下・後輩に多めに出産祝いを贈りたい場合には、現金と一緒にプレゼントを贈ることをおすすめします。
ケース3:上司・先輩に贈る場合
上司・先輩に出産祝いを贈る際には、5,000円~10,000円を想定すると良いでしょう。日々の感謝を伝える意味で、多めに包む傾向にあります。関わりが少ない上司・先輩の場合には、5,000円でも問題ありません。
上司・先輩という立場上、職場でこれからお世話になる場面もあるかもしれません。今後のかかわり方を考えて、迷ったら贈っておくことをおすすめします。プラスαで感謝の気持ちを伝えたい場合には、お花やお菓子を添えると良いでしょう。
ケース4:連名で贈る場合
同僚に連名で出産祝いを贈る場合には、1人あたり1,000円~5,000円が相場です。合計金額が4・9のつく数字にならないよう配慮しながら、10,000円~30,000円で出産祝いを調整しましょう。
最低でも一人あたり1,000円以上を検討して
連名で贈る際には、最低一人あたり1,000円以上を検討しましょう。あまりに少額だと、贈られた側がお返しに困るというケースがあるからです。
また一人ひとりの金額は必ず一律にするのが一般的です。金額がバラバラだと、贈られた側がお返しを選ぶ際に考えてしまいます。有志連名で贈る際には、可能であれば割り切れる人数で贈ると、贈る側も贈られる側も負担が少なくて済みます。
連名の場合は名前の書き方に注意
連名で出産祝いを贈る場合には、名前の書き方に注意が必要です。目上の方の名前を中央に書き、役職順または年長順に右→左へと書きます。
部署として出産祝いを贈る場合には、「〇〇部 一同」。有志連名として贈る場合には3名までなら熨斗に記載し、それ以上の場合には「代表者氏名+他〇名」とし、メンバーリストを同封するとスマートです。
同僚に出産祝いを贈るときのマナー

職場の同僚は、どちらかが転職をしない限り今後も長いお付き合いになります。将来的により気持ちよい関係性が築けるよう、同僚に出産祝いを贈る際のマナーを確認しましょう。
御祝儀袋を準備して
出産祝いを贈る場合には、熨斗がついた御祝儀袋を準備しましょう。昔は慶事にのしアワビを贈り物として添えていたことに由来します。のしアワビは貴重な保存食であったことから、長寿や良縁をもたらすものとして、現在の簡略化された形として残っています。
表書きには、黒の濃い毛筆を使用しましょう。上部には「御出産祝」と大きめに書き、下部には名前を少し小さめに書くとバランスよく仕上がります。連名で男女混合のケースでは、男性の名前を先に書きましょう。
出産前には贈らない
出産祝いは、出産後に贈るのがマナーです。最近では、日本でも「ベビーシャワー」を行う習慣が増えてきたため、誤解が多く注意が必要です。ベビーシャワーには、これから控える出産を応援する意味が込められています。一方で出産祝いには、無事出産を終えたお祝い、赤ちゃんの健やかな成長への願いが込められています。
出産というイベントは、赤ちゃんもママも命がけのこと。よって出産祝いは、赤ちゃんとママの健康が確認されたあとに贈ることが一般的です。
避けた方がよいプレゼント
出産祝いとしてプレゼントを贈る場合、避けた方が良い品物があります。リクエストを受けた場合はこの限りではありませんが、昔から縁起が悪いとされているものに以下のようなものがあります。
- 包丁
- ハンカチ
- 緑茶
刃物は「縁を切る」とされていることから、お祝い事には避ける事が一般的です。ハンカチは「涙を拭う」という意味があり、緑茶は弔事で用いられることが多いため避けた方が良いでしょう。また緑茶はカフェインを含むため、授乳中は控えるママが多くいます。
会社の同僚におすすめのプレゼント

出産祝いとしてプレゼントをもらうと単純に嬉しいですが、育児中のパパママには実用性が高いものや長期にわたって使えるものが喜ばれます。同僚への出産祝いとしてふさわしいプレゼントをご紹介します。
置き場に困らない商品券やギフト券
同僚からのプレゼントは、置き場に困らない商品券やギフト券が人気です。場所をとらずに、必要なものを必要なときに買えるため、お金と同等に喜ばれます。「消えもの」のため、気軽に贈ることができる点がメリットです。
その一方で、金額が明確であるというデメリットも。どこでも使えるギフト券も重宝しますが、乳幼児用品を扱うチェーン店のギフト券も人気です。
迷ったときはカタログギフト
迷ったときはカタログギフトもおすすめです。カタログギフトは金額が分かりにくいうえ、必要なものを選べるというメリットがあります。
その一方で、「選ぶ手間」が面倒というデメリットも。慣れない育児に奮闘するあまりに、カタログギフトをめくる時間さえ惜しいというママもいます。
私は実際にいただきましたが、ページをめくる時間が育児の気晴らしになりました。パパママの性格や育児の様子を聞いたうえで検討することをおすすめします。
オムツやミルクなど実用的なもの
出産祝いとしてオムツやミルクなどの実用的なプレゼントも喜ばれます。消耗品や必ず使うものは、いくらあっても困りません。
しかし事前にメーカーを調べておかないと「結局使わなかった」という事態も。オムツやミルクをプレゼントとして贈る際には、必ずパパママにメーカーや素材を聞いておきましょう。さらにオムツケーキやデコレーションなど、ラッピングにこだわると喜ばれること間違いなしです。
品物は男性目線で選ぶと◎
品物を贈る際には、男性目線で選ぶと失敗がありません。ママだけではなくパパも使いやすい色・デザインだと、積極的に育児に関わることが期待できるからです。
出産祝いとして抱っこ紐やベビーカーを贈る場合には、できるだけシンプルでシックな色合いのものを選びましょう。ブラックやカーキ、オレンジといった色なら男性でも違和感なく使えます。サイズが大きい男性でも、取り扱いが容易なものを選ぶとなお良いでしょう。
出産祝いはいつ贈る?

出産祝いは、生後1週間~1ヶ月前後で贈るのがベストとされています。出産報告を受けると、すぐにでもお祝いしたい気持ちになりますが、ママと赤ちゃんの体調が整うまで待ちましょう。出産祝いを贈る際には、適切なタイミングを選ぶのもマナーです。
訪問する場合は母子の体調を確認する
直接自宅を訪問して出産祝いを贈る場合には、必ず母子の体調を確認しましょう。出産は命がけのイベント。ママだけではなく赤ちゃんが新生児集中治療室(NICU)や保育器に入っていることも考えられるため、訪問の時期は必ず同僚にお伺いを立てましょう。
あくまでも出産がスムーズで無事に退院して生活のリズムができるのが、生後1週間~1ヶ月前後という時期です。我が家の場合赤ちゃんが小さく生まれたため、はじめて同僚が自宅に来たのは半年後でした。前もって「お祝いを届けたい」と同僚に話せば、具体的な時期を提示してくれるはずです。
渡し方にこだわらず郵送でもOK
出産祝いを贈る際には郵送でもOKです。訪問が難しい、贈るタイミングが遅くなってしまうなどの場合には、郵送を利用しましょう。また郵送を利用すると、相手側の負担を減らせるというメリットがあります。
育児に忙しい時期に、相手としてはお茶菓子を準備したり赤ちゃんのお昼寝の時間を気遣ったりするのは負担です。どうしても直接渡したい場合には、ひとこと声をかけて産休明けや相手の都合が良いタイミングで渡しても良いでしょう。
メッセージを添えて同僚を喜ばせよう

出産祝いと一緒にメッセージを添えると、お祝いする気持ちをより明確に伝えることができます。相手も「祝福されている」と実感するため、出産祝いをよりハッピーなイベントにすることができるでしょう。
不安が吹き飛ぶような明るい言葉を選んで
メッセージを添える際には、不安が吹き飛ぶような明るい言葉を選びましょう。命がけのイベントを終えたパパママを労う言葉がベターです。
「ご家族のますますの幸せをお祈りしています」「赤ちゃんの成長が楽しみです」同僚の忙しさを気遣ったり、自分が言われて嬉しい言葉を選ぶと良いでしょう。とくに出産祝いを贈る時期は正しい育児ができているのか迷いが生じる時期。明るい言葉で不安を吹き飛ばしてあげましょう。
職場でのイメージを添えると嬉しくなる
メッセージには、同僚の職場でのイメージを添えると喜ばれます。「一緒に頑張りたい」「早く復帰したい」という、仕事に前向きな気持ちを持てるからです。
「いつも明るい〇〇さん。きっと赤ちゃんも明るい子に育つでしょう」「いつでも頼りになる〇〇さんの復帰を社員一同お待ちしています」
「職場の人間だからこそ知っている姿」を改めて文字にされると、照れくさいと同時に嬉しい気持ちになります。職場でのイメージを上手にとり入れて、友人・親戚とはひと味違ったメッセージを添えましょう。
同僚とパートナーが喜ぶ出産祝いを贈ろう

出産祝いは同僚だけではなく、一緒に子育てをするパートナーのことも考えて贈ると喜ばれます。男性に贈るなら「母子ともに健康と聞いて安心しました」、女性に贈るなら「頼りになるパパで羨ましいです」など、さりげなくパートナーを気遣う言葉を添えましょう。
もちろん出産をお祝いする気持ちとマナーも忘れずに。素敵な出産祝いをきっかけに、職場の人間関係を深めることができるかもしれませんよ。